見出し画像

【銘柄分析】eMAXIS Neo自動運転 #7

こんにちは、chapiのすけです。

今日は、個人的に応援しているeMAXIS Neoシリーズの自動運転(以下、Neo自動運転)について分析してみましたので記載します。

eMAXIS Neo自動運転とは

Neo自動運転はeMAXISシリーズでおなじみの、三菱UFJ国際投信社が運営する投資信託です。S&P傘下のKENSHOテクノロジーズが設定するインデックス、S&P Kensho Autonomous Vehicles Indexへの連動を目指します。

Neoシリーズの概要については別noteにざっくりまとめてありますのでよろしければご覧ください。

S&P Kensho Autonomous Vehicles Indexとは

その名の通り、自動運転関連技術を扱う企業を集めたIndexです。2020年11月末時点で22銘柄が組み込まれています。上位10銘柄とその組入れ比率は以下の通りです。

画像1

ちなみにINDEXではありますが、S&P500のような時価総額加重平均型のINDEXと異なり均等型指数となりますので、時価総額の多寡に関わらず組入れ比率が等しくなるよう定期的にリバランスされます。11月はリバランスが行われた月ですので比率に大きな差はまだないです。

参考までにリバランス直前の10月末時点の上位10銘柄の組入れ比率は以下の通りです。

画像2

GMやFといった成熟企業と成長企業の値動きが等しく影響しますので、Indexとは言いつつ準アクティブ型指数ぐらいに捉えておいた方が良いと思います。銘柄数も22と少ないのでボラティリティは高いといえます。
#要はほったらかしは危険ということですね。

ちなみに逆に言えば、昨年のTSLAやNIOといった暴騰銘柄の恩恵を受けることも可能なのでハイリスクハイリターン投信と言えます。
上位銘柄の1年リターンを比較すると明らかです。TSLAとNIOがスゴ過ぎて他がまな板状態ですw

画像3

※組入れ上位5銘柄の1年リターン比較

パフォーマンス~1年リターン~

Neo自動運転の1/8時点1年リターンは+131.43%でした。投信としては素晴らしい成績です。
なお組入れ上位10銘柄の1年リターンは下記の通りです。

画像4

TSLAとNIOが際立っているのですが、その他の銘柄も悪くはないです。F以外はSPYをアウトパフォームしています。

見通し~2021年における投資~

※以下の内容は個人的見解であり、記載の銘柄への購入を推奨するものでも、利益を保証するものでもありません。投資は自己責任で!

2021年の投資でNeo自動運転「あり」か「無し」かで言うと、私は「あり」だと思っています。ただ、その人の投資スタイル、リスク許容度次第です。なお、この投信が今後伸びるかは以下の3つのポイントだと思います。

・TSLA,NIOの上昇が引き続き見込めるか
・TSLA,NIO以外のグロース銘柄の上昇が見込めるか
・成熟企業が現在の株価を維持できるか(あわよくば上がるか)

・TSLA,NIOの見込みについて
既に色々な方が予想しており、かつ賛否両論ですが、私は(2020年程ではないにしても)まだ上昇の余地があるのでは、と思っています。理由としては以下の2点。

- クリーンエネルギー市場全体の上昇
- 株価はやや割高だが天井とは言い切れない

バイデン政権誕生、かつ1/5の上院補欠選挙により民主党が勝利したことによりクリーンエネルギーに関連する銘柄が上昇を始めています。これは一過性のものではなくしばらく続く、というのが大方の予測でしょう。
またこの2銘柄は2020年に暴騰したことにより既にPSR(ttm)が20を超え割高圏ですが、昨年ブレークしたハイテク×グロース銘柄はPSRが50だったりそれこそ100近くまで上がったりと異次元でしたので、さすがにそこまで上昇はしないと思いますが、多少の上昇する可能性は秘めていると思います。
#ただ2020年ほどの暴騰はないと思われます。

ただし、クリーンエネルギー関連の法案の可決が危ぶまれたり、足踏みしたりという状況になれば暴落する可能性もありえます。そこをうまく売り抜けるというのは、リアルタイムの取引ができない投資信託では難しいと思いますので、そういった取引を想定するならば不向きです。
また、この投信はクリーンエネルギー関連銘柄ではなく、あくまで「自動運転関連銘柄」ですので、すべての銘柄が爆上げしていくわけではないと思います。

ある程度、達観した心持ちで運用していく必要はあるかもですね。私はそんな感じで持ってます。(最悪暴落してもいいや、下がったら買い増せばいいや、と)

・その他グロース銘柄の見込みについて
・成熟企業の見込みについて

このポイントはやや懐疑的な部分がありますが、まずその他グロース銘柄に限って言えば、PSRで判断すると割安の銘柄がまだまだ多いです。
また、上位10銘柄のうち、S&P500ETFであるSPYを1年リターンでアウトパフォームした銘柄が9銘柄もあります。GM,FCAU(クライスラー)もアウトパフォームしています。(ただし10月くらいまでは総じて低調であったのは注意)

画像5

※TSLA,NIOを除いた上位5銘柄とSPY、オレンジ線がSPY。

これらの銘柄の他にも半導体大手のNVDAやONといった銘柄も組み込まれていて、いずれもSPYをアウトパフォームしています。なので、TSLAやNIOに頼らずとも、コロナ禍終息に合わせて上昇していく可能性はあります。
#他にもYANDEXというロシアのgoogleのような会社や中国のBAIDUも組み込まれています。

ただ、SPYをアウトパフォームし始めたのが11月以降、という銘柄が多く、それまではNIO,TSLA(+NVDAあたり)の恩恵を受けていた投信です。

今後、コロナ禍が徐々に収まり、ダメージを受けた資本財セクターがゆるやかに回復基調に入っていくことが期待できるので、TSLA,NIO以外の銘柄もこの調子で現状維持以上の上昇は見込めるんじゃないかなあ、とぼんやり考えています。が、ワクチンの効果が見えなかったり、何かしら想定外の話も出てくるかもしれません。
バンガードの資本財セクターETFであるVISも回復基調ですので、今の論調がそのまま続くのであれば回復していくのではないかと、私は(期待しすぎず)期待したいと思います。

ただ、いずれにしてもまずは1Q決算次第で大きく動く可能性ははあると思いますので、2月の状況を注視しつつ、もし基準価額が下がるようならスポットで買い増し、2Qの上昇を期待していくというのも手だと思います。

1~2Qでそこまで下げなければ、私はそのまま年末近くまでホールドかな、と思っています。その頃にはこういった業種の調子も大方見えてくると思いますし、また追加情報がたくさん出てくると思いますので、Q単位で判断していこうかな、というところですね。
#まあ、つまり繰り返しになりますが、ほったらかしは良くないと思いますが、投資信託なので中期的目線で見るのが良いです。とは言え、この投信に限らず2021年の市場は不確定要素が多そうですね。

補足として、この投信は次世代型のNIOやTSLAといった銘柄に対し、ビッグ3(最近はあまり聞かなくなりましたね…)と呼ばれる大手自動車メーカーも組み込まれています。その他、まだざっとしか見ていないのですが、財務的に優れた会社ばかりでもなさそうです。これがAI選別という良さでもあり、デメリットでもあると思うんですが、トレンド的に通常個別株としてポートフォリオに組み込むこともあまり無い銘柄もありますので、その点は認識しておく必要があるでしょう。宝くじ的な要素も多分にあるということです。
運が良ければ暴騰しますし、悪ければそういった銘柄が足を引っ張ってしまうと思っておいたほうがいいですね。グロース一辺倒ではないので、なかなか判断が難しい投信ではあります。

まとめ

銘柄分析に時間のとれない人、そこまで労力をかけたくないような人がAIという自動選別機能を信頼し(期待し)あわよくば高笑いできるかもしれない、という可能性にかけて短期~中期スパンでポートフォリオのサテライト的に運用するのはあり、だと私は判断しています。コアというよりもサテライト側です。私もそういう位置づけで保有しています。
あまり手間をかけずに中期目線で市場平均をちょっと上回るリターンを狙いたい、という方には適した投信かもしれません。

多少、投資活動に時間をかけることも可能で、円貨での運用にこだわらないのであれば、今話題の$QCLNといったETFもありますし、そちらを保有しながら市場をよく見てリターンを得ていたほうがいいかもです。あとは自分自身の投資スタイルと相談ですね。

私は、2021年はNeoシリーズの中では自動運転のパフォーマンスに期待しています。もう少し長い目で見れば遺伝子工学やナノテクに期待しているのですが、単年だと自動運転が大きく動くかな、と。今年のパフォーマンスがよければ、AI選別という選択肢もありだと思えそうです。

いずれにせよ不確定要素が多く、未来のことは誰にも分かりませんので、購入を検討される場合はじっくり調べて判断されてくださいね。

私はこういった革新的で挑戦的な投資信託が出てくることは良いことだと思っていて、そこまで大きなリスクや時間のとれない投資家にとって、市場平均型INDEX以外の選択肢が増えることになるので、応援していきたい投信です。12月の運用報告書がまた出ると思いますので、何かネタになりそうであればまたnoteにしたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?