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高卒だけどMicrosoftで本部長やってます | 1. 高卒本部長の経歴①

本記事を公開する背景はこちらの記事をご参照いただければ幸いです。

ここでは、自身のキャリアを赤裸々に公開するに至った背景が中心になっています。
ということで、ホントはとっても恥ずかしいんですが、本編のインタビュー記事はここからスタートさせていただきます! 



1-1. はじめに


本記事では、日本マイクロソフト株式会社で本部長を務める河田恭利氏を紹介する。

マイクロソフトが2024年の1月、時価総額が3兆ドルを突破し2021年11月以来の世界一に返り咲いたのは記憶に新しい。
また、日本国内や本国アメリカ合衆国はもちろん、インターネットが広く普及している国や地域であれば、「マイクロソフト」という名前を聞いたことがない人はごく少数派だろう。たとえ「マイクロソフト」という単語にピンとこなくても、ビジネスパーソンや学生であれば、「Word」「Excel」「PowerPoint」といった同社が提供するオフィスソフトを全く使用したことのない人は、ほとんどいないのではないだろうか。

同社の展開する事業ポートフォリオの幅が広いため、「何を行っている会社か?」という問いに簡潔に答えるのは難しいが、その中にあって彼がリードする「スペシャリストチーム」は、同社が提供するクラウドサービス「Microsoft Azure」の導入提案や活用を促すことがミッションであり、高い「営業力」と「技術力」の両方が求められている。いわば大勢のスーパースターが所属する「アベンジャーズ」のようなドリームチームである。

そして、世界的な大企業の本部長ともなれば「高学歴」で「高い英語力」を持ち合わせている人物を想像するのが一般的だろう。実際に、就職情報サイトに掲載されているマイクロソフトの採用実績大学には「東京大学」「早稲田大学」「慶應義塾大学」はもちろん海外の大学など、いわゆる一流大学が名を連ねている。

そんな"世界一の企業"でリーダーとして活躍している河田氏。
一般的に考えると「さぞ輝かしい学歴や経歴の持ち主だろう」と想像する人も多いと思うが、実は予想に反して、「一風変わった経歴」の持ち主である。

彼は高校卒業後、一度は地元である大阪の大学に入学したものの一単位も取得することなく2年で中退したため、最終学歴は「高校卒」。また本人曰く「英語力にも全く自信がない」とのことだ。 さらに高校時代に始めたバンド活動を大学進学後も継続し、中退後は一時期、音楽活動にのめりこんでいた「元バンドマン」でもある。

このように彼は、多くの方が想像する「グローバル企業の事業責任者像」とは全く異なる、実にユニークな「異色の経歴」の持ち主なのである。
本記事では、彼の成功や挫折、そしてどのようにして日本マイクロソフト株式会社で高い評価を受けるようになったのかを紹介する。インタビューを通して明らかになった理由にも迫っていきたい。

記事は第1章から第5章まで、全5回に分けて公開する。第1章となる本章では、主にキャリア黎明期(れいめいき)から、マイクロソフトへ入社するきっかけとなった出来事までを振り返り、"異色のキャリア"の成り立ちに迫っていく。

1-2. 自身のキャリアに興味を持つ人は多い


 河田氏は現在、世界最大級のビジネス特化型SNS「LinkedIn」にて、「高卒で英語が苦手、でもMicrosoftで本部長やってます」というキャッチコピーでプロフィールを公開しているが、これが多くのユーザーの目に留まり、1on1セッションの依頼が継続的に後を絶たないそうだ。

 多忙な中でもオーダーがあれば、可能な限り時間を作りセッションに応じている彼だが、実際に面会した人たちの反応は次の3パターンに分類されるという。

(1)感心
・世界一の企業であるマイクロソフトの「本部長」というポジションや、高いレベルの仕事をしている(であろうと想像できる)ことへの「リスペクト」
・学歴や言語のハンディを乗り越えて活躍していることに対する「感心」。

(2)嫉妬
・世界的な大企業の要職を務めていること(社会的立場)への嫉妬
・高待遇を受けている(であろう)ことへの嫉妬

(3)疑問
・最も多い反応として「なぜ入社できたのか?」「なぜ評価されプロモーション(昇進)できたのか?」など一般的なキャリアパスとは異なる彼の経歴への疑問や興味など、様々な質問を投げかけられる

感心とは彼が直面した障害を克服したことに対する敬意と賞賛であり、「困難を乗り越えキャリア形成に成功した象徴」としてユーザーにインスピレーションを与えた結果である。
この反応を見せるユーザーは自己成長意欲が高く、彼のキャリアに刺激を受けて自身を奮い立たせるためにセッションを申し込んだ方が多いのではないだろうか。

嫉妬は、ある意味最も自然な反応であるとも考えられる。
例えば、現状に不満を抱えているビジネスパーソンの多くが、「自分より学歴が低く社会的地位が高い人」に対して「嫉妬」の感情を抱くのは、ごく自然なのではないだろうか。

また、彼の“異色のキャリアパス”に対して理解が及ばず、「ただ不思議に」感じる人は、少なからずいるはずだ。単なる興味・関心だけでなく、自身のキャリアの参考にするために質問を投げかけるケースも多いのではないだろうか。

これは、「学歴や英語力だけが成功の決め手ではない」ということを示す好例だろう。彼のように、自身の市場価値を高め、努力を惜しまない姿勢は、多くのビジネスパーソンにとって参考になるはずだ。

1-3. 経歴を記事として公開する理由


河田氏は大阪の下町で生まれ育ち、高校卒業後、大阪府内の私立大学に進学した。その後、2年で大学を中退し、バンド活動、スタートアップの創業に携わり、いくつかの事業会社を経て、現在は日本マイクロソフトの本部長として活躍している。

世界的な一流企業の事業責任者として多忙な日々を送る河田氏だが、「自身の異色のキャリアを記事にまとめ、多くの人に知ってもらいたい」という思いから、今回の取材に応じてくれた。

河田氏は、日本マイクロソフトに入社してから、国内外の一流大学や大学院を卒業した高学歴者やMBAホルダーなど、これまでの人生では全く接点がなかった人たちと出会う機会が多いそうだが、彼らと接する中で気づいたことがある。

「周囲から成功者と思われているハイスペックなビジネスパーソンであっても、"仕事に対するフラストレーション"や"将来のキャリアに対して漠然とした不安"を抱えている人は、意外に多い」

そして彼は、自身の経歴を公開する理由を次のように語っている。

「日本国内の大学進学率が50%を超える中、最終学歴が“高校卒”であり、突出した能力やバックグランドがない私が、“なぜ現在の立場を任せてもらえているのか”、疑問に思う方も多いだろう。
また、世の中には現状の仕事に不満を抱える若手社会人、就職活動やこれから社会に出ることへ漠然とした不安を感じる学生など、キャリアに「不」を感じている方が大勢いる。
そこで私は、自分がこれまで歩んできたキャリアを振り返り、“挫折”と“成功”、実践してきた“考え方”を公開し、将来に漠然とした不安を抱える人々に知ってもらうことで、それぞれが明るい未来を切り開くことに少しでも貢献したいと考えている。


(次回、1-4 へ続く


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