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20240208注目ニュース_財政健全化の道筋が見えない令和6年度予算~平時に回帰しない歳出規模と変わらぬ公債依存

国の予算委員会調査室の谷合正成氏が公表した令和6年度予算のレポートに目を通した。このレポートは、112兆円にも上る国家予算の内訳とその背景にある経済的・社会的な課題を詳細に分析している。特に、経済対策に充てられる21.8兆円と、社会保障関係費が37.7兆円に達している点が気になった。

■1. 現状の問題点の認識
経済対策に21.8兆円投下する予定だが、足元はどうなっているのか?レポートによると、物価上昇に賃金上昇が追いついていない。要は日本国民の生活は苦しくなっているという話だと思う。これは現実としてスーパーの販売価格やガソリンのリッター単価等日々の生活を通して感じる瞬間は多い。

出典:財政健全化の道筋が見えない令和6年度予算 P5
https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2024pdf/20240207003.pdf

一方で、社会保障関連費を見てみると、国家予算全体の33%で平成24年から増加傾向にある。他の費用と比べても突出していると言える。社会保障関連費の内訳としては令和2年度の情報に基づくと概ね以下の通り。

・年金:36%
・医療:34%
・介護:9%
・少子化対策費:9%
・社会福祉費等:13%

この内訳を考えると日本の少子高齢化問題が連想でき、このままでいくと若者にとって明るい未来が見えない国になってしまうと思う。

出典:財政健全化の道筋が見えない令和6年度予算 P7 https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2024pdf/20240207003.pdf

■2. 賃金アップへのアプローチ
前者の国民の生活が苦しくなっているという点については中小企業経営者として一端を担ってしまっている。賃金アップは正直しばらく実現できていない。5年度の春闘の賃上げ率は全産業平均で3.58%と30年ぶりの高水準を記録したとレポートには記載があり、改めて当社における賃金アップの必要性を強く感じた。現在の中期計画及び来年へ向けた計画立案では必ず反映させなければならない。単純に賃金アップすればいいという話ではないところが難しいところで、他に何もしなければ当社の場合は経営がかなり苦しくなる。同時に構造改革を行い、賃金アップしても持続的な成長が実現できるようにしていかなければならない。

■3. 社会保障費問題への取り組み
これは本当に今からメスを入れていかないと若者が可哀そう。希望のない国に子供は増えていかない。恐らく全国民何となくこのままでは上手くいかないと思っているはず。でも、社会保障を前提としてこれまで頑張ってきたからという考えで素通りしてしまう。これではこの国は持たないのではないか。具体的に少子高齢化による社会保障費上昇をできる限り抑え持続可能性を高めるために以下のような対策は至急検討・導入していかなければならないと思う。

  1. 医療費の効率化
    ・予防医療の強化: 健康寿命の延伸を目指し、生活習慣病の予防や早期発見・早期治療に注力することで、医療費の長期的な削減を図る。
    ・ジェネリック医薬品の使用促進: コストパフォーマンスに優れたジェネリック医薬品への切り替えを促進し、医薬品費の削減を目指す。

  2. 介護サービスの見直し
    ・在宅介護の推進: 在宅介護サービスの充実を図り、施設介護への依存度を下げる。これにより、高額な施設介護費用の削減が可能となる。
    ・介護予防プログラムの展開: 介護が必要となる前に、身体機能の維持・向上を目的としたプログラムを提供し、介護需要の抑制を図る(これは必須)。

  3. 年金制度の改革
    ・受給開始年齢の見直し: 長寿社会を反映して、年金受給開始年齢を段階的に引き上げることで、年金支出のバランスを改善する(いい加減これやらないとまずい。元気な70歳、80歳は多いし、まだまだ社会貢献できると思う)。
    ・積立金の運用効率化: 年金積立金の運用効率を高めることにより、将来の年金給付の安定性を高めるとともに、国の負担を軽減する。

  4. 少子化対策の強化
    ・子育て支援の充実: 子育て世代への経済的支援を強化し、育児休業制度の充実を図ることで、出生率の向上を目指す。
    ・若年層の経済的自立支援: 教育費の支援や就職支援を充実させ、若年層の経済的自立を促進し、結婚・出産への障壁を低減させる。

  5. 高齢者の社会参加促進
    ・高齢者の就労支援: 高齢者が望む限り、能力に応じて働き続けられる環境を整備することで、社会保障への依存度を下げ、経済的自立を支援する。
    ・地域コミュニティの活性化: 地域コミュニティ内で高齢者が活躍できる場を提供し、社会参加を促進します。これにより、健康維持にも寄与し、医療・介護費用の削減につなげる。

中小企業経営者としては、特に「5」については貢献できると考える。当社内、業界内にもまだまだ活躍できるのに国の古い制度にはまり、引退モードになっている60歳、70歳、80歳の方々は多い。是非学びなおし含め頑張ってもらえるような環境づくりをしたい。

改めてやらなければならないことが多いことにきづく。今日も頑張ろう。

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