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竹生島へ 3

前回の記事の続きです。

観光船は、竹生島に到着しました。
デッキにかぶりつきで湖面を眺めていた私は、港で相方さんと娘に落ち合いました。
「麦畑の人から着信がきているよ」

今回の旅の緊急連絡手段として、annonさんと連絡先の交換をさせていただいていたのですが、黒壁スクエアの伝言を確認したannonさんがお電話をくださったのです。

相方さんと娘が、近くのカフェで飲み物を買おうと行列に並んでいる間、私はannonさんにコールバックしました。

初めて聞いたannonさんの声は、記事と同じように陽気に笑っていて、おおらかで、豪快でした。
そして。
「あ、やっぱり男性だ」

annonさんの記事を読み始めたころ、記事の端々から感じる優しさと明るさから、30代くらいの活動的な女性だと思い込んでいました。
ところが忘れもしない、記事中の衝撃の一文。
「私が少年だったころ」
思わずコメント欄に「あなたは男性なのですか?」と書き込んでしまいました。

男性のannonさんから、肯定の返事があり、なかなか女性の脳内イメージを払拭できない私に
「Chappyさんは、早く男の私に慣れてくださいね」
とたびたび追撃されていたのでした。

「島をおりるとすぐ、カフェがあるでしょ?
 その店のマスター、私の友達。」
「えー?店の名前はなんていうんですか?」
「名前はなんだっけなあ、ほらカフェあるでしょ?」
「どれですか?
 えっと、近江牛まんと書いてあるカフェがあるんですけど」
「それ!」

本当に?

その店で、相方さんと娘は既に飲み物をゲットしていました。相方さんはカフェラテ。娘は抹茶ラテ。どうやらドリンク片手に快適に島をまわろうという計画のようです。

店の情報が曖昧な上に、店には店員さんが複数います。
マスターはどの人?
まあいいや。ものは試し。聞いてみよう。
間違ったらにっこり笑って、ごめんなさいと退散しよう。

きっとこの人、と私が勝手にマスター認定したお店の方に声をかけてみました。
いきなり話しかけられて、マスターは驚かれたようです。

「ああ、知っていますよ。
お隣の自治会の方です。
お隣なのに全然お目にかかる機会がないんですよね。
よろしくお伝えください。
わざわざご丁寧にありがとうございました。」

はい、大当たりでした。
でも、私、神奈川から来ているんです。それにannon さんにお目にかかったこともありません。
お隣の自治体にお住まいの方からの伝言を、私がお伝えするんでしょうか。
なんだか空間がゆがんでいる気がします。

続きます。

おまけの話

相方さんと娘曰く、この店のドリンクはとてもおいしかったそうです。
ちょっと行程を先取りして本堂の写真です。
空を飛び交うトンビに向かい、娘は
「私の抹茶ラテはあげません」
と言っていました。

抹茶ラテはあげません、とカップを空に向けて見せびらかす娘と
おあずけをくらったトンビ。見えますか?

竹生島に行かれる際は、どうぞご利用ください。

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