ココナツ・チャーリイ

ココナツ・チャーリイ

    最近の記事

    十年一昔

     フェイスブックが「10年前のきょうの写真を見ろ」と言って、新快速が各駅停車する地域の写真を表示してきた。高校時代に部活動で訪ねた土地で撮った駅名標の写真だった。  当時の自分は漠然とした将来の不安に怯えていた。現在も続く読書習慣はこの頃できたものであり、今でこそ純粋に趣味として楽しく読んでいるが、当時は自分の知的欠陥を埋めなければならないという強迫的な気持ちに押されて読んでいたものだった。  十年一昔とよく言われる。確かに大学を出て、働きだして、実家を出て、という意味で

      • 「言語化できてよかった」のか

         人の話に付き合っていると「悩みを言語化できてよかった」と言われることがよくあるが、その手の物言いがとても苦手だ。  いつからこんなに、ビジネスでもなんでもないのに、生活上の感情の吹き溜まりを「言語化」すれば何か道が開けるかのように信じられているのだろうか。  言葉が、迷っている人の背中を押すことはある。人と話していて、自分の迷いが何かしらの打開を見ることはある。  だから迷っている人間が人と話をすることには意味があるし、そういう人から指名されればいつでも話を聴こうじゃないか

        • 無責任な積読

           未だに電子書籍には手を出さず、紙の本しか読まないが、借りるよりも買うほうが好きという厄介な性格でもあり、どうせ読めはしないだろう量の本がたくさん積み上がっている。  基本、仕事以外で人と会うことのない寂しい暮らしをしている。人と会わないと、感情が動く瞬間は、自分で設定しないとそう簡単にやってこない。そういう穏やかな生活がお気に入りという方もいるだろうが、私は退屈が苦手な人間なので、家の中にこもっていられず外出するのが常である。  しかし外出先の選択肢が幅広くあるわけでは

          • 書店で3回「有斐閣ストゥディア」と唱える

             レジー著『ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち』(集英社新書)では、ビジネスで他者を出し抜くために、効率よく情報を得ようとする人たちが登場する。著者はその背景にある新自由主義や家父長的な思潮を問題視しつつ、本書ではファスト教養を求める人たちが、括弧付きの教養ではなく、よりマシなコンテンツに触れやすくなるための方策を提言している。  とは書いてみたものの、ファスト教養はそこまで問題なのだろうかと思わなくはない。浅ましい人は昔から一定数いるが、多くの人はただ浅ましいだけで

            映画を人と見る

             どうもいまいち腑に落ちていない。誰かと映画館へ行って、一緒に映画を見るということが一体何なのか、腑に落ちていないのである。  と言っても「1人で見たほうが良い」と言いたいわけではない。「1人で見る」よりも「気心の知れた人と一緒に見る」のほうが豊かな気持ちになることに疑いはない。しかし、その「豊かな気持ち」が思ったほどでもない。  良い映画を何度も見ることに躊躇はないから、ある作品を1人で見に行った後、その作品を好きになりそうな人を誘って今度は2人で再鑑賞ということがしば

            違う図書館に本を返してしまった

             住んでいる市の図書館で借りた本を、勤務先がある市の図書館の返却ポストへ誤って返してしまった。図書館利用歴は長いが、このうっかりは初めてだった。  間違ってますよという連絡の電話が、本を借りたほうの図書館から入った。返した先の図書館が預かってくれているので取りに行ってほしい、ということだった。  期限ギリギリの「返却」だったから急いで、預かってくれている図書館へ行って受け取りに行った。  電話で指示された通り、指定のカウンターで事情を説明したところすんなり本を返してくれ

            noteをリスタートします

             ココナツ・チャーリイです。27歳の会社員です。不定期更新のブログ「CharlieInTheFog」を書いています。 https://charlieinthefog.com/  最近は新聞流通研究と、本や映画のレビューを載せる場として使っており、日記等は書いていませんでした。  主に、日々考えたこと等はツイッターの、しかもリアルで付き合いのある友人しかフォローしていない鍵付きのアカウントで書くことが多くなっていました。  しかしツイッターはどうしても、思考の垂れ流しに