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もっともシンプルに「バレットジャーナル」を使いこなす

バレットジャーナルというノート術をご存じでしょうか。

これを開発したライダー・キャロルさんの本によれば「人生を変えるノート術」。時間を上手く活用し、人生をよりよい方向へと導く、自分のための一冊のノートを作り出す技術です。

ノート術は以前からインスタなどで流行っていて、やたらとお洒落に飾られたスケジュール帳や日記帳などを私も見ていました。バレットジャーナルで調べても同様に、お洒落なノートがずらっと並んでいたりします。

以前、この方の本を読む前にも私は、このバレットジャーナルを試したくてネットの見よう見まねで、一冊の手帳を作ろうとしたことがあります。

結果:挫折。

マンスリーログやフューチャーログといった必要なページを作ったはものの、特に書き込む予定もなければほとんど真っ白なまま、意義を感じられずそのままお蔵入りになりました。お洒落なデコレーションも上手くいかず、無意味に気合いの入った、数ページ書き込み用のページを作ったノートが出来上がっただけ、というオチ。

自分には合わないものなんだろうなと、当時は思っていました。

けれど違ったんです。
バレットジャーナルは、自分に合ったものをカスタマイズして作らないといけません。自分に合う、というのはつまり、自分の目的を明確にしたページを作るということ。仕事以外特に予定もない私が、メモしたいこともないくせにノートだけを用意したって意味がないことは明白でした。

ここから私は、その人の用途に合わせて必要最低限のページの作り方があればいい、と考えそれを紹介することにしました。あくまで本を読んだ上で「私ならこうやる」という話がメインになってしまうため、本の内容や本質については詳しく、事細かには語れません。

がっつりやりたい方はぜひ『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』の本を読んでください。ノートの作り方だけでなく、体験談やそこから得られる教訓など読み物としてもめちゃくちゃ面白いです。
メインとなる型や、それをどう使うかの具体例、実際に体験した方の感想、どう変わっていけるか、バレットジャーナルの本質など、大事なことを全て踏まえた上で自分のためのノートが作れるはずです!

あくまでも、バレットジャーナルをお手本とした、もっともシンプルなノート術としてご覧ください。


0.バレットジャーナルの目的

バレットジャーナルの目的は、大前提として「思考の整理整頓」にあります。

人間の脳は我々が思っているよりずっと、ものすごいスピードで思考し続けています。加えて、ネットのおかげで一日に触れる情報量も膨大なものになっています。常に脳がフル稼働している状態で、やるべきことややりたいこと、急に舞い込んでくるタスクに振り回されれば、疲れてしまうのも無理はありません。

そんな、余裕のない状態から脱出することが、第一の目的にあります。

まず試しに、一枚の紙のペンを用意してください。
紙はノートでなくても良いし、チラシの裏でも構いません。ペンだって何色でも大丈夫です。そこに箇条書きで、今考えていることをメモしてみてほしいのです。

例えば、今日中にやらなきゃいけないこと。あるいは、近々やらなきゃいけないこと。そのうちにやりたいと思っていること。今あなたを忙しくさせていることや、その不満。よかったことでもいいです。あとは、見習いたいと思った人や行動とか、ネットで拾った良い情報とか。

これが、バレットジャーナルの最初のステップです。(本ではデイリーログ、と呼ばれています。)

次に、箇条書きしたリストの先頭に、記号をつけてください。
やるべきことなら「・」、感じたことなら「○」、その他のメモなら「ー」です。本当になんでもいいんですが、今日はこんな話を聞いたとか、ネットで見たとか、忘れたくないことがあればそれも書きます。やるべきことは、終わったら「×」をつけて完了の印とします。(日本人的にはチェックマークの方がしっくりくるかもしれません)
ここにもうひとつ作業を加えたら、基本の基本は、おしまいです。

これで何の意味があるの?と思われたかも知れません。
あくまでもこれは、思考の整理です。手書きというアナログな作業をすることで

  • 頭の中を整理する

  • メモすることで、思考の負担を軽くする

  • ネットから離れる時間を作る

といったことができます。特に思考の負担を軽くすることは、脳の余裕を作ることに繋がるので、それだけで一つの成果があると言えます。ネットという膨大な情報源から離れるデジタル・デトックスも、脳を休めるのに最適です。

そして、もうひとつの作業について。
それは「重要度を確認する」という作業です。やるべきことを片っ端から書いていくうちに、これは別に良いか……と思ったものもあったかもしれません。後回しにしたいな、と思うものや、今日やることじゃない、とか。あるいは「書く前にやった方が早い!」と思った、単純な作業とか。(それはもう、さっさと取りかかっちゃってください。)

リスト化することで、重要でないものも思考の中に入っていることに気づきます。やらなくてもいいことがもし見つかったら、打ち消し線を入れて消してください。逆に重要度の高いものが見つかったら、星マークなどで強調してもいいです。

これで、頭の中でごちゃついていたものが、一枚の紙に収まります。やるべきこととそうでないことの見分けがつく上、頭で考えるよりタスクが減ることもあるでしょう。無意味な思考や無駄なタスクが減れば、自動的に時間と余裕を作ることができるのです。

これが、バレットジャーナルの本質なのです。

まとめ0:思考の整理整頓

  • 頭の中でごたついた思考を紙に書き出せば、脳の負担が減る

  • やるべきことの優先度を確認できる

  • やらなくていいことに気づける

  • 手書きのメモをとることで、ネットから離れる時間を作る

繰り返しになりますが、これはあくまでも最初のステップであり、ここから「ノート術」たる技術が色々と広がっていきます。しっかりがっつりやりたい方は、やはり本を読み、自分の目的にあったやり方を調べるべきでしょう。本には、目的を見つけるためのステップや、ノートをよりよいものにするための細かな注意点までびっしりと書かれています。

バレットジャーナルは、本質を知れば誰にでもぴったりのノートが出来上がります。別に忙しい方のために限ったものではありません。旅行の計画を立てるため、テストの成績を上げるため、ひいては自分の人生の目標のためや、人生設計をこれから作るためでも、なんにでも役立ちます。

ここからはもう少し詳しく掘り下げ、基本の紙一枚から発展した「ノート」を作るためのステップと、目的に応じた「カスタマイズ」の仕方について紹介します。一枚の紙では間に合わない予定管理や、目標達成のためのページ作りなど、用途に応じた項目をご参照ください。

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