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【南大沢土木構造物めぐり】No.49 上柚木地区に残された農村風景を歩く

表紙の写真、多摩ニュータウンに隣接する場所とは思えませんが、由木街道から数分歩いた丘の上に広がる風景です。丘陵の上には、牧歌的な畑の風景が広がっています。このエリア、興味深い散策スポットが多くみられますので、ご紹介したいと思います。

まずは、由木街道の旧道から。ニュータウンの区域の外側には、昔ながらの民家も少なくありません。

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地区の公民館である、上柚木会館に上がる階段。かなり古びた石段が歴史を物語っているように感じます。

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上柚木会館のあるところには、江戸時代からの石仏など、地域で大切にしてきたものが多く残されています。

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上から石段を見ると、このような感じです。

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上柚木会館のすぐ上の斜面は、ソーラーパネル。未利用地がソーラーパネルになる事例、少なくありません。ニュータウン周辺ではあまり見かけませんが、ここにはありました。

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丘の頂上には、畑が広がります。住宅街と目と鼻の先にこんな世界が広がるとは、驚かされます。

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鑓水方向に由木街道沿いに少し歩くと、古い公園みたいな場所に出ます。

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そこは、由木西小学校の昔の敷地。小学校は山側の広い敷地に移転しましたが、長らくの間地域の人はここの地に通ったことでしょう。なかなか素敵な場所です。

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さりげなく石仏があるのも、古くからの町である証しなのでしょう。

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由木西小学校の跡地からさらに鑓水方向へ。古い民家がある場所。

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古い農村風景ですが、遠景は鑓水のニュータウンの風景。

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さらに歩くと、古びた石灯篭が目に入ってきます。

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神明神社の石灯篭。天保年間なので、これも江戸時代から残るものです。

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坂道の上に急な石段が続いていきます。神社につながる小径。

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立派な鳥居のある神社。

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神社の社殿から見た風景。谷底に由木街道と大栗川が横切り、丘の反対側はニュータウンエリア。この社殿は牧歌的な農村の風景の変遷を見守ってきたことでしょう。

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日露戦役を祈念する石碑。地域の昔からの歴史を刻んだ印が残されています。

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神明神社から由木街道の旧道に戻ってきました。この場所、何の変哲もない道路沿いに見えますが、少しタイムリーな場所。つい半年前まで、横断歩道と被る位置に、京王バスの「神明神社前」のバス停がありましたが、横断歩道に覆いかぶさる位置にバス停を設けるのは安全上好ましくないと国土交通省から指導が入り、「最も危険なバス停」に認定されてしまったかと思ったら、あっという間に由木街道の現道にバスルートが付け替えられ、バス停が廃止されてしまいました。現道経由のほうがバスの所要時間は早くなりそうですが、地元にとっては利用しにくくなるのではないかと気になるところです。

【地図で見る変遷】
今昔マップで、戦前と最近の上柚木地区を比べてみましょう。上柚木の原田・日向と書かれた地区の丘の上は、昔は「桑畑」だったようですが、最近は産業構造の変化からか、畑地に変遷しているようです。戦前の地図の「日向」と書かれた地名の下にあった学校が、丘の上に新たに移動しています。神明神社は昔の姿をとどめていますが、由木街道や大栗川が近代的な風景に変わり、日影地区はすっかりニュータウンの風景に姿を変えているのが現在の姿です。

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【終わりに】
上柚木地区に残された古くからの風景。ニュータウンに指定された区域とはずいぶん違った姿に見えます。ここには、昔から大切にされてきた石仏や、畑などの耕地が広がっています。こうした地域の変わったところ、変わらないところを歩くと、興味深い発見があるのではないでしょうか。

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