■前回からの続きです。
「ウイスキーというものは、どこで誕生したのか?」について、「5大ウイスキーのうちの、どこかで誕生しただろう」と当たりをつけて、前回までに4ケ国を検証しました。
ただ、「アイルランドにも言い分がありますよ!」というところまでが前回です。
で、今回はそのアイルランド側の主張です。
■アイルランド説の根拠
まずは、「ウイスキーはアイルランドが発祥だ!」という人たちの主張を聞いてみましょう!
シンプルというか当たり前というかですが、これがアイルランド発祥説の主張となります。
で、なぜスコットランドよりアイルランドの方が、アクアヴィテの歴史が古いと言えるのでしょうか?
■アイルランド発祥説①《文献》
アイルランド発祥説を唱える人の意見の1つをを聞いてみましょう!
おお!
じゃあ、アイルランドが最古ではないか!!
しかし、このアイルランド側が主張する文献が、微妙なんです。
解説したいと思います。
■アイルランド発祥説①《文献》 疑念その1
文献を根拠にした「アイルランド発祥説」の詳細を確認してみましょう。
ぬぬ。微妙な表現・・・
証明する記録が見つかっていないのに、どうしてそんな噂があるの??
教本をもうちょっと読んでみましょう。
つまり
ということです。
②は、ネトルトンさんの書物etc.ということですね。
ただ、①の原典が確認できないので、正式な文献としては認められないのです。
ということで、正式に確認できる最古の文献としては、
となってしまうのです。
■アイルランド発祥説①《文献》 疑念その2
またこの1172年頃のアイルランド発祥説については原典が不明な点以外にも、下記のような記述もあります。
文中にある「アクアヴィタ(アウアヴィテ)」「オスケバウ(ウスケボー)」ですが、それぞれラテン語とゲール語で『蒸溜酒』を意味します。
ただ、「何を原料にした蒸溜酒」かは、このワードだけでは判別できません。
なんとなくですが、
という表現が本当だとすれば、それぞれを別物として扱っているので、
である可能性が高い気がしますが、原典がないので結論は出せないのです。
■アイルランド発祥説②
このように、アイルランド発祥説を、
『1172年前後のイングランド兵の報告』
を根拠に主張するのであれば、
ということになり、かなり厳しいです。
でも、「ウイスキーのアイルランド発祥説」には、『状況証拠』が揃っているのです。
次回に続きます!