#03 「超、リモートねもしゅー」にありがとう のnote
とにかく言い続けます、私の思いとありがとう。敬愛する根本宗子さん回です。観劇トークする知人も数人でき、立て続けに「根本宗子は見た?」と聞かれたのがちょうど本多劇場「夢と希望の先」の頃。が、時すでに遅く、“完売”の文字を「こんちきしょう!」と地面踏みしめながら見たのをよく覚えています。もし今同じ状況になったら奇跡のために半休とって並ぶか、Twitterにへばりつくか、程度のことはチョロいですがね。結局、最初の根本宗子体験は「スーパーストライク」だったと思いますが、以来彼女の作品に没頭しつづけています。
当然、オンライン作品も拝見しました。多作な彼女は、「あの子と旅行行きたくない。」と、「保母、超ウソツキ❤️」の二本立てです。
もうこれ半年前なのか~。すごい時代の最中だなあ、俺たち。Podcast収録のあとに「超、Maria」無観客版もありましたが、リアル演劇と同じ熱量で同じく迫ってくる感のオンライン演劇、いまだかつてなかったです。
根本宗子さんの作品にはエネルギッシュな"肯定"があります。「あなたはあなたのままでいいんだよ」とかそういう生ぬるいものではなく「おのれの無様さを認めろ!」というタイプのもの。不倫に悩む女性に対して「このままでいいの?やめたら?」とアドバイスのふりをした時間と酸素の無駄遣いをするのではなく、「やめないんでしょ?この先地獄なのわかってるでしょ?じゃあ地獄に突き進みたい自分を認めて、最高に幸せに地獄に行けるよう精いっぱい頑張ろう!」という処方箋があるんですね。受動的でネガティブな生き地獄を、自発的でポジティブなエルドラド(理想郷)にする。この劇薬こそ”肯定”です。書いてて超怖いですね、これ。
Podcast中でも「女子校」という言葉が出ましたが、根本宗子さんの芝居のなかの女はシンプルに女、なんですよね。男性の対比や対象の存在ではなく、男性をストーリーに必要とせず、生命体そのまんまの、女。それはつまり、面倒くさくて嘘つきで自己中で八方美人で見栄っ張りで小心者で欲張りで寂しがりやで変態で不器用で人の話を聞かなくてかまってちゃんでそのくせ理解してくれと駄々をこねる、うるせぇ生き物のことです。無様だね!愛おしいね!
この無様を、言葉で突き詰めて会話で煮だすと、ZOOM越しでしゃべりあう30分強の時間が、感動の殴り合い、そしてものがたりになる。会話だけで。ボロボロに殴り合いながら、自分の無様を棚に上げ、他人の無様もほっといて、ナンダカンダ一緒に社員旅行に行くし、ナンダカンダ一緒に保育園も頑張る。そのナンダカンダに私が寄せる気持ちはおおむね「うらやましい」で出来ています。
まだまだ根本さん作品への思いは募るばかりなのに、目の前にすると何も言えないオタクよろしく、Podcastで思いの1000分の1も言えませんでした。そのくせ自分の声もしゃべり方もドッフドゥフ笑いも気持ち悪くて「ドブがしゃべったらこんな感じかな」と思いながら耐えていますが、それでももう少し無様な自分に向き合っていきたいものです。
で、この回からPodcastが正式タイトルとなりました。旧タイトルとほぼ同じ名前の番組を、敏腕・的確・用意周到のコマジメさんが調べてくれたからです。ほんと仕事できる。ありがとうを言いたい相手が、まさかの故人。なるほどね~。
あと聞き返して思ったのですが、ダーマツさんが「根本さんがカワイイ」って2回も言ってるのにちっとも同意しない残りのふたり、なんなの。私は、東葛スポーツ「袋とじ」で根本さんが一発でアイラインを決めたとき、「美しいっ」って思いました。本当ですよ。
ほかのエピソードはこちらです。ちょいちょいリアル友人に「Podcast聞いてるよ」と言われ、そんな奇特な人が実在するのか?と自分でやっといて驚いています。そしてとても嬉しい。もうすぐ”ままごと「反復かつ連続」にありがとうの回”が公開されるらしいですので、何卒フォローください。