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スヴィリードフの映画音楽

スヴィリードフの音楽学校の先生から頂いた本があります。

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非売品で、音楽学校の先生方が書いたスヴィリードフの論文集です。

その論文集の中に、映画音楽について書いた人がいて、スヴィリードフが作曲した映画音楽の一覧が載っていました。
私は、それらの映画をすぐに検索し、見始めました。

動画と見た感想などを書きましたが、映画だけで11本あるので、ものすごく長くなってしまいました。気になるものがあれば、それから見ていただければと思います。
動画は、時々「再生できません」と出ますが、「YouTubeで見る」をクリックするとすべて見ることができます。


ショーロホフの小説の「ПОДНЯТАЯ ЦЕЛИНА (開かれた処女地)」の映画


実は、この映画を見るまで、ショーロホフの「開かれた処女地」を読んだことがありません。日本語訳の本も出ているようなので、帰国できたときに読みます。

簡単なあらすじはこちらから分かります。

それにしても、女性の強さは昔からなのだと思いました。日本人女性はあのようにはならないし、国民性は全く違うと思います。こういう映画を見ておくと、ロシア連邦でビックリすることが起こっても、納得できます。
また、生活の様子もいろいろ分かるので、昔の映画を見るのは楽しいです。

スヴィリードフが音楽を担当しているが、音楽はあまり流れなかったなあという印象でした。最後のシーンの音楽はスヴィリードフの音楽です。
途中歌っている民謡風なものはいいです。今は歌える人もいないかもしれないから、映画でこうやって音が残っているのは貴重だと思います。

ソビエトは、1929年から1934年にかけて、農業の機械化が進みました。5か年計画であり、社会科で習ったコルホーズです。この映画は、プロパガンダ的な意味もあると思います。


映画「プシェワルスキー」

ニコライ・プシェワルスキーという地理学者の伝記映画です。

この映画は、チベットへ探検というか、旅行に行く話です。撮影は、中国などで行われたようです。

1つ目の映画と違って、プシェワルスキーは、音楽がたくさん流れて、スヴィリードフらしい旋律もたくさん聞こえてきます。

映画「リムスキー・コルサコフ」

作曲家のリムスキー・コルサコフの晩年の伝記映画です。

オペラ「サトコ」「サルタン王の物語」「金鶏」の作曲の様子です。
最後の方に、血の日曜日事件が出てきますが、1950年の映画撮影なので、現在のエルミタージュ美術館の建物が赤レンガのままです。戦争中は、空襲被害を受けないように、赤レンガの建物になり、その前での撮影になっています。
映画全体は、リムスキー・コルサコフの音楽がたくさん流れて、スヴィリードフが作曲したのは、「血の日曜日事件」のシーンの音楽ではないかと思います。

映画「Великий воин Албании Скандербег」

4つ目は、「アルバニア・スカンデルベクの偉大な戦士」という映画。
スカンデルベクは実在の人物で、こちらからどんな人物か分かります。

映画のあらすじについては、こちらを見ると分かります。

スヴィリードフの音楽は、場面にとてもあっていました。


「ポーリュシカ・ポーレ」


大まかなあらすじはこちらから。


「復活」

トルストイの「復活」の映画音楽もスヴィリードフが作っています。


スヴィリードフは、ものすごい読書家で本が部屋にたくさんある人だったからか、場面と音楽がぴったりで、映画にひきこまれてしまいました。
3時間近い映画で長いと思っていたが、見始めたら、あっという間でした。

映画「復活」は、いろんな国で作られていますが、スヴィリードフが音楽を担当したのは、1960年のソビエト映画です。


映画「Русский лес」

日本語に訳すと「ロシアの森」。レオニード・レオーノフという作家が書いた小説を映画にしたようです。私は、レオーノフという作家の作品は「ブルイガ」だけは読んだことがあります。機会があれば、「ロシアの森」の小説も読んでみたいです。

音楽を聴いていて、知っている曲がたくさんありました。この映画音楽は、スヴィリードフのコンサートでよく演奏されています。

一応、映画のウキペディア。


「吹雪」

プーシキンのベールキン物語から「吹雪」を映画にしたものです。

この映画音楽は、夫からもらった楽譜の中に入っていて、オープニングで流れる「トロイカ」が気に入って、日本で演奏しました。
この映画の撮影は、ウラジーミルやスズダリ付近で行ったと思いますが、私が好きなロシア連邦の風景がたくさん出てきます。

「吹雪」だけは、YouTubeになかったので、こちらから。

映画「Время, вперёд!(時よ、前進!)」

この映画の曲は、ソビエト時代に国営放送のニュースの曲にも使われたから、ソビエト時代は、この曲を知らない人はいませんでした。
ソビエト崩壊後、少しこの音楽がニュースのオープニングで使われませんでしたが、現在も夜の9時のニュースのオープニング曲になっています。
そして、2014年のソチオリンピックの開会式で、ソビエト時代の場面の時に、この映画の音楽が使われました。
この名曲を、なんと1時間で作曲したそうです。

YouTubeを見つける前に見つけた動画。第1部と第2部が1つになっている。


こちらは、YouTubeの動画の第1部。

こちらは、第2部。

この映画は、革命後50周年の記念に撮影されました。
1930年代のソビエト時代の労働者の生活の様子を見るにはとてもいい映画です。
食堂の場面や、労働の場面、生活の場面など、ソビエト人というものをよく表していると思います。
そして、スヴィリードフの音楽も映像とマッチしていていいです。

「Доверие」

フィンランドとロシアの共同制作の映画。
私は歴史に詳しくないですが、ロシア革命の前のフィンランドの独立を描いています。

スヴィリードフの音楽は、またまたいいのだが、今回は、フィンランドといえば、シベリウスの「フィンランディア」ということで、その音楽も使われています。


映画「赤い鐘~私は、新しい世界の誕生を見た」

もういろいろスケールが凄すぎて感動です。
こんなにたくさんの人数の撮影。やることも大きく、史実をもとにした映画です。
今のサンクト・ペテルブルクで撮影が行われ、現在の観光名所となっているエルミタージュ美術館、宮殿広場、ペトロパブロフスク要塞、スモリヌィ修道院などが出てきます。1982年ころの建物の様子です。

あらすじは、こちらから。

スヴィリードフの音楽が映像とマッチしていて、本当に素晴らしいです。

ロシア語が分からなくても、音楽と映像だけでも味わってもらいたいです。
また、一度にすべてを見るのは大変なので、気になるものから少しずつ見てください。

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