トラガールって知ってる?
トラガールと2024年問題
トラックドライバーで働く女性をトラガールと言うらしい。
北海道には三好さやかさんという人がトラガールのシンボル的存在らしい。
物流業界はいわゆる「2024年問題」に向き合っている。
2024年問題とは,2024年4月からトラックドライバーらの残業規制が強化されることからそう呼ばれている。一人当たりの労働時間が年間960時間を上限に設定され,労働環境改善が期待されている。一見すると労働条件が改善されるいいニュースに聞こえる。ところが,もともと担い手不足が深刻化している業界であったにもかかわらず,荷物の量は変わらないため,これまで以上に人手が必要になるのだ。
実は宅配便の取り扱い個数は,右肩上がりに増えている。下のグラフからは,平成元年ころに比べて50倍にも膨れ上がっていることがわかる。背景にはAmazonや楽天といったECの普及があげられる。
荷物の量が大幅に増える一方で,働く人は増えているのだろうか?
全日本トラック協会が発行している『日本のトラック輸送産業 現状と課題2022』をみると,平成22年の181万人から令和3年の199万人と,10年で20万人ほどの微増であることがわかる。
ちなみに,この間取り扱い個数は約1.5倍増えており,微増したトラックドライバーだけではまかないきれそうにないことは明白だ。そのため,トラック業界の有効求人倍率は2倍から2.5倍と,全業種平均の倍近くなっている人手不足業界なのだ。
こうした慢性的な人手不足に,労働時間の上限が加わることで,日本の物流がこれまでのようにはいかなくなるのではないか。これがいわゆる「2024年問題」なのである。
冒頭のトラガールさんは,自身もモデルとして活動しながら,SNSを駆使してトラック業界のイメージ刷新に一役買っているという。
本稿では紹介しきれていないが,トラック業界の現状は,決して取扱個数の上昇や就業者数だけではなく,多面的・多角的に分析されている。参考文献などに手を伸ばしてほしい。
今回は毎日新聞の記事から勉強しました。
参考文献
全日本トラック協会「日本のトラック輸送産業 現状と課題 2022」
https://jta.or.jp/wp-content/themes/jta_theme/pdf/yusosangyo2022.pdf
物流のいまと未来ちょっとサイトが重いです。
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