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【南大沢土木構造物めぐり】No.43 御殿峠をめざす

表紙の写真、八王子バイパスの鑓水インターから相原インターに向かう歩道です。元有料道路の八王子バイパス、前回は鑓水インターから片倉インター方面に歩きましたが、今度は相原インター方面に歩きました。八王子バイパスの上に架かる架道橋。この橋は昔ながらの道をルーツに持つ尾根伝いの山道につながります。今回はその道をたどる散策です。

(前回の探索)

地理院地図で、今回の探索コースを眺めてみます。八王子バイパスと国道16号の現道の交差点(赤い色の道の交わる交差点)が、鑓水インターで、そこから左下に八王子バイパスを南下します。赤のバイパスの上に、白い色の道路が横切っている橋が、写真に見える橋です。そこから八王子バイパスに沿って、上に伸びていく山道があり、「御殿峠」を目指して山道がつながっています。これが今回の探索コースです。

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まずは、鑓水ICからスタート。鑓水ICは、八王子方向にしか車道はつながっておらず、相原IC方面には歩道しかつながっていません。車道の橋脚は、耐震補強工事が続いています。

【御殿山歩道橋 1984年5月 日本道路公団建造 住友重機械工業製作】

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バイパスの歩道は、やはり歩く人の数もあまり多くなく、草木が生い茂るところもありますが、現役の国道なので、きちんと歩けるように整備されています。

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写真に見える谷は、大栗川の一つの源流になる谷戸の先端です。

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目的地は、バイパスの上に架かっている橋。実はこの橋、100年前からある古道のルートに架かっているようです。今昔マップで見ると、橋が架かるところに二重点線の山道があります。バイパスの工事のために、この山の尾根の一部が切土されていて、道を残すために跨道橋を架けたようです。

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なかなかダイナミックな切土と、その上の橋です。それを超えると、相原ICの側道に入ります。

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側道からすぐに宅地に入り込む道があります。ここから尾根の頂上まで急坂ですが、宅地になっています。

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そして、急坂の上に橋が架かっています。

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橋の名前は、「相原橋」。古道に架かる橋だからなのでしょうか。名前もなぜか風格がある感じがします。急坂の住宅街の上なので、交通量はあまり多くありません。坂の上の住宅街の頂上同士を結ぶ、一見不思議な橋です。

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橋の上からの風景は、予想通り素晴らしいものがあります。奥に見える高層建築は、相模原市・橋本の街です。

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【1984年2月 日本道路公団建造 日本鋼弦コンクリート(株)】

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しばらくまっすぐ進むと、いい感じの山道のような道が始まります。ここからが尾根道のようです。

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尾根道は、こんな感じの山道です。藪は深いですが、多くのわだちがあるので、比較的多くの人や自転車等が行き来しているようです。

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本当に快適な尾根道を歩けます。

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最終的にたどり着くのは、御殿峠のすぐそばです。写真には写っていませんが、背面は「八王子日本閣」という結婚式場のすぐ裏側になります。

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すぐ近くの道路上に「都立多摩丘陵自然公園」の石碑があります。ここは、旧国道16号線に当たる道で、御殿峠へのアプローチ部分といえる部分になります。が、いまはその面影は全くなく、石碑だけがなぜか残された感じになっています。後ろの仮囲い、不法投棄等が横行したため、私有地を仮囲いで囲むことが進んでしまっています。この付近の山道はこんな雰囲気の道が増えているのが残念なところ。今歩いてきた尾根道が、この自然公園の「主役」だったのかもしれません。近くの国道16号のバス停も、「自然公園入口」となっていますが、自然公園らしさを見せてくれるのは、今回探索した尾根道か、前回の探索で訪れた道了寺から御殿峠に抜ける山道ぐらいなのでしょうか。どちらのコースも、今も自然公園の雰囲気を残す楽しい山歩きが楽しめると思います。

ちなみに、御殿峠の三角点はどこにあるかというと、今は八王子日本閣の駐車場の一番てっぺんの部分にあります。さりげなく「国土地理院 三角点」という標識が残っているのです。

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あとで地図を見て気が付きましたが、今回歩いた尾根道とその周辺だけは、「町田市」の範囲になります。日本閣の建物と駐車場の一部は町田市に属しているのですね。写真には収めてませんが、道路の側溝の蓋がさりげなく町田市の蓋でした。

【終わりに】
八王子バイパスと古くからの尾根道、歩くのが楽しい散策コースです。日本閣の前の尾根からの降り口は、すべりやすい急坂なので要注意ですが、その他は大きなアップダウンもなく、快適な散策が楽しめます。古くからの峠である御殿峠も、普段国道16号を車で通るのとは違い、尾根道を歩くとこんな楽しみもあるのかと実感させられます。
多摩丘陵と土木構造物をめぐるハイキング、市街地から気軽に楽しめる楽しいコースだと思います。


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