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動けない=やる気がない、ではなかった!行動を変える心理学

行動心理学、というものをご存じでしょうか。
こちらは心理学の一種で、人の行動のメカニズムを学んでいく学問です。

例えば「やる気があるのに行動に移せない」といった現象。

勉強や家事、仕事でもなんでも……人は誰しも身に覚えがあると思います。こちらの現象に、“その人にやる気がないから”以外にちゃんと理由を提示できるのも、行動心理学です。

今回、そんな行動心理学を一冊の本と共に紹介したいと思います。

『めんどくさがりの自分を予定通りに動かす科学的方法』竹内康二

タイトルが妙に惹かれるこの一冊。見つけた瞬間「あれ……私のこと?」と思わずハッとしたので読んでみました。

為になるなあ、と感じる本の共通点として「実行可能なレベルまで落とし込む」というルールを用いるところがあります。こちらの本も、めんどくさがりがどうすれば行動に移れるのか、実行可能な具体例と共に紹介してくれています。

また、ダメなときについてもきちんと納得できる話も書かれているので、うまくいかないときに自己否定しがちなメンタルにも優しい一冊でした。

今回はこの本にもあるような、やる気に頼らず自分の行動を変えていく、行動心理学のメカニズムについて紹介します。

1.行動出来ないメカニズム

例えば「勉強をしなきゃテストで悪い点を取る。(そうすると、志望校に行けない。親や先生に怒られたり、塾に入れられるかも。)」と考える子どもがいるとしましょう。

勉強をしない=悪い結果が起こる、は容易に想像できます。
勉強の動機は理解しているのに、スマホやゲームに手が伸びてしまったり、たとえ禁止されようとも勉強には取りかかれない場合があります。これは一体なぜなのか。

可能性の一つに、悪い結果を回避できることを知っているからがあります。

・以前のテストでは怒られたけど、謝れば許してもらえた。
・ゲーム禁止にされたけど、一週間我慢すれば返してもらえた。
・(今回は)塾に行かずに済んだ。など。

当時、勉強をしなかった結果にたどり着いた先で、そんなに大ごとにはならずに済んだという成功体験がある場合があるのです。
(実際には全然、問題を先延ばししているだけで、回避はできていないんですけどね!)

もちろんこれを放っておけば、いずれゲームがずっとできなくなったり、塾に強制的に通う羽目になったりするでしょう。でも「今の時点」では回避できたので、その子は「ヨシ!」と考えてしまうのですね。

しかしいずれはそのツケは回ってくるもの。それでも勉強よりゲームがしたい。
一見、非合理的に見えるこの行動。これにもちゃんとメカニズムがあります。

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