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アメタ物語 ~序章・モリモト編~

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隔月で行なっているイベント「アメージング・アメタ」で朗読している小説です。現在執筆進行中。500円で最後まで読めます。
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#なつかしい

14.アメタ物語 〜序章・モリモト編〜

 場所は学校の校門の外。つかみ合いになる前に背負っているランドセルをつかんで振り回すというところから始まって、相手の隙を見て腕をつかんで振り回す。とにかく子どもなのでまだ殴ったり叩いたり蹴ったりということができずに、振り回すというだけという遠心力に頼った戦法だけで展開する傍目から見たら遊んでいるように映るようなケンカだった。

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13.アメタ物語 〜序章・モリモト編〜

 イイジマ君は今なにをしているだろうか。ふいに記憶のスクリーンに人なつこいおじさんのような子供の笑顔が映る。
 そもそもイイジマ君は本当に存在した子だったっけ?

 小学生のころにすでに一人暮らしをしていて、すこし年が離れた美人のお姉さんがいて、喧嘩の仲裁が上手で人づきあいが良くて、煙草をうまそうに吸っていた。50ccではあったけれど、オートバイにも乗っていた。そしてすこし浮浪児の風格を漂わせてい

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5.アメタ物語 〜序章・モリモト編〜

 モリモトの熱意はついにキリコちゃんではなく彼女の母親に通じたらしく、モリモトは幼稚園から帰ると毎日のように平山家に招かれ遊びに行き、自宅では飲んだことが無いような飲み物、例えば紅茶きのこやヨーグルトなどを彼女の母親からごちそうになった。

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3.アメタ物語 〜序章・モリモト編〜

 幼稚園の頃のモリモトの住む地区は、平屋の賃貸住宅と建て売りの二階建てが未舗装のじゃり道をはさんで向かい合って建つ所謂「新興住宅街」と呼ばれていたが、街と言うほどではない路地だった。 

 住人の転出や転入やそれに伴う立て替えや増築取り壊しなどを経た現在でもその形態は基本的に変わっていないはずだ。
 モリモト家は二階建てのちょうど真ん中あたりに、まだ30歳を過ぎたくらいの働き盛りだった父親が長期ロ

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2.アメタ物語 〜序章・モリモト編〜

 当時大変な乾燥肌だったモリモトは風呂上がりに母親から全身に保湿用のニベアを塗られていた。例に漏れずニベアの匂いの魅力も強烈なもので、ニベアの匂い嗅ぎたさに嫌いな風呂にも毎日入っていた。
 
 ある朝、幼いモリモトは計画を実行する。

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