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アンソニー・ギデンズ『近代とはいかなる時代か?―モダニティの帰結』

※2015年7月19日にCharlieInTheFogで公開した記事「読書録 2015年6月」(元リンク)を改題し、一部修正の上で転載したものです。


社会の際限ない拡大と、再帰性というキーワードで近代を解説しています。

前近代では、伝統的社会秩序に基づく局所的なつながりしかなかったものが、技術革新によって時間・空間ともに際限なくつながりが拡大していく。その主たる例が貨幣制度や専門家のシステムであるわけですが。

そんな状況において、「信頼」というものは、自分が不案内な分野においても原理であったり専門家の発言であったりを信用するという形で現れます。

そして再帰性についていえば、ある対象に関する情報がその対象自体を変えてしまうという面白さ。社会学がはらむ性格を見事に言い得ています。かなり面白い。


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