すべてがA~Zになる

そろそろ毎日投稿に洗脳されてきた感がある。

今まで、夜の過ごし方としてはメシ食って風呂入りながらスマホで動画見/音楽/ポッドキャスト聴いたり…あと…スマホで動画見たりニコニコ見たりようつべ見たりPCでアニメみたりマンガよんだり…あ、note読んだりたまにくだらんこと書いたり部屋の掃除したりなんだりしてたような気がするのだが。

だが、最近は「書かなきゃ寝られない…」から「書いたら寝られるな。」みたいな心理になってきていやいやながらエディタをゴミみたいに扱いながら頭のゴミを分別もせずに不法投棄出来るようになってきたような気がする。

いや、もともとこれでいいのだ。自分がなにかを書くためにはそれ以外のことすべてを”煩悩”/”雑念”として脳内から抹消させなくてはいけない。この作業を怠っていては質のいいゴミは生産できないのだ。この手法は創業当時から脈々と受け継がれ、今では入り婿である53代当主が誇りをもって伝統の灯を絶やさぬよう日夜技術を守っているのです。

この作業を辞めてしまうとそもそも書く段階まで到達できないのだ、気持ち悪すぎて。とりあえず頭の中が静かになるまで、この作業はやめるわけにはいかない。そしてこれはどれだけやればいいのか、自分でもわからない。見当もつかないのだ。

毎日きちんと測ったりすればわかるって?わからない。わからないよ。だって書いたり書かなかったり、途中で文章読んでたり動画見てたりSurfしてたりするんだから。別のこと思いついて衝動的にやってたりするんだから。ただひとつわかること、それはこの作業はいつだって、必要だってこと。

そう、これは俺に常に付き纏う問題。授業中だって勉強中だって”執筆”中だって、考えることが伴うとき、肉体の固定が伴うとき、それはすなわち思考の拡散を意味する。不確定性原理ってやつさ。肉体と精神の運動量は同時には決定できない。だから、片方を留めてしまえば作用は必然。故に題意は示された。quod erat demonstrandum. 

と、エセ理系ムーヴかましたところでなんだけども。こういうとりあえず知ったぶるような動作、わかっててもきつい。さいきん「すべてがFになる」読んだ。すごかった。急に脱線するけど。

最初にFを読もうとしたとき、内容がアレで挫折した。アレ?そう。俺はめんどくさいタイプのリケイだったのだ。リケイとはかくあるべしみたいな、さんざふざけ散らしておしまいになったような、ガビガビの理系像のみを期待していた。そして、それがいざ提出されたとなると、よくあるやつじゃん、と言って唾棄していた。クズ。なんなんだろうね、これ。テンプレを嫌ってるくせにテンプレ以外のものは理解できないから敬遠し、遠くから球を投げて排斥する。とりあえずすべてをバカにしてみるエセニヒリズム、批評家きどり。

そんなんだったから、最初の暗算はやーいみたいなシーンとかがジマン感じて読めなかったし、とりあえず雑に計算力見せとけば黙らせれるだろ、みたいな無知を丸め込もうとする、懐柔しようとする、妄信させようとする態度が嫌いだったし。

そうかと思えば、主人公が無駄な教授会で疲弊している、タバコとコーラ、コーヒーでやさぐれるシーンでもっとキラキラしたところを見せろ!だなどと喚きだす。なんなん?どっちがお望み?ワガママ。

西之園萌絵。ヒロインだし、お嬢様だし、助手だし水筒だしだしで属性盛りすぎだし、似つかわしくないし。みたいなことを勝手に思ってた。

そんなこんなで勝手に期待して、勝手に失望して、押付けて、けなす。そんな読み方をやってきた作品、最近また読んだ。読み終わった。

おもろい。こりゃ感心するな、ってなる。正しくミステリだった。小粋なジョークに言い回し、ぶっとんだ設定、納得感を植えるための布石、わかってることしか使わないような塩梅、気の利いた人生観に賢くなれるような気のする専門用語。いい作品だった。嫌ってたのがバカみたいだ。

結局、これだけ急に語りだして何が言いたかったのかというと、嫌ってるものには理由があるということ。そう、それだけ。なんか構文みたいな理屈だけど、これはとても素晴らしい発見。だって、理由がわかればそれを自覚し、自分へのカウンターとして楽しめばいいのだ。なんか嫌い?なんかってなんか。かってなんか。やってかんな。理由がわかったら、それを解決させるだけだ。そんなスタンスを学べた。すべてはFになる、おもろいで。

まぁ、もともと森博嗣、エッセイめっちゃ好きだったんだけどね。拗らせた理系…いや、人間か。拗らせてたから勝手に楽しめなくさせてたんだなって。本一つ読むだけでだいぶ自己分析にもなる。作品を見る目ひとつで自分の成長具合までもが測れる。すごいよね。かつて嫌ってた作品が楽しめるようになってきて、好きだったものがもの足りなくなって。

 変化。これこそが本質。万物は流転する。転がっていこう。
Roooooooolling!!!