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そばの倒伏対策を今から考える&農業基礎知識『N・P・K』

 計画を立てるのに「早過ぎる。」ということはありませんからね。

 先日、雨風で豆谷地区のそばが倒伏してしまった話をしました。ここ数日の天候は落ち着いており、そばの実も少しずつ熟していっています。あと2週間ほど今の状態をキープできれば、ある程度の収穫はできそうです。

 とはいえ、「倒れてしまって残念。」だけで話が終わってしまうと進歩がありません。PDCAサイクルを回すことが大切と言いますしね。収穫はまだですが、対策は今のうちから練っておこうと思います。

■ まずは農業基礎知識『N・P・K』から

 『N・P・K』とは肥料の3要素のことで、チッソ(N)、リン(P)、カリウム(K)を指します。それぞれに役割があって、簡潔にまとめると以下のようになります。

チッソ(N):葉や茎の生長に大きく関わる要素。
リン(P):根の伸長や開花・結実を促進する要素。
カリウム(K):養分が体内を移動するのを活性化させる要素。

他にも大切な微量要素がありますが、今回は割愛。

 この3つは植物が生長するうえで必要とする要求量が多いとともに土の中で不足しやすい養分のため、肥料をやって補ってあげる必要があります。

■ 倒伏の原因究明と対策の基本方針

 中村地区のそば畑は倒伏していませんでした。こちらのそばの背丈はだいたい腰から胸の高さくらい。推察するに、倒伏した豆谷地区の畑は休耕が続いていたためかチッソが十分に含まれており、それゆえ背丈が伸びすぎてしまったのが原因と思われます。

中村地区のそば畑。話は逸れますが、いつでも収穫できそう

 チッソが過剰だと他にも弊害があります。植物が葉や茎の生長の方に気を取られて、花や実をつけるのを後回しにしてしまいます。そうしたことからも、チッソはほどほどに抑えながらリンを十分に施肥して身体を支えられるように根をしっかりと張ってもらうことが対策の基本方針になろうかと考えています。

 防風ネットは費用面で厳しいです。ただ、施肥コントロールで対策するにしても「来年からバッチリ!」というわけにはいかないでしょう。何年かをかけての対策案になりますが、それも農業かなと思っています。 

◇ 具体策① できるかぎり収穫する

 成果物を収穫して畑の外へ持ち出さないと、いつまでも養分が循環してしまいます。刈り取りは委託していますが、オペレーターを補助して、手で起こしながら倒れてしまったそばを可能な限り収穫してもらおうと思っています。

◇ 具体策② 有機肥料の選定

出典『農家web』URL:https://www.noukaweb.com/organic-phosphate-fertilizer/

 調べていると、とても良い資料に出会いました。これによると米ぬかが条件に合致しています。村にある農協の倉庫へいけば貰えるはずなので費用面でも助かります。遅効性とあるので春に雪が融けてから施肥しようと思います。

 今季まだ倒伏していない畑には発酵鶏糞が良さそうです。こちらは速効性なので播種の1週間前くらいに施肥する予定です。作業時期もずらせるので、来シーズンはこうした計画でいってみます。

■ 参考資料

 最後に、今回の記事を書くきっかけとなったコメントをくださった食彩アドコムさん、本当にありがとうございました。次回はリレー企画が回ってきましたので、いつもと趣は異なりますが期間内に間に合えば、その記事を更新したいと思います。それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

おしまい。


 私ども茶屋ファームは富山県南砺市利賀村で主にソバの栽培をしている農業法人です。日頃の農作業や六次産業化の過程、そばを使った料理、蕎麦についての豆知識など色々と発信していこうと思っています。
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