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流鏑馬

流鏑馬とは、馬に乗って一直線に走りながら鏑(かぶら)という矢でいくつかの的を射る行事です。小笠原流の流鏑馬を見学したことがあります。

鏑とは、矢の先に木や鹿の骨で作った蕪のような形のものをつけたものです。これを矢の先に付けて弓で射るとヒュンという音が鳴ります。この音が、戦場では戦う合図として鳴らされていました。今では鏑の音は魔除けとされ、穢れを払います。平安時代からある流鏑馬は、武術であったものが神事へと移り変わってきたことがわかります。
小笠原流の流鏑馬は神事として伝える流鏑馬とともに、作法としても流鏑馬を伝えています。馬に乗って位の高い人の前を通るときは、片鐙をはずすのが礼儀だそうです。相手に斬りかからないことを伝える作法とのことです。 礼に始まり、礼に終わる。流鏑馬道なのだなと感じました。
小笠原流で奉納される流鏑馬は3騎。3つの的に当てていきます。馬が蹴った砂が飛び散って、穢れを払う臨場感が素晴らしい。鏑を射った後に「インヨー(陰陽)」と声を発していました。二つの気のバランスをとって神と呼応しあうための掛け声のようです。流鏑馬の世界にも「陰陽」があるのです。


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