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TSUTAYA浅草ROX店の中古セールが凄すぎた話

みなさんは、レンタルビデオショップを使いますでしょうか?

私は学生時代、おこづかいを貯めてはTSUTAYAへ足を運んでいました。特に渋谷店にはお世話になっており、タルコフスキーやベルイマン、ゴダールなどといった巨匠の作品からワールドシネマをDVD、VHS問わず片っ端から借りていました。しかし、時代の流れか、サブスクリプションサービスが主流となり、最近はあまり行かなくなってしまいました。

先日、ネットのニュース記事「渋谷のTSUTAYA、全面改装へ レンタルサービスはオンラインへ移行」で物理的レンタルは終了するようなニュースが流れた。版権がぐちゃぐちゃになりがちなVHSは恐らく入手できなくなるだろうと、私はずんだもん解説動画でオススメなVHS作品を紹介したばかりであった。

そんな中、TSUTAYA浅草ROX店で中古一斉セールが開催されているアナウンスを見かけた。ついにTSUTAYAは全面的にビデオレンタルを止めるのだろうか?実は、TSUTAYAのレンタルビデオには配信にない作品も多かったりする。

ひょっとしたらリチャード・リンクレイターのロトスコープアニメ『ウェイキング・ライフ』やアトム・エゴヤンの『アララトの聖母』があるかもしれない。そう思い、私はジャングルの奥地へと進んだのであった。


■TSUTAYA浅草ROX店に行ってみた

TSUTAYA浅草店の外観。小学校の時にできて、『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』や『エアフォース・ワン』などといったアクション映画を借りた思い出の場所である。

何かあったのかと思うほど雑然としていた。どうやら本日がセール最終日で、かなりの作品は売られてしまったらしい。ただ、こういう状況こそ宝の山である。1時間ぐらい粘ってみた。

■購入した作品たち

想像以上に、良い作品が残っていたというのが所感。まさか26本も買うとは思ってもいませんでした。さて、せっかくなので、購入した作品を1本ずつ軽くみていきましょう。

1.ウェイキング・ライフ(2001,リチャード・リンクレイター)

TSUTAYAは全盛期の2000年代後半、無料でDVDガイドブックを出していたことがある。そこで存在を知っていた作品だ。ロトスコープによる不思議な空間の中で哲学的な話を展開する内容だったと思う。映画にハマり始めた頃に背伸びをして観たのだが全くわからなかった作品である。最近、リチャード・リンクレイターの『スキャナー・ダークリー』について紹介動画を作ったので、このタイミングで本作を手に入れたのは熱い。

2.アノマリサ(2015,チャーリー・カウフマン)

昔、どこかのアニメ映画祭で観たのだが、運営のトラブルで日本語字幕が間に合わず、英語で観た作品。チャーリー・カウフマンだけあって非常に難解だった記憶がある。ただ、本作はVTuber論を考える上で『マルコヴィッチの穴』と共に重要なアイデアをもたらしてくれる作品だと思っていて再観したかった作品だ。

3.アダプテーション(2002,スパイク・ジョーンズ)

これもチャーリー・カウフマン絡みの作品。中学時代に観て訳がわからなかった作品だが、今観たら刺さるだろうと思って借りた。チャーリー・カウフマンに注目しているだけに入手できたのは嬉しい。

4.ヒューマンネイチュア(2001,ミシェル・ゴンドリー)

チャーリー・カウフマン脚本作の中で未観の一本。まあ買うよね。

5.ウェインズ・ワールド(1992,ペネロープ・スフィーリス)

中野界隈でやたらと頻出する映画タイトル。音楽映画は好きなので、この際に観てみるとしよう。

6.偶然の旅行者(1988,ローレンス・カスダン)

『スター・ウォーズ』シリーズの脚本家であるローレンス・カスダン監督作なのだが、カイエ・デュ・シネマベストテンに選出されている作品。「死ぬまでに観たい映画1001本」界隈だと『再会の時』の方が有名。あちらは地味に面白かった印象があるが果たして……

7.バロウズの妻(2000,ゲイリー・ウォルコウ)

ウィリアム・バロウズが好きなのだ問答無用で購入した。

8.LOOK(2007,アダム・リフキン)

TSUTAYA時代の問題作であり、全編監視カメラの映像を繋ぎ合わせた作品。メディア論を語る上で手元に欲しかった作品だ。

9.親指タイタニック(2000,スティーヴ・オーデカーク)

ちょいちょいネタにされている作品。この際に買ってみた。

10.チート(1915,セシル・B・デミル)

古い映画もちゃんとありました。セシル・B・デミルが早川雪洲を起用し撮った問題作。動画制作するようになり、サイレント映画に対する興味が湧いてきたので購入した。

11.トウキョウアンダーグラウンド(2004,M・X・オバアーグ)

変な国ニホン映画はついつい観てしまうもの。でもこのタイトルは全く知らなかった。しかもベルリン国際映画祭で上映されたらしい。パッケージの雰囲気からは『ロスト・イン・トランスレーション』の香りがするが果たして……

12.カタコンベ(2007,トム・コーカー&デヴィッド・エリオット)

みなさんはカタコンベ(地下墓地)で呪われたことはありますか?私はあります!そんな私はパリにあるカタコンベを舞台にしたこのホラーに惹かれたのであった。

13.スリップストリーム(2007,アンソニー・ホプキンス)

『羊たちの沈黙』や『ファーザー』でアカデミー賞を受賞した俳優のアンソニー・ホプキンスが映画を撮っていたことを今更知る。しかも、デヴィッド・リンチを彷彿とさせるといった謳い文句まであった。怪しい映画だが観てみることにした。

14.風の絨毯(2002,カマル・タブリージー)

日本と合作のイラン映画らしい。確かに日本×イランのパターンは実写版『ゴルゴ13』なんかあるけれども、珍しいっちゃ珍しい作品だ。工藤夕貴、三國連太郎が出ていて意外と豪華キャストだ。

15.チャドルと生きる(2000,ジャファル・パナヒ)

今『熊は、いない』が公開され話題となっているイラン映画の鬼才ジャファル・パナヒ監督の初期作品。彼の作品は視点が毎回面白いので、『チャドルと生きる』を観てみることにした。

16.バトル・オブ・シリコンバレー(1999,マーティン・バーク)

ビジネス映画が今年熱い!私のYouTubeチャンネルでもビジネスにまつわる映画の需要があるので、スティーヴ・ジョブズとビル・ゲイツを扱った本作を買ってみることにした。

17.イギリスから来た男(1999,スティーヴン・ソダーバーグ)

以前、映画ライターの村山章氏から熱烈にオススメされたソダーバーグ映画。予告編は何度か観ていて、好きなのは明白だったのだが積映画してしまっていた作品。ついに観る時が来たか!?

18.アララトの聖母(2002,アトム・エゴヤン)

アトム・エゴヤンは正直なところ苦手な監督であるが、この映画の存在は映画に本格的にハマる前の小学生時代から知っていた。TSUTAYAガイドブックに掲載されていて知っていたのだ。20年の時を超えていよいよ決着をつける時が来たようだ。

19.エディ・コイルの友人たち(1973,ピーター・イエーツ)

犯罪ものの隠れた名作として知られる作品。昔、映画のオフ会で出されたクイズの答えがこれだったこともあり、ピンときて購入。

20.ワン・デイ・イン・ヨーロッパ(2005,ハネス・シュテーア)

ベルリン国際映画祭のコンペティションに選出された作品らしいのだが全く知らなかった。どうやらこの年のベルリンは微妙な年らしく、金熊賞を獲ったのが南アフリカの『U-Carmen eKhayelitsha』だったので察した。でもロードムービーなので好きかもしれない。

21.インビジブル・ウェーブ(2006,ペンエーク・ラタナルアン)

こちらもベルリン国際映画祭に出品された作品で浅野忠信が出演している。そしてタイ映画らしい。意外とベルリン国際映画祭系って配信に来ないし、映画ファン歴15年ぐらいでも気付けない作品が多い気がする。

22.神の子どもたちはみな踊る(2008,ロバート・ログヴァル)

村上春樹の小説を外国で映画化したもの。それだけで購入した。

23.沙羅双樹(2003,河瀨直美)

苦手な河瀨直美監督作だが、カイエ・デュ・シネマベストテン全作鑑賞を秘かに目標としているため仕入れた。

24.中国の鳥人(1998,三池崇史)

三池崇史が撮った鳥人間映画。今や白羽の矢監督のイメージが強いが、こんな映画も撮っていたんですね。

25.汽車はふたたび故郷へ(2010,オタール・イオセリアーニ)

まさか、中古セールでイオセリアーニがあるとは思わなかった。観ていない作品だったので、まあ買うよね。

26.ヴェラ・ドレイク(2004,マイク・リー)

マイク・リーはそんなに得意ではないのだが、金獅子賞獲った作品だったので入手してみた。

良い買い物できました!



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