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サービスの世界観を伝えるブランドムービー制作

こんにちは。BX部の新免(@melange_t)です。
2021年8月25日、Chatworkはサービスのリブランディングを発表しました。そして9月1日、Chatworkブランドの世界観や価値観をより理解してもらうため、ブランドムービー「かわる、はじまる Chatwork」を公開しました。

今回は、ブランドムービー制作の舞台裏と、制作において大切にしたポイントを紹介します!まずはこちらのブランドムービー「かわる、はじまる Chatwork」をご覧ください。

ブランドムービーとは

ブランドムービーとは、企業やサービスのコンセプトやビジョンをユーザーに伝える動画です。商品の宣伝を柱とした動画広告とは違い、商品認知や購入に直接つなげるものでは無く、視聴者のブランド理解や共感度を上げるためのものであり、そのブランドのファンになってもらうことが目的です。長期的な視点では間接的に売上を期待できますが、直接的な売上や認知向上を狙う動画広告とは、目的が大きく違います。

制作の流れ

今回ブランドムービー制作にあたり、TVCMなどムービー制作で多くの実績がある、株式会社アマナ(以下アマナ)さんに依頼しました。

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MVのDirectorとしてキャリアをスタートさせ、広告映像へとその活躍の場を広げる。ブランドコミュニケーションからプロダクトプロモーションまで、先進的な技術や表現を取り入れた演出で多くの映像作品を手がける。

アマナさんとブランドムービーを制作したプロセスと、その中での動画制作の依頼者側のポイントを紹介します。

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【ポイント1】伝えたいことは明確に

当たり前の話ですが、ブランドムービーで“何を伝えたいのか”が決まっていないと、制作することはできません。

実は、最初のブリーフィング時に「10周年だから、記念にブランドムービーを作りたい」くらいのフワッとしたことしか、決まっていませんでした。その中で、西川監督からアイデアをいくつか出してもらったのですが、企画を決めきることができず一時ストップしてしまいました。

この反省から、私たちが事前に明確にしておいた方が良いと思ったことは、次の3つです。当たり前の話ですが、ブランドムービーで“何を伝えたいのか”が決まっていないと、制作することはできません。

● ブランドムービーの目的は何か
● ターゲットは誰か
● どんなメッセージを届けたいのか

プロジェクトチームでは改めて、自分たちが何を伝えたいのか考え、リブランディングで決めたタグライン「シゴトがはずむ」という世界観を映像で表現し、Chatworkが中小企業の現場に寄り添い、一人ひとりにフォーカスし、ビジネスを活性化させる存在でありたいという“想いを伝えるためのブランドムービー”にしよう、と決めました。

伝えたいことを明確にすることで、企画もスムーズに決まりプロジェクトが再び動き始めました。

最初はムービーを作りたいという想いが先行することもありますが、依頼する場合はしっかり「何を伝えたいか」を明確にしておかないと、プロジェクト自体が進まないこともそうですが、余計に企画案を出してもらうなど、制作側へも迷惑をかけてしまうので注意が必要です。

【ポイント2】絵コンテは動画制作の設計図

コンセプトと企画内容が決まったら、伝えたいメッセージはどのようなストーリーにすれば伝わるか、制作メンバー内の認識を絵コンテで合わせていきます。絵コンテは、動画のストーリーを決めるだけではなく、キャスティングや、撮影に使う機材なども左右する動画制作の設計図となるものです。

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とはいえ、撮影機材や撮影方法などの判断は難しいので、そこはプロに任せることで、私たちは、「コンセプトが伝わるストーリーになっているか」「ストーリーに抜けはないか」など内容のフィードバックに集中することができました。

【ポイント3】撮影準備はできることでサポート

撮影はスタジオ撮影ではなく、すべてロケをおこないました。撮影準備には、キャスティングやロケ場所の選定、ロケハン、衣装・小道具の準備などなど膨大な準備が必要です。これらの準備を、アマナさんがおこなってくれました。

また、よりリアリティのある映像にするために、実際にサービスを使っている企業にもエキストラでご出演いただくことにしました。協力していただける企業探しは、私たちのほうでおこないました。

今回は長野に拠点を構える、株式会社サンプロさんに撮影協力をしていただきました。エキストラで出演いただくだけでなく、ショールームや建築現場など、素敵なロケ場所もご提供いただきました。ありがとうございました!

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【ポイント4】撮影中はチェックに専念

ブランドムービーのロケは、弊社オフィスと、長野県の各所で5日間かけて行っています。初日は、弊社オフィスで冒頭のシーンを撮影しています。

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冒頭の仕事に追われているシーンでは、Chatworkをご利用いただくことで効率化できるものをあえて煩雑に配置し、ダンボールを積み上げたり、ホワイトボードに大量の付箋やメモを書いたりと、時間をかけて空間を作り上げていきます。それだけではなく、照明を組んだり、撮影用のレールを敷いたり、立ち位置のテストをしたりとその他の準備も盛りだくさんです。映像の尺としては5〜6秒くらいですが、その準備には2時間くらいかかりました。

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そのため、撮影のミスや、映像素材の撮り忘れなど失敗は許されません。モニターでしっかりチェックし、余計なものが映り込んでいないか、おかしな部分は無いかしっかり確認し、少しでも気になる部分は監督に伝え、慎重に撮影を進めていきます。

監督やプロデューサー、カメラマンの方も細かくチェックしてくれているので安心ですが、担当者視点でもおかしな部分は無いか、しっかりチェックしておくことが大事です。

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ロケの中で一番印象的だったのは、湖畔で男性がキャンプをしているシーンの撮影です。男性が朝焼けを見ながらコーヒーを飲み、新しい商品のアイデアが閃くシーンがあります。ここは、次の照明デザインをプレゼンしているシーンに繋がる大事な場面なので、どうしても綺麗な朝焼けのシーンが必要でした。

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朝焼けを撮影するには天候や時間にも左右されます。ちょうど台風が接近していて雨の予報も出ていたのですが、当初撮影を予定していた日は霧がかかり、撮影することができませんでした。どうしても朝焼けのシーンは撮影したかったので、予備日を使い、深夜から祈るような気持ちで撮影準備を進めていました。朝焼けが見られる時間は一瞬なので、空が明るくなってきたらすぐに撮影できるよう、しっかり準備を済ませ待たなければなりません。そして運命の日の出時刻。直前までうっすら広がっていた雲は奇跡的にほぼ無くなり、美しい朝焼けのシーンを撮影することができました。

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5日間のロケを通して、撮影への入念な準備、細かなチェックなど、プロのこだわりと、絶対に良いものをつくるんだという想いを近くで感じ、私自身とても刺激を受けました。

【ポイント5】細部までこだわる

ロケが終わった後には、編集が待っています。まずは、“仮編集”された動画を確認します。このタイミングでは、細かな部分の確認ではなく、全体の流れや演出の方向性の認識があっているかを確認します。ここで映像の大まかな流れ、テンポ感、BGMの方向性など大枠の合意をとり、最終仕上げの“本編集”に入っていきます。

タグライン「シゴトがはずむ」が弾んでいるようなアニメーションや、「Focus Bubble※」が働く人をフォーカスしたあとに広がって新しい場面へ展開するアニメーション、オリジナルのBGMなど、細部まで調整を重ねながら「シゴトがはずむ」世界観を表現する映像に仕上げていただきました。最終の仕上げは、本当にリリースのギリギリまで作業をおこなっていただきました。

※リブランディングで新たに定めたデザインシステムの1つで、チャットバブル(吹き出し)をモチーフとした枠線のこと

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その結果、「シゴトがはずむ」という世界観、Chatworkが中小企業の現場に寄り添い、一人ひとりにフォーカスし、ビジネスを活性化させる存在でありたいという想いを表現したブランドムービーが完成しました。

ブランドムービーを制作する機会は少ないかもしれませんが、自分たちで制作するには専門知識がないとなかなか難しいです。外部の制作会社を使ってムービーを制作するなどの場合に、この記事が少しでも参考になればと思います。

おまけ

キャンプシーンの男性の横に映っている焚火ですが、これは私が火起こしをしました。なるべく炎が上がり、中心にまとまった炎に見えるよう「合掌型・閉じ傘」という薪の組み方をしています。思わぬところで、趣味のキャンプスキルが役に立ってよかったです(笑)。

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そんなこだわりの詰まった、Chatworkのブランドムービー、良かったらぜひ一度ご覧ください。特設サイトにはブランドムービーに込めた想いや、ディレクターの西川修司氏のメッセージを紹介しています。よろしければ、こちらも合わせて読んでみてください。


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