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光るアンモナイト

最近、ちょっと驚きのプレゼントをもらいました。
化石です。
古生物学を専攻していた大学時代の友人からの贈り物です。

学生の頃にも、彼女が発掘した化石をもらったことがあります。
美しい木の葉の化石で、独り占めするのはもったいないと思い、化石好き人に会うたびに、少しずつプレゼントしていたのですが、先頃、最後の貰い手があらわれ、私の手元からなくなりました。

感謝を込めて、そのことを友人に報告したら、またあげますね、と、小さな化石がいくつも送られてきました。
これらもまた、数十年かけて、すこしずつ周囲の人の手に渡り、化石ファンを増やしていくのでしょう。

贈られてきた化石たちの中から、相方さんは七色に輝くアンモナイトを取り出して、
「きれいなものだねぇ!」
と、感嘆していました。

Desmoceras sp.
・マダガスカル, マハジャンガ地方
・中生代白亜紀前期アルビアン期(約1億1,000万年前)

アンモナイトが七色に光る現象はイリデッセンス(iridescence)と言われ、ギリシャ語の虹が語源です。

七色に光るアンモナイトは、殻の表面が、何重ものアラゴナイト層とキチン層で形成されており、この多重構造によって分光し、七色に光ります。真珠やシャボン玉が七色にに光るのも、同じ原理によります。

この多重構造は、アンモナイトが生きていた時に持っていた、殻の表面の薄い構造が保存されている場合にのみ見られます。
上の写真は、一億年以上前に生きていたアンモナイトですが、これだけの長い期間、条件に恵まれて多重構造が保存されてきた化石ということになります。


つい最近、以下の本を読みました。

「化石はどうやってできるの?」
「私も化石になれるの?」


特に後者の希望に応えるべく、希望のタイプの化石になるにはどうすればいいかを、一冊かけて解説した本です。読み進めるうちに、化石になる方法を、さらに化石の種類や成り立ちまで学ぶことができます。

化石になれるなら、どんな化石がいい?

うーん、写真のアンモナイトのように、きれいなものがいいかな。
私は、そんなことを考えましたが、この本を読んだ、私の友人(化石をくれた友人とは別)は、こう言いました。

この本を読んで、私は自分が化石になりたいのではなく、恐竜の化石になりたいのだとわかりました。

想像を上回る壮大な希望です。
彼女は化石になる前に、まず恐竜にならなければなりません。

化石はいろんな夢や希望をかきたてます。


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