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旅、10日目 黒田清輝

旅、9日目です。

「お待たせしました。」
という決まり文句と共にやってきて、処置室に案内してくださるスタッフさん。
今日は
「こんにちは。」
と笑顔で迎えてくれました。
いつも小走りで忙しく、必要最低限の言葉しか交わせないけれど、
「脚の位置、大丈夫ですか。」
「お疲れ様でした。」
と、気遣う表情や言葉が混じるようになりました。そうなると、こちらも、この人たちに安心してお任せしよう、という気になってきます。
毎日挨拶と御礼を繰り返したのも、少しはよかったかな。


治療を終え、マンションに帰ります。
途中の電車通り沿いに、画家の黒田清輝の史跡があります。

手前が黒田清輝の生誕地記念碑。
奥のバス停手前に、黒田清輝、桜島の噴火を描く、の像。
1866年、鹿児島市東千石町で誕生。

1914年、鹿児島に滞在していた黒田清輝は桜島の大噴火に遭遇し、一連の桜島爆発図を残しました。上の像は、噴火中の桜島をスケッチするため、弟子と共に鹿児島港に向かう姿です。

黒田清輝といえば「湖畔」のイメージが強く、こんな作品を描いていたことを初めて知りました。「噴煙」「噴火」「溶岩」「降灰」「荒廃」「湯気」からなり、鹿児島市立美術館に所蔵されているそうです。

ここは、桜島と共に生きる土地なんだと、あらためて感じました。


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