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謎の家系図

我が家には、父方の親族にまつわる「謎の家系図」がある。この家系図が出てきたのは、おじいちゃんが亡くなって遺品を整理していた時のこと。
見ると、我が家がセイワゲンジの子孫という事になっている。

そんなバカな!

というか、どのように史料を収集して作ったのかも不明なので、「違っている」と考えた方が安全だろう。
ただし、戸籍を遡って調べられる範囲で考えれば、あながち「全部間違い」とは言えない。だから、私は幕末の先祖に関してお話ししようと思う。

幕末期、私のおじいちゃんの先祖は、大分県の竹田という町で侍をしていた。馬廻という事なので、中流だったのではないか。
その先祖が、西南戦争で西郷隆盛の勢力に加担して捕まり、小倉の刑務所に入れられたという。
残った家族は鹿児島に移住したようだ。

兄弟である「本当の祖父」とおじいちゃんは、だから鹿児島出身だ。確かに「あは、あは、あはは」とよく笑うおじいちゃんは、南方系の体つきをしていた。

では、何でおじいちゃんの遺品から、こんな謎の家系図が出てきたのか。
一つ、私の推測をお話ししたい。

恐らくこの家系図を作ったのは、おじいちゃんのお父さんにあたる人物ではないかと思う。何故なら、おじいちゃんの欄までは筆跡が同じだからだ。そして、戸籍の読み方についてある程度詳しくないと、分かりやすい部分で間違えてしまうので、恐らく誰かに有償で書いてもらった物だろう。

何故わざわざそんな事をしたのか。
ここから先は私の推理。
多分、最初に兄である「本当の祖父」が秋田の金持ちと結婚する時に、恥ずかしい思いをしないようにと、ひいお爺さんが作って持たせたのではないかと思う。

そんな親心を思い浮かべるからこそ、この「謎の家系図」を指さして「こんなものは偽物だ!」などとは言えないでいる。

まぁ、後世の人は混乱するだろうけど。

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