なぜロシア連邦が好き? 文学編②

トルストイ、ドストエフスキーに続き、ロシア文学をさらに深くしたのが、2012年に読み始めたチェーホフです。

チェーホフについて、カルチャーセンターの講座に参加することになりました。せっかく講座に参加するのだから、チェーホフを読んで行った方がいいなあと思いました。ところが、私は、チェーホフの名前を知っているけれども、作品を一つも読んだことがありませんでした。

またまた近所の図書館で全集を見つけ、それを片っ端から読みました。
短編が多いので、トルストイやドストエフスキーに比べて読みやすい印象です。ただ、チェーホフは悲しいお話が多くて、なかなかハッピーエンドはありません。ハッピーエンドになるかと思いきや、最後に、どうして、そうなってしまうのと思うような終わり方が多いです。

でも、逆にこの悲劇の話に勇気づけられることが多かったです。チェーホフのお話に出てくる登場人物よりは、今の私の方が幸せだと思えるからです。

そして、講座当日。この日までに全集読破とはいきませんでしたが、私ほど作品を読んできた人は他にはいませんでした。この講座をきっかけにすっかりチェーホフの虜になった私は、講座終了後も全集を借りて、2014年には読破しました。特に好きな作品は、「サハリン島」「すぐり」「ワーニカ」です。

そして、2014年の夏にチェーホフが住んだメーリホヴォへ旅行に行きました。全集を読んでいただけあって、博物館の人と作品について話をすることができ、大満足の旅となりました。

さらに、チェーホフが本当に気に入ってしまったため、神保町にあるナウカ・ジャパンというロシア語書籍専門店で、ソビエト時代に発行されたチェーホフ全集(ロシア語版)を購入しました。ドストエフスキーのロシア語と比べると、読みにくいのですが、少しずつ読みたいと思っています。もちろん、日本語版のチェーホフ全集も手元に置いています。

チェーホフのお話を読んでいると、時に過酷なロシア生活も乗り切ることができます。

一昨年、読んだ本の作者が、自分自身の人生をチェーホフと同じと書いていました。どういうことかというと、モスクワで平穏無事に生活できるのに、あえて、シベリア鉄道も走っていない時代に、馬車でサハリン島へ出かけて行ったチェーホフ。とある本の作者もモスクワで平穏無事に生活できるのに、旅を続けている、そういう生き方がチェーホフと同じなのだと書いていました。

それを読んだ時に、私も知らず知らずのうちにチェーホフと同じ生き方をしているのだと思いました。日本で安定した仕事もして、何不自由なく生活していたのに、それを捨てて、モスクワに住むことになる、これは、チェーホフや、とある本の作者と同じではないかと思いました。チェーホフのように生きようと思ったことなど、一度もなかったのですが、偶然にも同じような気がして、ますます親近感をもつようになった今日この頃です。

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