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~息子の話~ 息子が産まれた日

3週間ほど先に出産予定日を控えているその朝、台風が近づいているとニュースで流れていた。
そんな日に…
ん?なんだかこれは微かに陣痛が始まってる?
初めての出産だからよくわからないけど、ただ
お腹が張っているのとは違うくないか?
痛みはひどくないけど、定期的に襲ってくる。
切迫早産で1ヶ月ほど入院し、もう産まれて大丈夫です!と言われ退院した4日後…
間違いないだろう。

夜までそれほど痛みは強くならなかったが、台風のなか病院に向かうのは大変だよねぇ
ってことで病院に電話し、受け入れてもらうことになった。

そして台風の到来と共に真夜中、本格的に陣痛がやって来た。
まさに嵐の夜に、私は戦った…
息むのが下手くそで、赤ちゃんの頭が何度も出たり入ったり出たり入ったりを繰り返した。
すごい形相だったと思う。
立ち会い出産じゃなくて良かった…と
ヒッヒッフーをしながら、余計なことを考えていた。
だから下手くそだったのか…😓

病室で待っていた旦那と母はテレビで
ずーっと台風情報を見ていたそうだw
うとうとしながらww

嵐の去った朝、無事に大きな仕事を終え
待ち望んだ息子との初対面…
3週間早かったうえに、出たり入ったりを繰り返し誕生した彼は、青白く、頭が尖っていて、毛深く新生児ってこんな大きな声で泣くの?っていうくらいびっくりする声量で泣いていたけど。
なんて…
なんてかわいいんだろう♡

やっと会えたね…
私たち頑張ったね…
本当に本当に幸せ🍀な朝だった。

その日私はとにかく衰弱し、ぐったり。
ほぼ意識不明の状態で寝て過ごし、次の日の朝を迎えた。

そして、これから始まる息子との生活に胸を膨らませながら、産後の豪華な朝食を食べていると
テレビのニュースである光景が流れた。
何の映像かわからなかった…映画の予告編?

それはビルに飛行機が突っ込んでいく映像。
前日の日本時間午後9時45分、アメリカで現実に起きた『同時多発テロ事件』の様子だった。
昨日は、テレビを見る余裕なんてなかったので全然知らなかったけど…
息子の誕生日は、世界中に衝撃が走った事件の日になってしまった。

私にとっては人生最大の喜びの日なのに…
とても複雑な思いだった。

世界中が驚きと悲しみに包まれたあの日
私は不謹慎ながらも、我が子の誕生という大きな幸せをもらった。
みんな、そうやって誰かを幸せな気持ちにして産まれてきた大切な命。
奪っても、奪われてもいけないはず…

毎年、息子の誕生日が近づくとあの衝撃的な事件はニュースで流れ、私はあの時の情景や感情を鮮明に思い出す。
たくさんの大切な命が奪われてしまった日に生をうけた息子が、命の重さを感じながら成長してほしい…と願い誕生日を祝っている。

そして彼は、今までの人生でとても深く命について考えたであろう経験もした。
そのことについては、またいつか綴りたいと思う

私の初めての出産話にお付き合い下さり、ありがとうございました☺️

次は🐣息子を保育園に預けた始めたころ🐣
のエピソードを綴ろうと思っています。
よかったら、また覗いて下さいね♪

おやすみなさい





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