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防御姿勢の三葉虫

化石記事シリーズの最終回は、三葉虫です。

Phacops[三葉虫(防御姿勢)]
・モロッコ南部
・古生代デボン紀 約3億9,000万年前

あまりによく知られた古生物。
備忘録的に、面白いなぁ、と思ったことを書きとめます。

三葉虫は、古生代、およそ3億年にわたり、世界中の海で生きていた節足動物。胴体が、軸部とその左右の肋部の3つに分かれていることから三葉虫と呼ばれます。

肋部の下に脚が何本もはえています。脚は化石としては残りませんが、カナダにある有名な化石地層バージェス頁岩で、肢が残っている標本がわずかに確認されました。

体長1~10センチメートル程度のものが普通で、写真の化石も3センチほどですが、中には70センチもの大型なものもあるそうです。

三葉虫は、脱皮しながら成長し、脱皮殻の化石も見つかっているそうです。ということは、一匹の三葉虫が何度も殻を脱ぎ、複数の化石を産出する可能性もあるということになります。
前の記事で、化石にになりたい人の夢を実現?するために書かれた「化石になりたい」という本をご紹介しましたが、一個体が、複数の化石を量産できるとは、化石になりたい人にとっては、うらやましい話でしょう。

胸部には節があり、脱皮を繰り返しながら、尾の方から節を増やします。節の数は種類によっておおよそ決まっており、一定数に達した後も脱皮を繰り返しながら大きくなっていきます。

この節は可動で、体を二つに折るものや、丸くなるものも多く、丸まった姿勢の化石も発見されています。上の写真の三葉虫も、丸まっていて、防御姿勢をとっています。この姿勢は、腹の軟体部を守っていると言われています。防御姿勢をとれない種もいたようです。

三葉虫は、もう存在しない生物ですが、化石だけで、よくこんなにいろんなことがわかるものだと感心してしまいます。


化石シリーズの記事を書いている最中に、ジョーさんが、隕石の記事を投稿されていました。

よく考えたら、化石だけではなく、隕石も、さらには、地面に転がっている石ころさえ、宇宙の活動や地球の地殻変動などによって、昔々生み出されたものです。一連の化石の記事を書いていて、そんな当たり前のことに気づいた次第です。


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