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お笑い賞レースのロゴを比較してみよう

最近疲れた時は心を無にしてロゴをトレースしている。

キングオブコントが近づいてきたが、この番組ロゴは開催当時からベースは変わっていない。M-1グランプリも時代に合わせてマイナーチェンジを繰り返しているが基本レイアウトはそのままである。

そこで、トレースついでにお笑い賞レースのロゴについて考えてみることにした。次の画像に2020の主要な賞レースのロゴを示す。ytvや歌ネタ王は知名度は低いものの比較的ロゴにこだわっていたので入れてみた。

アートボード 16

なんだろう。個人的にはロゴのクオリティと大会の影響力がそのまま比例しているようにも思える。M-1/R-1/キングオブコントの3つが拡大縮小にも耐えるロゴである一方、THE Wや歌ネタ王、ytv漫才新人賞は複雑で、小さくした際の視認性に欠ける。また、M-1とR-1のロゴは似ており、特にR-1グランプリは独自性においてM-1に劣っているように思える。一番残念だったのはTHE Wのロゴで、タイトルが短く印象的なロゴを作れただろうに見づらい明朝体が安っぽい印象を与えてしまっているのではないだろうか。

以下、それぞれ細かく見ていく。

M1グランプリは3Dや光沢のエフェクトを加えたリッチなロゴで、重厚感や権威を表現している。トレースしてみようと思ったがillustratorだけでは難しく、Photoshopか3DCGツールを用いて時間をかけて作られているのだろう。「M1」の文字はオリジナルで、他はフォントを元に加工していると思われる。「グランプリ」にはタイプラボ、「2020」にはRoG2サンセリフを用いた。同系統のロゴとしてイッテQ!やネプリーグがある。

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キングオブコントは近年のフラットデザインの流れを汲んだロゴで、文字は全てオリジナルだろう。縦画横画の太さ調整や2020の1つ目の0を小さくするなどの細かい工夫が見て取れ、勢いやアグレッシブさが伝わる。同系統のロゴとしてOWARAI二刀流や同TBSのザ・ベストワンがある。

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R-1グランプリは丸みをおびたロゴで、ピンクを用いたり星のパターンを入れるなどによってポップさを感じさせる。一方でM-1と同様にゴールドとシルバーのグラデーションを入れることで特別感を表現したいのだと考えられる。同系統のロゴとしてマツコ&有吉の怒り新党やなんでも鑑定団が考えられる。

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(2021/1/19追記)

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R-1グランプリがリニューアルされてロゴもイッテQとキングオブコントを足して2で割ったようなロゴになった。バッジとかあったら結構欲しくなる感じのまとまりの良いデザインでピンク推しよりだいぶいい感じだと思う。いろいろ批判もあったが頑張って欲しい。
(追記ココマデ)

THE Wは割愛。

歌ネタ王はillustratorでいうワープやグラフィックスタイルの機能をふんだんに使ったロゴで、おそらくカラットというフォントをベースに加工している。全体をエンブレムのように仕上げていることによりいかにもテレビのバラエティっぽいデザインという印象を与える。同系統のロゴとしてお笑いG7サミットやしゃべくり007、オンバト+がある。

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ytv漫才新人賞は日本の番組ロゴとしては珍しくわかりやすく3DCGを使いましたというようなロゴで、カメラの視点をアオリにすることで大会の権威を大きく見せる表現を目指していると考えられる。同系統のロゴは少ないがオールザッツ漫才2017やハモネプのロゴが考えられるだろうか、また、海外の番組ロゴには3DCGを使ったものが少なくない。

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今回の調査にあたってテレビのロゴをPinterestでたくさん集めたので共有したい。

今回面白かったのは、同系統のロゴは同じお笑い番組やバラエティ番組から見つかったという点である。考えてみるとグラフィックスタイルを多用したロゴというのは書籍や化粧品のロゴではほとんど見られず、テレビを中心とした映像作品と共に発展してきたスタイルなのだろう。日本と海外のロゴにも違いが見られそうなので時間があるときにまとめてみたい。

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