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早緑のちょっとまえ:植物の叡智

まだライトダウンが必要な朝である。
最低気温はマイナスになっていたかもしれない。

大丈夫、冬を越せるから

ご近所のガーデン仲間、仲間というより師匠のブライアンから野菜畑に植えるニンニクをもらった。
昨秋11月のことである。
極寒ではマイナス30Cに落ち込むカナダ湖畔の家の裏庭。

今植えちゃって大丈夫?

12月になれば土が固く凍って掘り起こせない。
ニンニクをもらってすぐ、ひとかけずつに分け、それらをひと並びに植えた。不安に思いながらもブライアンの言葉を信じて。

そして先日、4月も半ば過ぎカナダに戻ったら


ニンニクたちの芽が出てる!
ちゃんと一列に行儀よく。
季節はまだ樹木が早緑になるちょっと前である(ヘッダー写真)
それなのにニンニクたちときたら、早くもこんなに緑の芽(茎?)を伸ばして!

ウキウキした足取りで裏庭を巡る。

毎年、何よりも早く収穫できるルバーブからはすでに柔らかい葉が。

こちらはラズベリー

そしてワイルドリーキ

実はこれらは去年、湖畔の家の間借り人のEが、親戚の住む裏山に野生のリーキ(Wild leeks あるいはWild ramps)がたくさん生えているというので、リーキ狩りに連れて行ってもらったのだが、そのいくつかを食べずにおいて植えてたものである。
しかし夏を過ぎたころにはすっかり姿を消てしまっていた。
根がつかなかったとばかり思っていたのに、地中でちゃんと準備をしていたのだ。

そして裏庭で真っ先に確認したのはリンゴの木たちである、もちろん。


産毛をまとった芽!
よかった!
昨秋少し強めに剪定しバーラップというカバーをしてリスなどの野生動物から守っておいた。


植物たちはそれぞれにその時を知っている。
スマホのアラームが鳴るわけでもないのに。
ちゃんとその時が来たら芽を出して。
あるものは早緑になって。
たまには時差ぼけ中の私みたいなお方もいるかもしれないけれど。


カナダに持ち帰る日本の本にこれを加えていた。
分厚いので迷ったが、キャリオンバッグに入れて空港でも読んでいた。

著者はネィティブアメリカンの植物学者
先住民たちの自然とのかかわり

西欧の伝統では、生き物たちには序列があり、もちろんその頂点に人間がいる・・(中略)だがネィティブアメリカンの考え方では、人間は「創造主が作った年下の兄弟」と呼ばれることが多い。生きる、ということについて人間はいちばん経験が浅く、学ぶべきことがいちばん多い、だから他の生き物たちを先生として、教えを乞わなければならない、と言うのである。彼らの叡智はその暮らし方を見ればわかる。彼らは私たちに手本を示すことで教えてくれる。彼らは人間よりもはるかに昔からこの地球に暮らし、色々なことが分かっているのだ。

植物と叡智の守り人 / ロビン・ウォール・キマラー

生きることに経験豊かな植物たちと過ごす
ステキな夏が来る予感。

そういえばニンニクの芽たちはお行儀よく一列に並んでいると思っていたら、あれれ?
ポツンと離れたところにひとつ。

ひとつだけ引っこ抜かれていたなら、大体誰の仕業か想像つくのだが(クロリス?)、またちゃんと埋められてるってどゆこと?

日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。