見出し画像

母が5万円を机に叩きつけて決まった無痛分娩

無痛分娩ってみなさんご存じですか?

「無痛」で「子供を産むこと」だと思ったそこのあなた。。。

無痛分娩は、「痛い」んですよ!!!

完全に「無痛」になるわけじゃないので「和痛分娩」という産院もあります。

そう、無痛分娩でも陣痛は「指を切断されたがごとく痛い」。

それを頭の隅に置きながら、ぜひこのnoteを読んでいただければ幸いです。


さて、まずはなぜ「無痛分娩」をすることになったか、それまでに色々な事件が起こったのでそこからお話していきたいな、と。


食べ悪阻と吐き悪阻の繰り返しで太るに太った妊娠後期

一般的に、悪阻は安定期と呼ばれる妊娠4ヶ月~5ヶ月ごろには収まるんです。

しかし、私の場合、悪阻が楽になったのは「正産期」、いわゆる「臨月」に入ったころでした…。それまでは食べ悪阻(空腹になると気持ち悪い)と吐き悪阻(食べると気持ち悪い)を繰り返すというなんともやっかいな妊娠症状で。

(いやいや、悪阻長引くってこんな長引く人聞いたことねぇよ…)

って大げさではなく本当に毎日泣いてました。ホルモンの不思議。

これ、妊娠を経験した方は想像つくと思うんですけど、、、

要するに

「めっちゃ太りやすいやんそんなん!」

って発狂する体調なわけですよ。吐いて摂取しない期間が終わったらバクバク食べるので体が栄養足りない~となり、とにかく太る。

どれくらい太ったかというとなんと23㎏…!

とにかく吐き気が止まらないので情緒も安定せず、ようやく気持ち悪いって思わなくなったなあ~と天にも昇る気持ちでした。

しかし、23㎏も太っているという事は…そう。産道にお肉がついちゃっているので出産も大変になるんですよね。

知識としては産院でずっと注意され続けてきたのでわかってはいたんですが、本当に「どういうことになるのか」はわかっていませんでした。

まさか、陣痛が5分間隔になってから24時間も苦しむなんて…


予定日超過12日でもまだ生まれなかったちびちゃす

23㎏体重が増えた私。(デブ過ぎる)

前述した通り、産道も太っているし、初産だしで、予定日に生まれてくるかな~というわくわくを1日、2日、3日、、、と過ぎていき。お腹の中でゆっくりまったりしていたちびちゃすはとうとう「入院し促進剤を打つ」日の前日まで生まれる気配を見せませんでした。

が!「入院し促進剤を打つ」日が、なんと満月の日で。その満月の日の前日から陣痛が始まりました。

(満月の日に生まれるとかテンプレかよ)


陣痛は5分間隔で24時間続いても進まなかった

陣痛が5分間隔になってから、何も食べることが出来ない、なんなら前日に食べたものを嘔吐する、そんなこんなで体力はどんどん失われていきました。

気づいたら、持病の喘息の発作が少し出始めていて。

先生からも、このままだと赤ちゃんに酸素が送られにくくなる可能性もあるので「危険だ」と診断をされ。

そこで、全く選択肢になかった「無痛分娩」を提案されました。


無痛分娩とは

麻酔を用いて痛みを緩和しながら分娩(経膣分娩)を行うことである。麻酔は一般的に硬膜外麻酔。~wikipedia

そう、無痛分娩は痛みを「緩和」する時間があるだけで、陣痛がなくなるわけではないのです。

無痛分娩体験者から言うと、陣痛が「和らぐ時間がある」ようなイメージ。

硬膜外麻酔
無痛分娩において最も一般的に用いられる麻酔法。脊髄の近く(硬膜外腔)に麻酔薬(ロピバカイン、フェンタニル)を注射して鎮痛を行う。麻酔薬が胎児にほとんど影響せず、また、母親の意識もはっきりしたまま分娩を行えるといったメリットがある。分娩がすでに進行している場合、素早く鎮痛を行うために脊髄くも膜下麻酔を併用する場合もある。~wikipedia

さらには、硬膜外麻酔を用いて行うので、「背中に何本か注射をぶっさされる」のです…。

声を大にして言います。

めっちゃ怖いです。

声を大にして言います。

背中に針を何本をぶっ刺されるのはめっちゃ痛いです。

そして何より。

お金がかかる。

当時、(元)夫は不景気によりちょうどボーナスや残業代カットを通達されたばかり。手取りで20万ないような家計的にとても苦しい状態でした。私自身も働ければよかったのですが、切迫流産の診断を2回受けたり、悪阻や貧血がひどかったことからまともに働きに行くことも出来ず。。

喘息発作が出始めていて胎教に影響することは頭で理解できても、そんな状況で「お願いします」と言える精神状態になれなかったのです。

おそらく陣痛で普通の精神状態ではなかったし、24時間陣痛が5分置きに来ている状態なので、体力も限界でした。

しかし「お金がかかる」という事は当時の私にはとてもハードルの高いことでした。(貧しいって単純に選択肢が減るんだなあと今でも身に染みて思います。)

そんな私がぐるぐる考えて痛がっている中、母が

「ちょっと〇〇は外に出てもらえる?」

と(元)夫を追い出しました。


母は私の思考回路を見抜いていた

それまで陣痛に合わせて尾てい骨を押してくれたり、うちわで仰いだり、私が大好物のミニストップのハロハロなら食べれるかも!(今思い出すと笑うわ)と買い出しに行ってくれたり、音楽かけたり、陣痛が始まってからとにかく私に尽くしてくれていた母。

(元)夫を追い出して、何だろうと思うと、静かに話し始めました。

母「先生の言わした事、ちゃんとわかっとっとね?」

※急ですが、長崎出身なので長崎弁モードに突入します。※

ワイ「わかっとるっちゃけど、お金なかっちゃもん…迷いよる」

ここで母、急変。

母「そがんことやろうと思ったばい!よかけん無痛分娩にしなさい!お金なら足りん分は私が出してやるけん!何十万かかっちゃっちゃよか!あんたも赤ちゃんも元気に生きて行けんかったら何の意味もなかとよ!わかっとるとね!そがん事は心配せんでよかけん、すぐお母さんに頼みなさい!もう!」

怒りマックスモードの母。私に付きっ切りでサポートしてくれているので、当時62歳の母も24時間以上寝ておらず、ハイテンションモードだった事も影響していたかと思います。

そして、ナースコールで看護師さんをすぐ呼びつけました。

看護師さん「無痛分娩どうされるか決まりました?」
母「決めました!私が!(←wwwww)」
看護師さん「wwwどうされますか?」
母「無痛分娩お願いします!いくらかかるっか(かかるのか)わからんとですけど、一旦ここに持っとる分だけ5万円置いときますけん!持って行ってください!無痛分娩の分は、私が払いますけん!!!」

財布から5万円を取り出し、机に「ばーん!」と叩きつけた母。

(母よ…看護師さんに言うてもしょうがないよ…会計は退院するときにまとめてするんだよ…ああ看護師さん苦笑いしてる…ああ…)


大切な応援をしてくれた母。看護師さんを呼びつける前、すごくいいことを言ってくれたんですよ。

しかし、机に5万円ばーん!がパワーシチュエーション過ぎて、その投げかけをくれて泣いてた私の涙は、火星辺りまで吹っ飛んでいきました。。。

「田舎の母感」まるだしの母。。。

財布からある分だけ5万円出しちゃう辺り、すごく田舎の母感。。。

本当に頼もしい母です。


お金に換えられない価値がある無痛分娩

しかし、母の言葉にはっとしました。

お金で解決するかもしれない「リスクヘッジして出産する」という方法の選択を、なぜ躊躇したんだろうと。

冷静に考えたら絶対にそうするべきだった。

人は体力を消耗したり心を消耗したりすると、その「冷静な判断」をとることが難しいメンタルになってしまうことを、身を持って体験しました。

母よ、、、本当にあの時はありがとう、、、

5万円ばーん!と机に叩きつけた時は涙も引っ込んで顔から火が出るかと思ったけど、母のおかげで無痛分娩に挑戦できたよ。。。


無痛分娩によりお産が急激に進んだ

無痛分娩がとても恐ろしく、とても痛く、陣痛が緩和する時間は2時間程度だったのですが、その話はまた別の時に。

無痛分娩の麻酔により、下半身の筋肉の緊張が緩和したことで、陣痛が一気に進みました。

無痛分娩に切り替える前は「あと1日以上かかるかもしれない」と言われていたので、無痛分娩に切り替えてから投薬の時間も含め、4時間ぐらいで出産を迎えたので、喘息の発作もひどくなることもなく、無事ちびちゃすを出産することが出来ました。


リスクヘッジ必要な対価は必ず自分を助けてくれる

今回言いたいのは、「無痛分娩」を推奨するわけでもなく、ただ、「リスクヘッジ」にかかる対価は、ぜひ消費してほしいということ。

健康維持のためにお金をかける、子宮頸がん検診を必ず受ける、PCのバックアップはクラウド費用を払って取っておく、SSL化する、スケジュール遅延を見越して人工を確保しておく。。。

私たちの生活の周りにはいろんなリスクヘッジのサービスがあります。

その中でも「健康」や「命」や「時間」に関するものは、本当にあなたを手助けしてくれるものになるかもしれません。

そして何より、「リスクヘッジ」をしてくれるサポーター、私の母のような存在は、なかなか回りにいないと思います。そんなあなたをサポートしてくれる誰かの言葉には、素直に耳を傾けてほしい。


今夜はそんなお話でした。


普段はここで雑記ブログ書いております。


画像1


読んだよの意味を込めて♡マークをクリックしていただけると喜びます…! 気になった感想などはRTさせてください♡