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2024衆院選 翌朝各紙の残り議席数推移

 新聞は販売エリアにあまねく届けられますが、印刷工場からの配送に要する時間は当然その距離等に応じて異なるため、同じ日付の新聞でも複数の締め切り時間を設定し、複数の版を製作しています。

 大型選挙の投票翌日付朝刊は、開票状況を少しでも紙面に反映させるため、いつもよりも多くの締切を細かく設定し、より深い時間まで新しい版を製作することが知られています。

 10月27日に投開票された第50回衆院選でも、各社は特別態勢を組みました。関西各地で収集した紙面を集計して、各紙がいつ締切を設定し、どのくらい当選確実を出せたのかを概観したのが次の図です。

2024衆院選 各紙1面の残議席数推移

 朝日新聞と読売新聞は紙面上で集計時刻を明らかにしていませんので、時刻を推定してプロットしています。

 朝日新聞はANN(テレビ朝日系列)と合同で当選確実を判断しているので、ANNの選挙特番等の放送を確認して推定しました。

 読売新聞は、出口調査をNNN(日本テレビ系列)と合同実施したことを明らかにしています。当選確実も合同で判定しているかどうかまでは分かりませんが、掲載されているニュースなどを見ると、NNNの当確出しの推移とあまり食い違いがなかったことから、NNNの放送を確認して時刻を推定しました。

 その他の社は、集計時刻を明記しています。共同通信に加盟している地方紙は共同の集計を利用していることが知られています。同じ加盟社でも、全国紙である日経、毎日、産経は、他の地方紙と同時刻の集計でも残り議席数が食い違っていることから、それぞれ独自に当確判定をしたものと思われます。

 やはり今回も朝日新聞が群を抜いて、より早い時間帯により多くの当確出しができていたことがうかがえます。

 地方紙では、接戦区がいくつかあった兵庫県をエリアとする神戸新聞が、かなり遅い時間帯まで紙面製作を続けていたことがわかります。特に神戸市内や阪神地域は、全国紙との競合も激しい地域ですから、粘りに粘ったことがわかります。

2024年10月28日付 日本経済新聞大阪本社版朝刊

 今回、版違いによる変化が最もわかりやすかったのが日本経済新聞でした。上の写真は、上から12版、13版、14版、15版、16版と並べています(いずれも大阪本社版)。

日経の開票速報推移

 自公が「過半数割れの可能性」→「公算」→「確実」→「過半数割れ」と、開票状況に応じて徐々に見出しが変わっていきました。



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