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2通のメールから。大地の恵みを編み、贈るということ。

私が三つ編みを編む間、端を持っていてくれる? 手と手をスイートグラスでつなぎ、頭と頭を寄せ合って、地球を讃えるための三つ編みを一緒に編んでくれる? そうしたら次は、あなたが三つ編みを編む間、私が端を持っていてあげるから。

ロビン・ウォール・キマラー著「植物と叡智の守り人」築地書館

スイートグラスは「甘い香りがするマザー・アースの髪」。
北米先住民が聖なる植物として大切にしてきた、自然からの贈り物。

スイートグラスで三つ編みを作る時には、一人より、編む、持つ、の役割を交替しながら、二人で編んだほうが楽しい。
贈り物は、誰かが誰かに贈り、誰かが受け取って終わるものではない。
贈られたら、感謝を持って返すべきもの。
豊かな関係を育みながら、循環し、続いていくもの。
自然と人間の間でも、人間同士でも、それは同じ。

北米先住民の贈与の思想を伝える印象的なスイートグラスの逸話から「植物と叡智の守り人」は始まります。

ながつきかずさんが紹介していたこの本。
ずっと気になっていて、ようやく読み始めました。


夜中に目が覚めて眠れなくなり、何気なくメールをチェックしたら、新着メールが2通届いていました。

1通目は、手編みのモグラグラブを贈った友人から。

 noteの記事を読んでいたら、
 あら?これ、私のこと?
 としか思えない内容が書いてある。
 まさかね、と思いつつ帰宅したら、モグラグラブが届いていた。
 やっぱり記事に書かれていたのは私のことだった!

そんな内容のメールでした。
まさか記事を読んでくれているとは思わず、勝手に書いてごめんね。
でも喜んでくれて嬉しかった。

小さな贈り物に込めた気持ちを、大事に受け止めてくれた友人。
旅先にいる私に、グラブを編んだ毛糸を贈ってくれた先輩。
そして私。
我々3人は、同じオフィスで仕事をしたことはないけれど、今、スイートグラスの端を持ちあいながら、3人で三つ編みを編んでいるような錯覚に陥りました。


2通目はかずさんから。

とても遅くなったけれど、本を読み始めました、と記事に残したコメントへの返事でした。

かずさんは今、スイートグラスの種を蒔き、芽吹きを待っているそうです。
寒さを経験して初めて芽吹くスイートグラス。
発芽率は決して高くはないけれど、一旦根を張れば、強い生命力で大地を覆う。

カナダの地で、自然や人とあたたかくつながりながら日々を過ごされているかずさんは、誰と一緒にスイートグラスの三つ編みを編むんだろう。
記事やコメントを通じて、カナダと日本の間が、目に見えないスイートグラスでつながっているような気持ちになりました。

まずは無事に芽吹きますように!


夜中に受信した2通のメール。

大地の恵みを編み、贈る、という共通の行為で結ばれて、さらにその先へ広がっていくような不思議な感覚に襲われて、その夜はさらに眠れなくなってしまったのでした。

「植物と叡智の守り人」。
毎日少しずつ、大事に読み進めています。


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