見出し画像

チームで働くときに意識しておきたい、「ハンロンの剃刀」の話

いつからか、仕事をする上でいつも意識していることがあって、最近それを表した言葉があることが分かりましたので紹介します。

それが「ハンロンの剃刀」。

Wikipedia によると、こんな説明がされています。

Never attribute to malice that which is adequately explained by stupidity.
無能で十分説明されることに悪意を見出すな

例えば、ある製品に欠陥が見つかった場合、(大抵の場合、一般論としては)それは製造した企業が無能であるか愚かであるということを示しているのであって、消費者を困らせるために企業が悪意を持って欠陥を忍ばせたわけではない、という考え方を示すのに用いられる。

仕事をするといろいろな人と接して、嫌な気持ちになることもあると思うんですよね。例えば、依頼した仕事を満足にやってくれなかったり、自分に不利益を被ることをされたり。

この嫌な気持ちを持ったときに、なかなか感情って制御できないもので、たいていの場合は「こんなことをするなんて、なんて嫌なやつなんだ!」と相手に悪意を感じてしまいます。

でも、実際はほとんど悪意がある場合って、ないです。

たぶん多くの人は経験があると思うんですが、嫌なやつだと思っていた人が、飲み会で話したら意外と良いやつだったみたいな。そうすると、「あれ?あのとき嫌なやつだと思っていたのは間違っていたかな?」と思うでしょう。

これは認識が間違っていたと言うよりも、行動や結果を、人柄と結びつけ過ぎてしまっているのが原因です。

何か嫌なことをされたときって、図にするとこんな感じ。

画像1

相手の人柄や能力や、持っている情報や環境、立場などが、行為や結果を引き出します。それによって、自分はなんらかの感情を抱いて、それによって相手への自分の認識が決まります。

そのときに、嫌な感情に引っ張られて、過剰に相手の人柄を決めつけないほうが良いということです。

図でいうと、行為・結果から自分の「嫌だなぁ」という感情が引き出されたのは事実です。ここはそのままで良いのですが、行為・結果に「悪意」があったかは単純に結び付けられないし、何より経験則からいうと悪意があるケースは相当に少ないです。

それよりも圧倒的に、環境や立場や能力が要因として大きいです。ここがハンロンの剃刀の話と似ているなぁと思ったんですよね。何か嫌なことが起きたときに、それは悪意ではなくて無能だったから起こることのほうが多いのです。(もしくは、逆の立場から見たら適切なこととか)

僕がハンロンの剃刀を意識する理由

おそらく、相手の人柄に要因を持ってきてしまうと、ケンカするしか解決策がなくなっちゃいます。仮に相手が嫌なやつで自分に対して悪意を持って接してきていると、その悪意を取り除くのって相手の性格を変えるか自分が畏怖の対象になるかとか、そんな感じのすごく遠回りなことをしないといけないです。

でも、その自分にされた嫌なことが能力や環境や立場が原因だったら、仕組みを変えたり接し方を変えることで、割と簡単に改善できる可能性があります。対話をしてみることで、相手の意思決定が変わることもあります。

そのため基本的には相手の人柄を疑わず、能力や環境や立場が原因だと疑ったほうが、自分の心持ちとしても立ち回りとしても得することが多いのです。

例外

ちなみに、これはいいやつに囲まれた状況で仕事をする場合に限って有効です。まれに本当に悪意を持っているケースもあります。分かりやすいケースでいうと、いじめだとか。

その場合はもう、頭を切り替えるしかありませんね。戦争です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?