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呪いはあるか ‐自分で自分を制限してるんじゃないかって話‐

何かと希望があふれている年のはじめ。
目標を立てたり、「どんな一年にしようか」なんて考えたり。
そんなワクワクのなか初詣で引いたおみくじに、出鼻をくじかれた。

“努力しても実らないときもある”
“望めば得られるほど世の中甘くはない”
(願望)“叶わずとも腐るな”
(恋愛)“実らぬ恋もある”
(人望)“自分が思うより小さい”

書かれている内容はまさに「おっしゃる通り」だし、いくつかは友人なり先輩なりに実際言われたアドバイスそのままだ。神のお言葉にしてはあまりにも現実的すぎる。とくに[人望]の欄。これまで人間関係には気を遣って生きてきたつもり。自分で言うのもなんだが、わたしから人望取ったらカスしか残らんとも思っていたが、どうやらカスさえ出なそうだ。
このたった10文字の言葉に、メンタルブロックが発動。
「わたしなんかが言ってもどうせ……」
「わたしが何をしてもきっと……」
と、久しぶりに自己肯定感が低空飛行し、新しくチャレンジしようとしていたアレコレに一切手がつけられなくなってしまった。

このnoteを書くことで気持ちを少しずつ開放しているんだけど、みなさんもこんなふうに、自身に制限をかけてしまっている経験はないだろうか。
このセルフカース(呪い)ともいうべき制限、怖いのが、知らずのうちに自分にかけている可能性があるということ。

ここで、わたしが過去にセルフカースした3大事例を紹介しよう。

【1】「あんた音痴だねぇ」
幼稚園〜小学校低学年くらいだろうか。お風呂で歌っていたとき父に言われたひとことを、疑わずに受け入れた。そこから人前で歌う機会から逃げ回る日々。小学校の音楽発表会では運良くピアノ伴奏になり、中学校の合唱コンクールは人数がいるのでごまかせた。高校生ともなると、ことあるごとにカラオケだったが、絶対ひとりでは歌わなかったし「みんなで歌おうよ〜」のノリでマイクが回ってきてもスイッチを入れずに雰囲気でやり過ごした。社会人では「わたしタンバリンめっちゃうまいんです」と、歌わなくていい方法さえ身に着けた。
内心は“歌ってみたい”。でも「わたしは音痴だから恥ずかしい」。
この音痴の呪いが解かれたのは20年も後。一緒にカラオケに行った先輩のひとことだった。仲間が酔いつぶれ寝てしまい、起きているのは先輩とわたしだけ。「音痴だから人前で歌えないんですよね」とつぶやくわたしに、「え、そんなことなくない?今なら誰も聞いてないから歌ってみ」と急なテストがはじまった。恐る恐る歌った結果は「うん、別に音痴じゃないと思うけど」だった。たったこれだけのことだが、この日を境にひとりでもマイクをオンにして歌えるように。何ならこの直後、先輩は3〜4曲連続でわたしの独唱を聞かされている。

【2】「お前、サングラス似合わね〜トンボじゃん」
こちらはオシャレしたい盛りの大学時代、彼氏に言われた言葉。こちらも自分で言うのはなんだが、めちゃくちゃサングラスが似合う彼だった。当時流行っていたティアドロップ。ベッカムとかジョニー・デップとかがしてたやつ。「いいな!わたしにも貸して」とかけた瞬間、トンボの呪いにかかってしまった。オシャレのつもりがトンボ。よりによって昆虫。この日から、サングラスに憧れを抱くトンボとして生きる羽目になった。どんなに眩しくても、どんなに日焼けしても、わたしは人前でトンボになるわけにはいかない。スパイダーでもない、アントでもない、アベンジャーズにもなれない。
この呪いが解かれたのはご想像の通り、その彼とサヨナラしてから。傷心のわたしを、バーベキューだったりフェスだったり、太陽を浴びるところに仲間が連れて行ってくれた。もう物理的にサングラスがしたい。似合うとか似合わないとかトンボとかの次元ではない。こうしてわたしは「比較的顔型にフィットするサングラスを選び、気分をアゲながら堂々とかけておけばいい」という結論に至った。今も見る人が見ればトンボなのかもしれない。それでも、わたしのQOLは爆上がりしたのだ。


【3】「会社を辞めて、どうやってやっていくの?」
こちらは会社員時代、進路の悩みを会社に打ち明け、言われたひとこと。今思えば、こうして文字面だけみると、いくつか解釈がある。たんにHOW(辞めてからの算段や計画)について聞かれただけなのかもしれない。でもこのときのわたしは、反語、つまり「会社を辞めたらやっていけないでしょ」と捉えた。まぁHOWの考えもなかったんだけどね。
このパラサイトの呪いから解かれた経緯は、過去にも語っているように、さまざまな人や学問に出会えたからだ。


父も先輩も当時の彼も会社も、その道の専門家ではないし、その人の感覚や考え・経験など、主観で言っただけ。別にわたしを呪おうとも、呪いから解こうとしたわけでもない。なんなら信じる筋合いもない(ごめんなさい)。冒頭のおみくじも、言ってしまえば、根も葉もない(神さまごめんなさい)。

わたしが勝手にその言葉を信じ、自身に制限をかけていただけ。それでも気付かないうちに長年悩み、生きたいように生きていなかった。
性格による部分も大きいとは思う。
[★星読み的にいえば、わたしのアセンダント星座は天秤座。人からの見られ方や意見を過剰に気にしてしまう節がある。]

自分に自身がない、人目を気にしやすい、他の意見に左右されやすい、声の大きい人物が近くにいる、特定の人と心的に強力な関係がある(共依存)etc. な人は、自分に呪いをかけていないか、少しだけ考えてみてはどうだろう。ちょっとしたひとことで、スーッと呪いが解けラクになるかもしれない。

そして同時に、誰でも呪いのきっかけをつくる側であることを忘れるべからず。お守りにも呪いにもなる言葉のパワーは偉大である。


・・・・・
最後に、わたしは自身にかけた最恐の呪いと現在も格闘中である。

20歳前後の頃か、「(当時の)彼と別れたら一生彼氏ができないし、一生結婚できない」と心底思っていたし、スーパーの値引き品を買って終電に乗る未婚(と思われる)女性を見ては「こうなったらどうしよう」と心底怯えていた。

言葉のパワーは本当に偉大。
まさに今のわたしである。
「引き寄せの法則」から考えれば、言霊の通りに叶っている状態。

このnoteを書いていて、ようやくセルフカースに気づけた。この最恐の呪いを解くタイミングは、日に日に近くなっている。



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