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初午
「初午」とは、二月の初めの午の日の稲荷神社の祭日のことです。稲荷神社のご神体は宇迦御魂命(うがのみたまのみこと)、五穀を司る神です。神様の使者は狐です。この頃、田の神が山から降りてくると考えられていたので、田の神を祀る日とされています。
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「初午」の「午」には理由があります。
午の刻は、現在の「正午」
そして方角は「南」
太陽が一番高くにある時間です。
まだ寒さの残る春ではありますが、太陽の恵みを受けて、今年もたくさんの稲穂が実ることを願ったために二月の午の日が祭日になったそうです。
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稲荷神社のお祭りですから神様のお使いは狐です。狐のしっぽが稲穂に見えるためとも言われます。そのため、初午の時は狐の色に似た油揚げを奉納します。
油揚げを奉納するので、初午の時に食べるものはお稲荷さんです。
関東は豊穣を願い米俵の形のお稲荷さん、関西は狐の耳の形をしたお稲荷さんをいただきます。
京都ではこの他に「畑菜」という京野菜のからし和えを食べます。なぜ、畑菜を食べるのかは諸説あるようですが、稲荷神社を建立した秦伊呂具(はたのいろぐ)の「秦」にかけて「畑菜」を食べると伝えられています。
お稲荷さんと畑菜のからし和えに添えるのが、福茶。節分の豆を煎って、昆布と梅と山椒をいれて湯を注いだものを福茶と言います。
初午と茶道のつながりは「つぼつぼ」です。
伏見稲荷の初午祭りでは、「つぼつぼ」という素焼きの土器が「つぼつぼ田炮(でんぼ)」と名付けられて売られていました。とても人気のあるお土産だったようです。この「つぼつぼでんぼ」に稲荷山の土を入れて持ち帰り、自分の田畑に埋めて豊穣を祈願したそうです。
なぜそれが茶の湯でも使われるようになったかと言うと、表千家6代覚々斎の頃、「つぼつぼでんぼ」をお土産に買ってきて樂家で釉薬をかけて焼いてもらい、懐石の向付に用いたのが茶の湯での始まりだそうです。
今では、様々な茶道具に文様として用いられていますし、千家の女紋にもなっています。
もう一つの茶道での初午の道具は「伏見人形」人形そのものというよりも、伏見人形の香合を使います。伏見人形は全国の土人形の元祖であり、大流行しました。
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その人形の中でも、茶道に縁があるものは「初午猿」この「初午猿」は、表千家7代如心斎が初午詣の帰りに、啐啄斎(与太郎)の土産に買い求めたものだそうです。
初午で茶会をしました。
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