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2021/11/10の話

Base Ball Bearの武道館公演、行ってきました。
実に8年ぶり。武道館で言えば10年ぶり。
最後に観たのは、当時のギター、湯浅将平が脱退する以前……おそらく二十九歳のツアーが最後。
めちゃくちゃ細かく言うと高崎clubFLEEZ。ぎゅうぎゅうになりながら見た。
俺と〇〇にて度々出現するヨコ君と一緒に行ったライブの中でもおそらく最後である。

Base Ball Bearはメジャーアーティストの中で一番ライブに行ったバンドだ。
思い返せば、武道館公演も2010年、2012年どちらも行っていた。
つまり今回行ったことでばっちり武道館だけはコンプリートしている。私めっちゃファンじゃない?ウケんだけど。

本当は全然行くつもり無かった。というか武道館やるって聞いて、「マジ?」って思った。
今の情勢含めてもだけど、Base Ball Bearはキャリアこそあれど、ぶっちゃけそこまでの知名度のバンドでもない。
日が近づくにつれて、チケットを見たらまだ売ってる。大丈夫か…。
一週間くらい前になって「ワンチャン、仕事終わったらいけるな」と思い始めた。
一日前になって、「行っとくか」と決意しチケット購入。
2階席。あ、思ったより大丈夫そう…でもまだ座席開けて座るからっていう可能性もあるし…ちょっとスカスカだったら可哀想だなとなんと失礼な老婆心なんだ!とツッコミが入りそうだけど、距離を置いた視点からしたら、そう見えても仕方ないんじゃないか?とは思う。

そもそも一日前になってなんで急に行こうと思ったの?って話には、いくつか理由がある。
・12月のナンバガが当たったので久々にライブの空気を味わいたかった。
・武道館は座席なので楽に見れる。(仕事終わりでも疲れない)
・3人体制になってから一度も見ていない。
・東京に来て久しぶりの、仕事終わりにライブを見に行く悦楽感。
といった具合だった。

そして当日、会場へ向かう。
10年ぶりの九段下。「こんなんだったっけ?」と「こんなんだったわ!」が入り混じる感覚は、当時の遠征的な気分を思い出した。
東京に住んでいても、九段下なんて普段降りないし。
そして思ったより、と言うより普通に人がたくさん居た。良かった。最初の老婆心はここで一安心。
会場限定CDをササっと購入し、会場内へ向かう。
物販はスルーした。引っ越しのタイミングで10年前集めたようなバンドTシャツもタオルも全部捨ててしまったし…そもそも汗をかく予定が無い。

会場内の座席は一席空けるとかは特にもうないっぽい。まあそうか、映画館でも別に隣開けないしな。
開演までまだ20分弱ある。流れている楽曲はベボベにゆかりのあるアーティストたち。基本懐かしい。
ピロウズ、チャット、テレフォンズ…何だかここだけ10年前みたいだなとも思った。

ステージ照明はデカデカと彼らがずっと大切にしているモチーフの電波塔。
機材はずいぶんこじんまりとしていた。3人編成ってこんなもんか。
こいちゃんはギター持ち替えないっぽい。今までもギター変えてるところなんてほとんど見たことないけど。
関根嬢はいつものジャズベに…SBV?…この時代に?だからこそなのか…スーパーカーじゃん。とか思った。

サプライズで4人編成でやらねえかなとか一瞬くらい考えたけど、アンプが無い時点でまあやらんよな。当たり前だなと一通り思考を巡らせて一息ついていた。
(宣伝のポスターもあそこまで3推ししてるんだし、普通に無いんだけど、考えちゃうよね。一瞬くらい。逆に入ったらサムいまである。)

照明が落ちる。この瞬間は本当になんというかワクワクが勝つなあ。
ライブの醍醐味だと思う。ほんに思う。
声が出せないから拍手で迎える。この辺は昔より楽かも。特に久しぶりだと。

1曲目は「17才」だった。
最初に言ってしまうけどセトリがとにかく、丁度よかった。
古参も新規もいるであろうこの会場に合っていたと思う。
そりゃあ私みたいな古参かつ古の記憶しかない私なんかはCRAZY FOR YOUの季節なんか来たらぶちあがりますけど、C時代の楽曲なんて当時から声ギリギリ出てないみたいな歌い方しかしてなかったように思うし、無理はしてほしくない。それに、ガッカリしたくもないし。

声もいい感じに出ているように思った。というより歌、結構丁寧に歌っている。
そらそうか。10年経つもん。勢いまかせな歌い方だった時代とは違うよね。
あとスピーカーの音量懐かしいわ。こんなだった。
ん-でもこんなに音こもっていたっけ?なんかモコモコしている気がする。
まあ、あんまり気にしても仕方ないな。

「17才」の話に戻すけど、4人時代でヒットを飛ばしていたころの17才とは違って、あの頃は瑞々しさに溢れた楽曲だったけど、今のきたわった演奏陣は少しタイトなグルーブを感じた。「3人でも成り立つんだ」という宣言を楽曲で存分にアピールしているようだった。
続く「DIARY KEY」のイントロで始まりの挨拶を一言入れて、3人での楽曲の逞しさを見せつける。まあこの辺はやっぱりというか、現体制で作っただけあってまとまりが良く聴こえる。次に来た「LOVE MATHMATICS」で私は後方腕組みおじさんから後方オイオイおじさんスイッチが入ってしまう。オイオイは言えないけど。
いや、まあ何というか一番聴いてきた時期の曲かつ、何といってもこの曲は手を挙げたくなるパートがあるし、ここで他のアッパーな楽曲だったら、腕組みおじさんのままだったと思う。エレサマだったら上がったかもしれないけど…。

やや短いMCが挟まって「GIRL FRIEND」。これ声出せたらなあ。最高なんだけどなあ。
前曲でキッズスイッチが入った為、もうこの辺からしっかり以前のように楽しんだ。そこから「LOVE LETTER FROM HEART BEAT」。
おいおい古参喜ばせすぎじゃないか?ドラムから入るアレンジも良い。ギター1本でどうなるんだと思ったけど、後奏のえぐめなギターソロはともかくイントロのフレーズはそういうアレンジをするんだ、といった感じ。
ただやっぱりこれは4人の方が聴き応えあるよなあ、総じて上手くまとまっていたとは思うけども。
その次に「shot hair」。丁度いい感じだけどドラムから入るタイプの曲が続けて来たのでちょっと意外。まあ内容的にはかなり妥当な位置だと思う。
その次に個人的にはまさか、の「初恋」。3人でやると思ってなかった。4人時代の曲だし。
後で調べたらやってたことあるらしいけど、いや、この初恋がものすごく良くて、ひいき目に見てキャリアでも大作めいた名曲だと思うんだけど、演奏が4人時代よりこれはなんて言うか…リズム隊が圧倒的に強くなったおかげなのか、めちゃくちゃ格好良かった。再録して欲しいくらい。

ちなみにこの「初恋」初めて聴いたときは、2011年?12年かのツアーで、リリース前の新曲としてやってた。なんか複雑な曲で、当時の流行りのテクい系を取り入れたのか?なんてちょっと邪に思いもあり、すぐ好きになれなかった曲。長いし。
それが3人編成で前よりミニマルになった効果なのか、エモさがバツ牛ンに詰まっていた。
そんな「初恋」ショックを受けてフワフワしながらMCタイム。恒例のちょっと長めのMC。

何かこの辺で動員の話していたっけ。違ったらごめん。1、2回目とほぼタイだって。良かったというより、すげえなと思った。
本人たちも言っていたけど、一番調子のよかった(?)1,2回目は冬休みで、今回のコロナ禍ド平日でほぼタイは普通にうれしい。
まあ実際、私みたいな、じゃあ久々に観るかみたいな人も多かったのだと思う。
そこからは3人編成の金字塔みたいな「ポラリス」。これは何だかファンサみたいな曲なので今までで言う「WINK SNIPER」とか「ダンス湯浅」みたいな時間を作ってくれるなあ思った。そこからまた古参泣かせの「ホワイトワイライト」。今回のシングルのc/wもそうだけど、文化祭で結成されたバンドってだけあって、何だかんだ大事にしてるんだろうな、こういう昔の曲も。それがこういう場所で出来るっていうエモさを感じちゃうよね。
そこから「海へ」「changes」と続く。こういう流れで聴くとめちゃくちゃ綺麗な曲だ。そして本篇最後のMCへ。

ここで話していた、「メンバーが抜けたとか、タイアップや何やらでガツンとやっていたのは10年前なんですよ。とか正直追うモチベーションを提示できていたかは、わかりません」と正直に話すこいちゃんでちょっと泣きそうになる。ていうか、うんうん、本当に色々紆余曲折していたのを見ていたから、実際私自身、追わなくなってしまっていた時期もあるわけだし。でもそこから「こうして20年間やってこれたのは皆さんが応援してくてたおかげで、こうして武道館でやれたのも、20年間やって出来た地肩の強さだと思います。」(言い方とかは違うと思うのであてにしないでね)と、言ってくれたのは、このバンドがまだまだ息をしている、その証明だと感じた。

そこから新曲「海になりたいpart3」を始め、「すべては君のせいで」「それってfor誰?part.1」とC2、光源から一曲ずつ。そこから3人編成版として大きくアレンジされた「十字架 You and I」。(これを聞くとどうしてもダンス湯浅思い出しちゃうけど…)
そこから3人版で魅せる「The Cut」。地味にこの辺で各時期のアルバムから1曲ずつやっている。流れ的に仕方ないけどC2からだと曖してるとかも聴いてみたかった(欲張り)
ラストに向けては安定の「Stairway Generation」「ドラマチック」でいったん幕を閉じる。

時間が切羽つまっていたのか?分からないけどアンコール前は割とさっと退場してた。
ステージに静かに戻って「風来」。C3の曲でもファルセットがカッスカスでちょっと心配だったけど、ほどなくしてMC。

無事延滞金発生です!という事で思いの丈を吐き出すようなMC。解散しますか?しません!このMCが此処だったかはもう定かではない。
次も10年とは言わず、また武道館やりたいな!という熱い思いを述べ、そこから「夕方ジェネレーション」
これもまたびっくり。まあ3人ではやり易そうだなとは思っていたけど…(1本でもこの曲演奏全然できちゃうから…)
そして「ドライブ」でラストを飾る。この曲はまさにバンドの宣言みたいな歌詞が、このステージに凄くマッチしていて、綺麗な終わり方だった。

だらだらと語っ(てしまっ)たけど、4人時代を思いすぎて3人の編成を推せるか不安だった。
実際そんな心配は不要なくらいすごく良かった。

正直私は3人になってからは最新の「DIARY KEY」が一番よかったなくらいで他2枚はそこまで聞き込んですらいない。
改めて「C3」「光源」も聞いてみたくなったし、これから彼らが作る音楽を楽しみにしようと思った。
ちなみに「DIARY KEY」アルバムとして聴いたとき、なんていうか「HIGH COLOR TIMES」っぽいって思ったんだよな。
使っているコードのせい?後は音の詰まり具合が似ている気がする…。

ひとつ懸念点と言えば、配信のライブでいくつか見たことがあったけど、まあ声って出なくなるからね。
わかる。私も出なくなったし。プロでも出なくなるんだ。それはだめなんじゃないか?とは思いつつ、人間の身体の管理や仕組みなんて未だによくわからん部分もあるんだろうし、そういうところに自己管理が甘いとか勝手に図って言及するのはキモいと思うぜおっさん。あんたが何をどれだけ知っているのか知らねえけど、ユーミンもリッキーも出ないじゃんか。まあそういうことだよ。さみしく思うのは、私らが同じくらい年を取ったんだよ。わかれ。

しかしまあリズム隊…ベースは言わずもがなだけどドラムの安定感さすが。
一時期私も手数多い方がかっこいい!すげえ!みたいに思った時期もあったけど、結局歌モノに重機関みたいなドラムは邪魔だと思う。インストとか演奏で魅せるのがカッコいいってのもわかるけど。Base Ball Bearがハヌマーンみたいになってもなあ…という気持ち。ぶっちゃけ地力高いから出来そうだしそういうコンセプトのアルバムは見てみたい気もする。オッサンがやるもんでもないかって気がするけど…。
3ピースの深化を追求するならそういうのもちょっと面白そう。イメージできないけど。

いやあほんと、良かったとしか言えないんだけど。
次いつ行くとか決めてないし昔みたいに頻繁には行けないけど、また次の武道館があったら私はぜひ足を運びたいと思います。

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