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モスクワの日の展示 1日目のトヴェルスカヤ通り

2022年9月10日と9月11日に、モスクワの日のイベントが盛大に行われた。
2022年は、875周年ということで、ロシア連邦では、0と5のつく年に盛大にお祝いをする習慣がある。
モスクワに住み始めた2017年の9月は、モスクワ870年で、この年も盛大にイベントをしていて、私も出かけてみた。
今回も、2日間出かけてみた。
イベントの写真を撮り、私なりに思ったこと、考えたことなどを書きたい。
2022年も押し迫っているので、何とか年内にアップしきってしまいたい。

荷物検査がある最寄り駅は混むだろうと思い、マヤコフスカヤ駅で下車をして、一駅分トヴェルスカヤ通りを歩いて行くことにした。
マヤコフスカヤ駅前には、赤色のМЦК(モスクワ中央環状線)と青色のモスクワ地下鉄の11号線(大環状線)を合わせたデザイン。
2つのハートをイメージしたデザインになっている。

マヤコフスカヤ駅前にも875周年の旗がある。この飾りは、市内のあちこちに飾られた。


トヴェルスカヤ広場の旗。

地下道を通って、道路の反対側に行こうとしたときに、地下道にピザの自動販売機があった。だいぶ前に話題になっていたが、感染者が多い時期で、特に用事もなく見に行けていなくて、すっかり忘れていた。

プーシキン広場の旗。

プーシキン像と共に。

そして、イベント会場のトヴェルスカヤ通りに到着。

歩行者天国になっていて、警官もばっちり警備をしている。

9月1日は9度で寒く、その後も天気が悪い日が続いたが、9月10日は快晴で、このように大勢の人がイベントに来ていた。

イベント会場の端っこは、散水車で通行止めになっている。こうすれば、簡単に通行止めができるし、イベントが終わった後、散水車で水を撒いて掃除もすぐにできる。

この青い屋根の所に、金属探知機が設置され、持ち物検査も厳重にしている。
リュックサックで来た人は、小さいポケットまですべての中身の点検をしていたから、やたらと時間がかかる場合もあった。
女性の警官の所だと、体も触って検査された。
私は黒いエコバックを鞄に入れていたのだが、「それは、なんだ」と訊かれ、触って確認していた。
これだけ、念入りに持ち物検査をしてくれるので、テロの心配が減るのはありがたい。

ニュースでも話題になっていたクリミア橋。

モスクワっ子に、モスクワにある橋で好きな橋はどれかを訊いたところ、クリミア橋が第1位になった。

クリミア橋というが、この橋は、モスクワ市内にある。

870年の時ももらったが、頭につけるもの。

もらった瞬間、制裁の影響をものすごく感じたものだった。
というのは、870年の時は、もっと飾りが豪華だったし、紙もしっかりした厚紙だった。
今回は、紙も悪いし、印刷も悪いから、水色だと、質の悪さが余計に目立った。
赤や、青もあり、こちらは、インクが濃いから、水色ほど質の悪さは目立たなかった。
3色そろえたかったので、頭につけずに歩いた。そうすると、どんどん渡された。それで、4人と甥と姪にも各色渡そうと思い、15枚集めた。
それでも、配り終えるとバイトが終わるのか、配る人が多く、もらう人が少ないのか、どさっと一気に複数枚くれる人もいた。
最後の方は、ご自由にどうぞ状態で、台の上に無造作に置いてあるのも見かけた。

ガラスケースに入った展示があちこちにあった。

こういう大きな模型もあった。




通りのあちこちでバレエを踊っているグループがあった。この人たちは、待機中。

通りには、このような舞台も設置されていて、ここで、バレエを踊ったり、体操を披露したりしていた。







体育を重視していると思った。


船も運んできていて、写真を撮ったりなどもできた。

係員がいて、あまり乱暴にすると注意されている子もいた。


こういうステージも通りに何か所も設置されていた。

モスクワ市庁舎近くには、レチノイ・ヴァグザール(川の駅)の模型の展示があった。先ほどの船の展示と関連があるようだ。


この白い模型がレチノイ・ヴァグザール(川の駅)。


川の駅だから、船も動いていた。というか、子供たちが、実際に船を動かして遊べるようになっていた。



こちらも子供たちが重機を体験できるコーナー。


地下鉄車両の展示もあった。

地下鉄職員の制服の展示もあった。

ガラスケースに入っているため、反射していい写真はなかなか撮れなかった。

制裁で、外国の自動車企業が撤退する中、自国で生産をし、労働者を育てるための労働教育を兼ねた展示だと思った。

こちらが、モスクワっ子に人気のクリミア橋の模型。

バス、船と交通に関する展示。

無料のガイドツアーも行われていた。

先ほどのステージとは別のところにもステージがあった。

9月だけれども、長そでを着ている人が多い。そして、アイスクリームを食べている人もいた。

また、別の所にステージがあった。

演奏者の衣装が素敵と思って、写真を撮った。


鳥の展示もあった。


ナナカマドも。

自然科学を重視した展示だと思った。

こういう風に音楽隊もあちこちで演奏していた。

音楽だけでなく、バレエ、演劇もあちこちでやっていて、美育も重視すると思った。





モスクワの日は、政府が企画したイベント。
こういうイベントに行くと、政府は何を考えているのか、どんな意図でイベントを開催しているのかが分かるから、私は行けるなら、なるべく行くようにしている。

そして、イベントを見て、いい意味で、ソビエトの教育に戻ると感じた。
ソビエト時代の教育は、
・美育(音楽・美術・演劇・文学)
・自然科学
・労働教育
・体育
が重視されていた。
それは、一時帰国中にソビエト教育学大系をすべて読んでいたからこそ、今回のイベントを見て、気づくことができたと思う。

今年度のモスクワの新入生は、11万人を超え、過去最高の人数だったようだ。
ロシア連邦は、ソビエト崩壊後、日本よりも深刻な少子化問題を抱えていた。
パンデミックの始めもそうだったが、人の命を守るということで、すぐに国際線の飛行機をすべて止めたくらいだ。
子供が増えないと、国家が衰退するということで、少子化対策をしたところ、出生率が上がったのだ。それで、新1年生が増えた。
出生率が上がり、少子化問題は少し安定してきた。今後も少子化対策を継続する方向で進んでいる。そうなると、次は、教育改革に着手すると思った。
子供の数が増えたのはいいが、育てていかないと、さらなる発展はないと考えたと思う。
それで、このイベントを見ていて、次は教育改革を進めるなと思った。
子供たちはイベントに参加して、遊びながら、実は、労働教育に役立つことをやっていたし、スポーツなどの体験コーナーもあって、スポーツにも興味をもてるような会場がいくつもあった。
ステージでは、バレエやコンサート、演劇などが行われていて、美育にも興味をもってもらえるようになっていた。
自然科学にも興味をもてるような展示になっていた。
まあ、そんなことを考えながらイベントに参加したのは私だけだと思うが、イベントに行くことによって、何かを得られるように作られているなあと感じた。


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