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【再考ロベール・ブレッソン】『田舎司祭の日記』における時制関係

コロナに罹ってしまい、執筆を遅らせていたロベール・ブレッソン最考記事。今回、扱うのは『田舎司祭の日記』である。カトリック作家ジョルジュ・ベルナノスの同名小説を映画化した本作。地方の寒村に赴任してきた病気持ちの司祭が、日記に独白をしていく鬱映画なのだが思いのほか様々な作品に引用されている。特にポール・シュレイダー監督は『ライト・スリーパー』をはじめ『魂のゆくえ』『カード・カウンター』などで自身の内面の独白装置として紙やPCを用いる。『田舎司祭の日記』を擦り倒す作家である。

前回、『スリ』を分析した際にシンプルな内容ながら時制の扱いが複雑であることに気づかされた。『田舎司祭の日記』も自制の観点で観ると面白い発見があるのではと感じた。以下にその分析を書いていく。


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