見出し画像

文系エンジニアの契機になったフランス留学

【インタビューした方】鈴木光悠さん

早稲田大学卒業後、日本IBMに入社。数年間働いたのちに独立。現在は株式会社Sphiaの代表として、データ分析の会社を経営。主な業務内容は、医療系のデータ分析と組織の業務効率を上げるアプリケーション開発。


【文系人材エンジニアになる】

ーー大学では文系の学部出身ですが、エンジニアのスキルはいつ身につけましたか? 

プログラミングを初めて学んだのは、学生時代にフランスに留学した時です。

当時欧米では、データドリブンと呼ばれるデータに基づいて判断・アクションする潮流が起きていました。その流れもあり、留学中にプログラミングによるデータ分析の方法を学びました。

帰国後も、基礎的なものを作るプログラミングの授業をとって勉強しました。 


【不確実な世の中で確実なこと】

ーープログラミングを勉強してみてどうでしたか?

面白かったです。 

突き詰めて考えると、世の中を確実なことは「今この瞬間に僕がいる」ことぐらい。で、それ以外はどうもはっきりしない。

そんな課題感がずっとあって、「何やっても結局は確実じゃないな」と思ってました。

「人による」っていう言葉は便利でよく使われますが、僕はそういう判然としないものが苦手で。

でも、データサイエンスは手触りのあるデータを使う。確かに多くのことは人によるけれど、これとこれは因果関係があるかも、と言える可能性がより高いものを探すことができます。

それを自分の力で明らかにしていけるのが楽しくて、食い入るように教科書を読んでいました。


【戦争と貧困を無くしたくて留学】

ーーフランスに留学したきっかけは何でしたか? 

どうやったら途上国の経済が良くなるだろう?どうやったら戦争がなくなるんだろう?そんなことを分析したくて留学しました。

フランスは元々植民地がたくさんあるので、開発経済学が強いんです。

当時は国連にも行きたかったので、英語のほかにもう一つ言語を学んでおこうとも思いました。 

…ここまで半分は本当で、半分は建前。

本音は星の王子様を原書で読んでみたかった、フランス語が得意だとカッコいいと思った。大体そんな感じですね笑


【戦争をなくすための経済学】

ーー開発経済学を学んでみてどうでしたか?

フランスで学んだことがすごく大きくて、データを元に「何が確実か」をいくつか学べました。

例えば、

・どういう理由で戦争が起こるんだろう?
・どうやったら紛争を予防できるんだろう?

みたいなことを考えたときに、イギリスの経済学者ポール・コリアは「発展途上国は、経済発展してたら戦争が起こりにくくなる」とデータを使って解析したんです。

武器を持つよりも働いた方がリッチに生きていける、だから戦争は起こらない。


【先進国が戦争しないため大事なこと】

逆に先進国になると、お金だけで未来に希望を持つのは限界がある。

そういうときには、社会のことを信頼できる方が大事。

自分の居場所があるとか、自分がちゃんと自分らしく働けるみたいなことが大事で、それを実現できる一つの方法が民主主義。

自分の大事なことを誰かが勝手に決めないってのが民主主義だとすれば、その民主主義が戦争を減らしてることがデータ上分かっている。

その辺がすごく面白かったです。

→フランス留学を経て感じた日本人意識と挫折経験



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?