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【南大沢土木構造物めぐり】No.36 南大沢・多摩ニュータウン橋コレクション④鑓水地区を歩く

今回は、橋のコレクションの4回目、多摩ニュータウンでも比較的新しい、鑓水地区(多摩ニュータウンの一番西北端)に架かる橋を集めてみました。この地区は、駅周辺、とりわけ南側で1983年(昭和58年)に街びらきをしてから、次第に開発が進み、最後のほうに開発された地区です。実はまだ今も未開発の空き地があり、まさしくその部分の造成工事が進んでいるところでもあります。

【① 東谷公園の近くの洗練された橋】~東谷歩道橋~

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まずは、鑓水地区のマンションがたくさん建ち並ぶ中心にある、東谷公園のすぐ近くにある、「東谷歩道橋」を紹介します。この橋は、大型マンション群から小中学校などを結ぶ道です。この地区の歩道橋は、極力直線的なスロープを多用し、スムーズに橋の上にたどり着ける点が特徴です。

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【1996年 東京都建造 下部:清水重機土木(株)、上部:オリエンタル建設(株)】

【②小山内裏公園とニュータウンの境界に架かる橋】~大田切歩道橋~
この歩道橋、道路を渡った両側の景色が全く異なります。片側は小山内裏公園の山道に近い園路、反対側はマンション群という橋です。高欄が緑色なのは、公園の新緑を意識したのでしょうか。大田切歩道橋の「大田切」は、小山内裏公園にある、大田川の源流の池、「大田切池」と、その谷戸「大田切谷戸」から名前を取ったと思われます。その谷戸から少しずれた位置にかかっていますが・・。

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【大田切歩道橋 1996年10月 東京都建造 上部工製作 極東工業株式会社
 1996年3月 下部施工 川口建設株式会社】

【③給水塔が展望できる橋】~相生歩道橋~
この歩道橋は、小山内裏公園の尾根緑道と鑓水地区を結ぶ歩道橋になっています。橋の上からは、まだ開発途上の鑓水地区の西側を望むことができ、シンボルタワーのようにそびえ立つ鑓水小山給水所の高架水槽を眺めることができます。高欄の橋の名前がポップな感じが特徴です。

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【相生歩道橋 1996年10月 東京都 製作 日本鋼弦コンクリート(株)】

【④浜街道から少し離れていますが‥】~浜街道歩道橋~
下の写真、工事中の箇所は、マンション建設が進んでいます。まだこの地区には、新しくマンションを建てる開発余地があるところです。「浜街道」(以前紹介した「絹の道」)は、マンション建設現場の奥、写真奥の戸建て住宅の間に位置しているので、少し離れたところですが、浜街道にちなんだ名前の歩道橋です。

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【浜街道歩道橋 1998年12月 東京都 製作 日本高圧コンクリート(株)】

【⑤鑓水の一番奥にある歩道橋&トンネル】~水甫歩道橋、水甫トンネル~
水甫歩道橋は、現在たどり着ける遊歩道の終点。ここから先は未開発の土地があり、造成工事中です。まだこのあたりには、多摩ニュータウンが開発中であった頃の雰囲気をほんの少し残しているのでしょうか。
この歩道橋のすぐ横に、「水甫トンネル」という名のカルバートがあります。公園の丘の環境保全のためでしょうか。トンネルがあるというと少し驚く立地条件です。振り返ると、鑓水のマンション群が見える良い景色です。

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【1998年3月 東京都建造 上部施工 (株)安部工業所
 1997年5月 下部施工 イワキ・大城建設JV】

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水甫トンネルは、天端部に立派な銘板があります。トンネルを抜けると、まだ工事中(造成中)の場所が現れます。現在この場所に物流施設と大型ホームセンターが造成中です。いよいよ地区の大半が開発されることになってきました。

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【⑥開けた場所にある明るい歩道橋】~はなみずき歩道橋~
とにかくこの歩道橋がある場所、丘の上にあるからか、視界も開けて非常に明るい場所にある歩道橋です。

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【はなみずき歩道橋 1998年12月 東京都 
 製作 日本鋼弦コンクリート(株)】

【⑦タヌキがいっぱい】~鑓水公園橋~
最後に紹介するのは、高欄にタヌキがいっぱい装飾された橋。鑓水公園付近は、昔タヌキがたくさん住んでいたのでしょうか。今でも住んでいるのか、はたまた「平成狸合戦ぽんぽこ」のように、どこかで姿を変えて暮らしているのか・・。ともかくここはタヌキが主役です。

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【1996年12月 東京都建造 上部・下部工 (株)東辰工業】

【終わりに】
鑓水地区は、比較的開発されたのが新しいので、橋もほかの地区と比べて年数が浅いものが多いです。少し違った個性的な歩道橋が多数見られます。鑓水の西側は、これから開発が進行する地域で、街ができるとまた街の風景も少し変わってくるのかと思います。そうした発展の可能性を秘めた鑓水地区、魅力的な場所であると言えるでしょう。

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