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リムスキー・コルサコフの家博物館

2013年7月にロシア旅行に来た時は、最終日の2時半まで自由時間がたっぷりあった。
そのため、行きたいところをしっかり考え、効率よく回れるように準備をしていた。
実は、ペテルブルクの街を一人で歩くのはこの時が初めてだった。4回目の旅行だった。

ホテルを出発し、一人で地下鉄に乗った。過去2回の旅行では元日にツアーで地下鉄に乗ったことがあった。元日の地下鉄は人が少なくスリなどの心配がないということで、添乗員さんが乗せてくれた。
しかし、今回は平日。しかも、夏のベストシーズンである。スリに気をつけて乗った。無事に乗れたが、帰国してから夫に話したら、「なんて危ないことをしたのだ」と言われた。その後、2018年にペテルブルクへ旅行に来た家族は、地下鉄の中でお父さんだけがスリ集団に囲まれて、怖い思いをしたと聞いたから、たまたま私は大丈夫だっただけのようだ。確かに、2010年に初めて行こうとしたときの「地球の歩き方」には、恐ろしい話しか体験談が載っていなかった。それを読んでいたし、ロシアへ旅行に行ったことがある伯母からも話を聞いていたから、人一倍警戒していたと思う。

地下鉄駅を出たのはいいが、迷った。道路で地図を広げていたら、危険と思い、なんだかよく分からないけれども、きれいで安全そうな建物に入ってその中で地図を広げて現在地と目的地を再確認。それでも、目的地は見つからなかった。完璧迷っているのだが、私が歩いていこうとする道に3人怪しげな男性がいた。3人とも離れた場所にいるのだが、完璧にグルで、道行くロシア人女性に声をかけている。観光客だけでなく、女性であれば声をかけているのだなあと遠くから確認。地図を見ずに速足で颯爽と歩けば大丈夫と思い、とりあえず、歩く。(絶賛、迷い中)これ以上行くと、かなり目的地から離れる気がしたため、お店に入って訊くことにした。
地球の歩き方は、博物館の住所がロシア語でも書いてあるため、それを見せるとお店の人に通じた。しかし、近くにあるはずなのに、お店の人も分からず、ネットで調べてくれる。それで、別の地下鉄の駅だよと言われたが、それは絶対に違うと思い、現在地を確認させてもらった。現在地が分かったため、1本道を間違っているだけということに気づき、お礼を言って外に出た。ロシア人は、困っている人がいると全力で助けてくれるのだが、その答えが必ずしも正しいとは限らないというのが時々ある。

さっきの3人組はまだうろうろしていた。

1本道を変えたら、リムスキー・コルサコフの家博物館の看板が見えた。

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今後訪れようとしている人がいるかもしれないから、住所付きの写真を載せておく。

ここまでもいろいろあったが、ここからも大変なのが、ロシア。

この入り口は、なんとインターフォンがついていて、オートロックになっていた。そういえば、2008年にオーストリアのウィーンでシューベルトの最期の家に行ったときも入り口がオートロックで困って、向かいのお店の人に助けを求めたのを思い出した。
博物館でもこういうことはよくある。さて、片言ロシア語で話をするしかないと覚悟を決め、インターフォンを押す。「リムスキー・コルサコフの家に行きたい。」とロシア語で言ってみた。オートロックを解除してくれたと思ったが、どのドアを押したらいいのか分からなくてもたもたしているうちに閉まってしまった。中からタイミングよく住人が出てきたので、門を通過。中庭に公園があり、子供たちが遊んでいる。普通に生活しているところに博物館はあった。

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中に入ると、インターフォンで応答してくれた男の人がいる。
受付の女の人も優しい。あまりお客さんが来ないみたいで、チケットの売り方からバタバタしている。中国人と間違えられたが、チェブラーシカが好きな日本人であることを伝えたら、「サムライ」と言われた。日本=サムライう考えの人だった。

3階に行って、見学。

金鶏の資料もある。これは、初版楽譜。ビリービンが描いた絵が好きだ。

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作曲部屋に入れないようになっていたが、私しかお客さんがいないから、特別に入れてくれた。

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その部屋の机には、なんと金鶏の自筆譜があったのだ。

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中に入らなければ見られなかった。必死のロシア語で金鶏が好きなことを伝えた。あと、登場人物の名前も言ってみる。迷いながらも来たかいがあった。

オペラ「金鶏」は、私がロシア好きになった本に出てきたから、ものすごく興味があった。


中庭に出ると、リムスキー・コルサコフの博物館に来た若い男性が入り口を探していたから、教えた。
本当に分かりにくいところにある。
まあ、逆に観光地化していなくていいのかな。

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