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営業企画をする上でのおすすめ 6 つの本

これまではセールスのクロージングするチームのマネージャーだったのですが、7月からセールスプランニングというチームも担当することになりました。セールスプランニングについては以下の工藤さんの記事に詳しく書かれています。

セールスプランニングのやる領域は、どこの会社もそうだと思いますが非常に広くてふわっとしていて、大変です。何をやるべきかが定まっていないため、セールスに貢献できることを自分で考えて実行しないといけない。

そんな中で、僕がこれまで読んだ中で参考になりそうな本をまとめてみました。タイトルは「営業企画」としていますが、別に営業に限った話ではなくて、企画職という「課題を発見して解決する」すべてにおいて通じる部分があると思います。そのため、具体的な方法論ではなくて、根底に流れる考え方みたいな部分で良い本を選んでいます。


論点思考 / 内田和成

こちらは前職で企画を考えるときに、元 BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)の同僚から教えてもらった本で、超絶参考になったのでそれから何度も何度も読み返しています。10 年以上前の本ですが、たぶんあと 50 年ぐらいは色褪せない名著だと感じています。元 BCG の日本代表だった内田和成さんの著書。「論点」を解説した本でいうと、「イシューからはじめよ」などが有名ですが、そちらと言っていることはほぼ同じです。

論点って言葉だけ聞くと分かったような分からないような感じですが、これを読むと企画をする上で一番重要な「何が論点か」を考える枠組みが理解できます。そして、全くこういった考え方を知らなかった人からすると、これまでの自分の考えの浅さに衝撃を受けるかもしれません。(僕がそうでした)

一見堅そうな本ですが、豊富な事例とともに「自分の日々の業務だったらこうだよな」と置き換えて考えやすいです。


筋の良い仮説を生む 問題解決の「地図」と「武器」/ 高松康平

論点思考が考え方の本だとすると、それをもっと具体的な日々の業務に落とし込むにはどうしたらよいかが書かれたのがこちらの本。「論点って言っても何から考えてよいかわからん!」って人に、具体的なステップに沿ってどう進めるかが詳細に書かれています。

具体的には、 現状分析→問題認識→情報収集→課題抽出→解決策の方向性→アイデア創出→評価 に沿ってやるべきことが解説されます。

この本のすごいところは、ある程度の網羅性を持ちながら、類似の他の本に比べて抜きん出てわかりやすいところです。

ちなみに You Tube でも解説されていて、こっちでも耳で聞きながらなんとなく内容を把握できそうです。


良い戦略、悪い戦略 / リチャード・P・ルメルト

これまでの論点の話に比べて、もう少し大きな枠組みとして「戦略」について書かれた本です。戦略って言葉はいろんな人が好き勝手語っていますが、この本が一番核心を捉えているとともに、読み進める中で「うわー!」と身悶えする厳しい指摘が多いです。以下の第3章に書かれた「悪い戦略の四つの特徴」だけで、この本が正直で信頼が持てる、かつ問題に正面からぶつかった本であることが分かると思います。

空疎である - 戦略構想を語っているように見えるが内容がない。華美な言葉や不必要に難解な表現を使い、高度な戦略思考の産物であるかのような幻想を与える。

重大な問題に取り組まない - 見ないふりをするか、軽度あるいは一時的といった誤った定義をする。問題そのものの認識が誤っていたら、当然ながら適切な戦略を立てることはできないし、評価することもできない。

目標を戦略ととりちがえている - 悪い戦略の多くは、困難な問題を乗り越える道筋を示さずに、単に願望や希望的観測を語っている。

間違った戦略目標を掲げている - 戦略目標とは、戦略を実現する手段として設定されるべきものである。これが重大な問題とは無関係だったり、単純に実行不能だったりすれば、まちがった目標と言わざるを得ない。


決断の本質 ― プロセス志向の意思決定マネジメント / マイケル・A・ロベルト

これまで紹介した本が「論点」とか「戦略」みたいな上層の考え方を示したものですが、何を決めるかよりどうやって決めるかにフォーカスした本です。おそらくマネジメントやリーダー向けの本なんですが、営業企画でも非常に参考になる部分が多いです。営業企画ってアイデアを出すだけでなくてそれを納得して実行してもらうことが重要で、その成功には自分の手を離れたものを他の人が納得して遂行してもらえるかが大切になってきます。

意思決定が成功するかどうかは、意思決定の質と、決定された行動方針を推進する際の実効性の関数で決まる。意思決定の質とは、リーダーが他の選択肢よりも効率よく組織の目的を達成できる行動方針を選択することである。また、推進の実効性とは、組織が選択した行動方針の実行に成功し、意思決定の目的を達成することである。
そして、リーダーが適切な意思決定を行い、それを円滑に実行できるかどうかは、意思決定に至る過程で、性格の不一致や政治的・社会的な圧力などの荒波が襲いかかる海を航行する能力で決まる。これが本書のテーマだ。

ちなみに、本書は一つ難点がありまして、内容が小難しいため読むのに時間がかかることです。僕は今回紹介する本では一番時間がかかりました。ただ、読んでいる最中もずっと自分の日々の業務を思い返して考え込むことになってしまうぐらい、良い本であるのは間違いないです。


逆転交渉術 まずは「ノー」を引き出せ / クリス・ヴォス

先程の本で、「営業企画はアイデアを納得して実行してもらうことが重要」と書きましたが、そういったコミュニケーションでこちらの本も参考になります。ちなみに、この本はナイル株式会社の社長の高橋飛翔さんのstand.fmで紹介されていて知りました。元FBIの交渉人が書いた本です。

交渉術を社内に持ち込むというと、なんかとても嫌な感じに捉えられがちですが、非常に重要だと思っています。結局は何かをやるときに社内全員が賛同するなんてことは稀で、時には / しばしば / 多くは 社内で反対されるケースもあります。また、立場によって利益が相反してゼロサムゲームのような話し合いになるケースもあります。そんなときに、どうやって折り合いをつけるのか、結論よりも先に自分という存在の反対派になってしまった人に対して、どう説得して妥結を図るのかを考える上で参考になります。

さきほどの「決断の本質」が読みづらいという話をしましたが、こちらは逆に読み物としておもしろく、とびきり読みやすいです。


ロジカル・ライティング―論理的にわかりやすく書くスキル BEST SOLUTION―LOGICAL COMMUNICATION SKILL TRAINING / 照屋華子

最終的に企画というものを形にする際には、文書に起こすことが絶対に必要です。その際に参考になるのがこちらの「ロジカル・ライティング」。MECE だとか Why So? とか耳にタコができている人も多いかも知れません。しかし、基本的なことを網羅性をもって、分かりやすく質が高いものとしては最高の本だと思っています。また、タイトルはライティングとなっていますが、実際にはロジカル・シンキングについて語っている部分が多く、つまりはロジカルに考えることこそが、伝わる文書を作ることにもつながるのだと分かります。

自分の文書がなんで分かりづらかいんだろうというモヤモヤがある人は、この本を読むと腹落ちできると思います。また、同様に他の人の文書をレビューするときも、どこを改善すべきかポイントが分かるようになります。


以上、これまでに自分が読んだ本を並べみました。なにかの参考にどうぞ!




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