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お気に入りの絵本 『おひるねじかんにまたどうぞ』

『いちごのおぼうしかぶったら
いちごになれる?
なれないよ。』

このフレーズが今も脳裏から離れない。

『おひるねじかんにまたどうぞ』は私が保育園児の頃、通っていた園から配られた絵本。

当時、私の隣に布団を敷いて寝る女の子が毎日くすぐってきたり、髪を触ってきたり、先生の目を盗んでは変なちょっかいを出してくるものだから、園ではなかなか寝付けなかった。

けれど、この絵本を園から持ち帰り、母に読み聞かせてもらってからは少し気が楽になった。

保育園でのお昼寝時刻が近づくと、この絵本に登場するような個性強めのウサギに夢の中で会えないかな、なんてちょっと期待するようになり、お昼寝自体が楽しみになった(今も保育園当時の記憶は色々残っている)。

隣で寝る子からのちょっかいに対しても、ちょっと気の強いウサギのキャラを真似て、「やめて」と言えるようになっていた。

そうすると先生もすぐに気づいてその子を注意してくれるので、私は眠りに就きやすくなったのだ(笑)。

ちなみに、この絵本では「月曜日」「火曜日」……「日曜日」と、週の呼び名が付いたうさぎが七匹(擬人化されてるから七人と書くほうが適切かも)登場するのだが、私は大らかな性格の「日曜日」と名の付くうさぎが一番好きだった。

今でも就寝直前は、「うさぎのおぼうしかぶったら、いちごになれる?なれないよ」というフレーズを、「羊が一匹……」代わりに無音で呟いている(羊の数え方は、正しくは「一頭、二頭……」なのだが、そこはさておく)。

たまにハンドメイド作品の制作で、未就学児向けの衣類や布製品の縫製を依頼されることがあるが、そんな時、女の子用ならば苺やウサギの柄布を選びたくなる。

もちろん、依頼者(保護者など)から使用生地の指定や要望があれば、それに沿うようにするが、特に希望がなく、「かわいい生地でお願いします」といったザックリとしたご要望であれば、私の好みでつい、苺やウサギの柄生地使用率が高くなる。

年齢がいくつになっても、かわいいものはかわいいと思うし、自分の中の普遍的な「かわいい」があるんだなぁ……。

この絵本を思い出すたび、そんなことを思いながら、ほっこりと優しい気持ちになる。


お昼寝が苦手な子どもにも、そうでない子どもにも、そして大人にも、ぜひ多くの方に読んでいただきたい、お薦めの絵本だ。



ここまでお読みいただきありがとうございましたm(__)m


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