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20240114注目ニュース_鈴木財務相、スリランカ大統領と債務再編巡り会談

事実上のデフォルト(債務不履行)状態にあるスリランカと日本が債務再編に関して会談したとのニュース。要は借金返せないから、返済期限の延長等の条件について話合う場を持ったという話だと理解している。

「財政破綻」は日本においても熱くなっている話題。国の借金が1,200兆円を超え、「行き過ぎ」、「いや行き過ぎではないもっと」という議論が盛んになっている。私自身も勉強不足甚だしい状況で最近改めて理解を深めようとしている状況。そういった中でスリランカのニュースが出たので気になった。

スリランカのデフォルトは2022年5月に宣言され、既に1年以上経過している。デフォルトに至った背景は、以下の通りだと理解している。

■スリランカデフォルトの背景_1. 海外の支援を受け経済成長させてきた
スリランカは長年にわたり、外国からの輸入に依存して国を発展させてきた。輸入には外貨が必要であり、この外貨は主に輸出、観光、外国直接投資、外国からの融資や援助によって獲得されている。

■スリランカデフォルトの背景_2. コロナで主力産業が打撃を受け外貨建て借金を返せなくなった
しかし、COVID-19パンデミックによる観光収入の減少と経済活動の停滞は、国の財政に深刻な影響を及ぼした。これにより税収が減少し、外貨の獲得が困難になった。政府が借金の利息や元本の支払いに必要な外貨を調達できなくなると、デフォルトの状況に陥った。

■スリランカデフォルトの背景_3. 何故借金を返すための借金ができないのか?
借金のための借金だってオプションの1つとして存在するはず。日本だって国債発行して借金返済しているのに何故スリランカはできないのか?それは日本は円建ての国債で自国が買っていて、スリランカは外貨建ての国債で自国では買えず海外に購入してもらう必要があるから。海外は返ってくることがわからないリスクが極めて高い国債なんか買わない。そこに行き詰ってスリランカはデフォルト宣言に至っている。

スリランカと日本では国債発行の建付けがそもそも異なるので単純比較はできない。だから、「スリランカが財政破綻したから日本も注意」というロジックが散見されるがそれは極論過ぎる。乱暴だが、日本の財政破綻の1つのシナリオは以下の流れと理解している。

■日本財政破綻のシナリオ_1. ハイパーインフレで通貨価値低下
日本の財政破綻論はハイパーインフレとつながっている。ハイパーインフレの状況では、通貨価値が急激に低下する。この結果として、政府は財政赤字を賄うために更に多くの自国通貨建て国債を発行する必要性が高まる。しかし、通貨価値の低下は市場での国債の価値を減少させ、これが負のスパイラルを生む。通貨価値の低下が続くと、政府はさらに多くの国債を発行する必要が生じ、これによって通貨価値はさらに低下する。

■日本財政破綻のシナリオ_2. 通貨価値が低下すると最終的には社会が不安定になる
さらに、通貨価値の低下は輸入品の価格を高騰させ、必要な物資や資源の輸入を困難にする。これは経済にさらなる圧力をかけ、経済全体が混乱に陥る。具体的にそれが何を指すかというと、以下のような展開になる。

輸入品の価格高騰⇒国内物価の高騰⇒生活必需品の不足⇒購買力の低下⇒経済活動の停滞⇒社会的不安と政治的不安定性が高まる(例えば暴動などが起きる)

要は日本は外貨建ての国債発行をしていないので理論的には国債を発行し続けることができるが、そのことは日本を極めて人が住みにくい国にしてしまう可能性をはらんでいるいるという話だと理解している。ただ、このシナリオを恐れて緊縮財政を続け、企業に賃金上げろってかなり苦しい(ここでいきなり視野が狭まってしまうがどうしても注目してしまう)。ジリ貧の施策は取るべきではないと思う。では具体的にどうするべきなのか、もう少し私たちも自分事として施策を考えるべき。いずれにしても金をどこに集中的に使うかは判断しなければならない。それを決めるのは国民。

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