エッセイ「モト冬樹の泣き顔」
中学三年生の頃である。
卒業写真の個人撮影の日に、クラスメイトの不良っぽい男子生徒がいざカメラマンを前にしてもくすりとも笑わない。「お願い!ちょっとだけでいいから口角を(><;)」とカメラマンが指示したり、彼の友達も当時の流行りのギャクや変顔をしたり笑かそうとしていたが、頑なに笑わないように耐えていた。
私もその笑かしに参加したくなり、不意の隙にボソっと「モト冬樹の泣き顔…」と言ったら、なんと彼は笑ったのだ。破顔キターーーーーー。
私も嬉しかった。他者が自分の行いで笑ってくれ