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竹生島へ 8

竹生島巡りの続きです。

唐門に辿りつきました。
大坂城の極楽橋が巡り巡って、竹生島にやってきたとされています。
秀吉の栄耀栄華が伝わってくる圧巻の姿です。

桧皮葺、建物全体を総黒漆塗りとした上に金鍍金の飾金具が散りばめられ、虹梁中央の蟇股の周囲には鳳凰や松・兎・牡丹の彫刻を、二枚の大きな桟唐戸や壁には牡丹唐草の彫刻を極彩色塗りとして飾っています。豪華絢爛と言われた桃山様式の『唐門』の代表的遺構です。

竹生島・宝厳寺 〜西国三十番札所〜 宝厳寺探訪(唐門)

今回目についたのは、クリスマスカラーの牡丹唐草です。

牡丹唐草
大輪の牡丹のはなをの周囲を唐草風の葉でつないだ古典的な意匠。

並木誠士「日本の伝統文様」東京美術
装飾彫刻で牡丹は、芙蓉、バラ、蓮など、他の花と間違えられやすいそうです。
内緒話。
牡丹か別の花か、判断に迷う時、決め手になるのは、葉の形。
牡丹の葉は三つに分かれるか、唐草になるそうです。
青いグラデーションの葉と金色の主脈。いさぎよい配色。
金色の牡丹と対。
牡丹は花王。富貴、高貴の象徴。
蕾がまるいのも牡丹の特徴。
奔放に咲いているなあ。
ひらきかけが美しいといった発想はなさそうです。
咲き誇ってこそ牡丹!

牡丹は、動物と組み合わせることが多いそうです。

唐草と組み合わせた牡丹唐草文は、中国宋時代の陶磁器に多用されたことから、日本でも陶磁器文のひとつとして定着し、織物にも取り入れられた。そのほか、獅子と組み合わせた獅子牡丹、蝶と組み合わせた蝶牡丹などが吉祥をあらわす文様として広く知られている。

並木誠士「日本の伝統文様」東京美術
極彩色の世界の中で、翼と尾羽が、繊細でリアル。
嘴を開いています。
左右で阿吽なのでしょうか。
嘴を閉じています。
松に止まっています。
こちらは飛んでいるようです。
また別の鳥。
獅子さん。眉毛が立派。

唐門を見ていたら、周囲がざわつきだしました。
何事かと思っていたら、トンビが屋根のてっぺんにとまりました!

建物の一部になりきっていますねー。

続きます。

おまけの話

巳白さんと牡丹の文様について、下記記事のコメント欄でやりとりをしたことがあります。

この牡丹、さんさ踊りの花笠によく似ています。
きっともとは同じですよね。
花びらに針金が埋め込まれていて、花の開き具合を調節できるようになっています。
あっちこっちでぐるぐるつながっているようで、分け入りたくなりますね!

Chappy

この牡丹に着目とはなかなかお目が高い!
私もこの形には何かひっかかるものを感じてるんですよね…
社寺の現場に行くと、そこの地域のお祭りの話とか出るんですがなかなか手がまわらず味わえていなかったんです。

社寺単体でデザインがあるわけもなし、舞いや踊りや山車屋台や色々、つながりに気付けたら楽しいですよね(*’▽‵)

着々と広がる図像の輪です(笑)

巳白さん

それが、竹生島で、こんなにたくさんの牡丹に出逢うとは、思いませんでした。

波兎、そして牡丹。
まさに図像の輪が広がっています。

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