『ミッドナイトスワン』感想メモ
日本アカデミー賞の授賞式をみたのが鑑賞動機。
ミーハーで恐縮ですが許してください。
ネタバレありの箇条書きメモです。
・一果、魔性の女の才能がありすぎる
凪沙とりんちゃんとバレエの先生を虜にする女。
・やっぱ草彅剛アツいな…
大河ドラマの徳川慶喜、良いな〜と最近観ているのですが、攻めた役もちゃんとこなしていて信頼が増した。
・凪沙が作中でヅラを外して男性の姿になる場面、草彅剛の顔をした男性の姿なのに、中身は女性なのを感じた…すごかった…普通に女性的な仕草が違和感ないんだよな
・一果ちゃん役の子、手足なっが…
踊りと演技うま… 作中でどんどん可愛くなっていくの最高か…??(語彙力)
・何も与えられず生きてきた一果の人生が、バレエを得たことで輝きだす瞬間、美しかった…
・凪沙が彼女の望む姿で生きるための身体的・金銭的な壁が高かったり、周りの無理解によって心ない言葉を投げられたりするの、観てて辛かったな…きっとこれは現実なのだけど
・凪沙が一果に献身した理由、一果のバイトの事件を経て、生まれながらに孤独と人生のどうにもならなさを抱えているという共通項を見出したからで、バレエの才能の希望が残っている一果だけでも「生きづらさ」から救い出したかったのかなという解釈をしている
・恋人に貢ぐ凪沙の同僚も、一果のために自分を捧げる凪沙も本質的には同じな気がする
・一果は話が進めば進むほど可愛くなっていくけれど、りんは話が進めば進むほど暗い展開になっていくのつらい
凪沙という理解者を得た一果と、親に理解されなかったりん…
・女学生の百合(言い方が悪い)をお出しされると思ってなくてわりとびっくりした。
りんが一果に恋愛感情を抱いていたというよりは、思春期の感情の揺らぎ、友情の延長みたいなものだと思っているけれど、
りんの感情はりんだけのものだし、鑑賞者が断定するものではないと思うので黙ります
・りんが死を選んだのはちょっと納得してない
そこに至る心情の描写と、りんの死が一果に与える影響がもう少し描写されないと物語的に意味を見出せないな…と思ってしまった
・結果的にりんと凪沙2人とも死ぬのは軽率すぎやしませんか??凪沙はまだ分かるけど…
・一果の母になりたくて外国で性転換手術を受けたことが結果的に凪沙の身体を苦しめたこと、本当に救いがなかった
トランスジェンダーの身体的な苦痛についての描写を観ることがあまりなかったので、卒業後に一果が凪沙と再会する場面、ガツンときた…
・状況に対しての説明、あんまりなかったな〜という印象。(考える余地を残す意図だとは思う)
作中凪沙が体調悪そうにしていたのはなぜだったのか、私は映画だけでは分からなかった
(他の人の感想でホルモン剤による副作用の描写だったことを理解した) ので、
作品のテーマに関わる部分の説明は欲しかったなという気持ちはある 無知ですみません…
・タイトル回収の夜の場面、美しかったなあ
「ミッドナイトスワン」は『白鳥の湖』で真夜中だけ白鳥から本来の姿に戻る少女たちが元ネタだと思うけど、
文字通り夜に働いている時だけ自分の望む姿で生きられる凪沙と重なるし、
踊っている時だけ心が自由になれる一果を連想するタイトルでもある
・凪沙を連想させる白鳥の衣装で『白鳥の湖』のバレエを最後に踊る一果、美しいとエモいの極致だった…
・総じて、美しくて痛みがある映画だった
思いのほか長文書いちゃったので、意外と好きな映画だったのかもしれない
以上!草彅剛の今後をゆるりと注目していきたい
松坂桃李を好きな人間が草彅剛に好感をもつのはそれはそうという感じがしますな(独断と偏見です)
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