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第7回新千歳空港国際アニメーション映画祭短編短評

こんにちは、チェ・ブンブンです。

第7回新千歳空港国際アニメーション映画祭で短編アニメーションを幾つか観たので感想をアップしていきます。

星は5点満点です。

1.Wood Child & Hidden Forest Mother(Stephen Irwin)★★★★★

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モノホンの狂った映画。虹色の煽り小人の腹をズガンと射抜くと、カラフルな世界が飛び出す。小人とおっさんの仁義なき戦いの最中に入る授乳ミッションがどうかしている。

2.The Blank Page(Jake Fried)★★★★

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超高速バッドトリップ映画。インクの重厚感溢れる色彩の中、「何か」が爆速で通り抜けた気がするが思い出せない。

Jake Friedってアーティスト初めて知ったが、カッコいい絵を沢山描いていて一瞬でファンになりました。

3.Naked(Kirill Khachaturov)★★

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とあるスーパーパワーを持った者の悲哀ある日常。首が長過ぎて気持ち悪いフォルムと妙にリアルなカメラワークが不気味さを増幅させる。

4.Black Sheep Boy(James Molle)★★★

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ゲーム映画。『MOTHER』1作目のようなポップで不気味なオデュッセイア。

ハイデガー持ち出したり、突然キュクロープス要素持ち出したり、かなりあざとく感じるが世界観は好き。

長久允監督が好きそうな作品だ。

5.Carrot Feeder(Xi Chen)★

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一発芸映画。スタイルが良すぎるうさぎがニンジンの怪獣と戦う出落ち映画。

flashアニメ全盛期の懐かしさあり。

6.How to Disappear(TOTAL REFUSAL
Robin Klengel, Leonhard Müllner, Michael Stumpf)★★★★

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ゲームが映画の中で社会的地位を得た2010年代。遂にゲームの中で映画は作られた。戦争ゲームで不可能な「脱走」「旗破壊」といった行為と現実の戦争を比較する豊穣な思考実験。

短編という一発芸にふさわしい大傑作。

7.Awkward(Nata Metlukh)★★

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無駄に長いジグザグを通って受付にたどり着かなければならなかったり、車がバックしたら他車にぶつけたりといった気まずさを風刺した作品。微妙。

8.14のカノン BWV 1078(大西 景太)★★★★★

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大傑作!バッハの『14のカノン』をエッシャー的空間によって楽譜を3次元に落とし込む離れ業。

カッコいい!
ヤバい!

9.Bye Little Block!(Éva Darabos)★★★★

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団地の窓から涙すると、ズドンと重い塊となり転がる。トランスフォームする団地、取れる頭、上半身だけシャボン玉になったガラスに取り込まれるおっさんなどヘンテコいっぱいで面白かった。

10.ShabaShaba(Jessica Wu, Wei Wang)★

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「ぼくの二重あごには、何か甘いものが...。」と魅惑のあらすじに惹かれて観た。

二重あごが『TENET』になり大草原不可避。

11.Polka-dot Boy(Sarina Nihei)★★★

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水玉模様の腕を持つ男を追う謎の教団の物語。ゆるい絵に反して、黒沢清的唐突な人の死に方をするから怖い。数字、教団、水玉模様に不穏な空気、要素の並べ方が上手い。終盤は壮絶なアクションに化けるので、いろんな味を楽しめる。

12.Abandoned Village(Mariam Kapanadze)★★★

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ジョージアからやってきたこの作品は、ゆっくりゆっくり土地を映し出し、やがて朽ち果てていく様子を描く。定点カメラで土地の栄枯盛衰を描くのをアニメでやってのけるその忍耐力が凄い。

※画像は新千歳空港国際アニメーション映画祭サイトより引用

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