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傷ついた野生動物のレスキュー隊

傷つくオジロワシ

オジロワシの写真かっこいいですよね。こちらの写真はオジロワシの幼鳥。Shimasobaさんという方が撮影したものだ(https://shimasoba.com/blog/642/)。

北海道のオホーツク海沿岸には,ロシアからオジロワシが流氷とともにやってくる。オジロワシは絶滅危惧Ⅱ類に指定されており,国の天然記念物でもある。北海道では1990年以降営巣地が増加している一方で,繁殖力が悪化しているという状況にある。その原因として挙げられるのが,人間社会と距離が近くなったことによる増えた事故だ。

録画してあったNHKの番組「ワイルドライフ 北海道 オジロワシ舞う大地 密着! 絶滅危惧種レスキュー」(https://www.nhk.jp/p/wildlife/ts/XQ57MQ59KW/episode/te/XZXRK6ZKQM/)を見た。

北海道釧路市にある環境省釧路湿原野生生物保護センター。ここでは10人に満たないメンバーで,全道の野生動物のレスキューを受け持っている。チームをまとめるのは,猛禽類顎研究所獣医師の斎藤慶輔さん。30年にもわたって,傷ついた鳥たちの治療を行ってきた。鳥が傷つく主な原因はわれわれ人間だ。

真っ二つに折れた羽。ワシの近くに見えるのは巨大な発電用の風車だ。回転する羽に富んでいるわしが叩き落されることがある。ここ10年間で分かっているだけでも70羽ほどが同様のケースで傷ついている。この数はもちろん氷山の一角である。

ほかにもシカ猟に使われる鉛の弾丸は,巡り巡って鉛中毒のワシを生み出していた。鉛中毒になったワシは助けることができない。斎藤さんの原点はこの鉛中毒のワシだった。斎藤さんは世界にも珍しい猛禽類の鉛中毒の実態について報告した。日本では2000年以降,鉛の弾丸の使用が禁じられた。

また,ワシはよく列車にはねられる。原因はまたしてもシカ。道民にとってはおなじみの汽車とシカの事故は,一番の発見者であるワシがシカの死骸をを食べている間に,後続の列車にはねられるのだ。

斎藤さんはこうした状況に「環境治療」という考え方で向き合っていく。

環境治療とは,野生動物が事故にあわないように,危険な環境を特定し,変えていく活動のことだ。鳥よけの送電塔や高速道路に鳥よけポールを立てるなどの対策が進んでいる。

https://chubudenki.net/archives/2247中部電気工業株式会社HPより

高速道路の鳥よけについては下のような文献を見つけた。
https://thesis.ceri.go.jp/db/files/12857413055847ad5190b.pdf3a

様々な角度から見ることの大切さ

中学校の社会科では,地理の授業などで「最適なエネルギーミックスを考えよう」みたいな課題で,火力や原子力,水力,太陽光などの配分について考えるという授業がある。北海道では近年風力発電機の建設が急ピッチで進められているからか,風力発電に魅力を感じる生徒は多い。

しかし,このように風力発電は自然から電気を作り出す一方で,オジロワシの羽を真っ二つに折り,傷つけてもいるのだ。だから風力発電が悪いというわけではなく,様々な視点から物事を見なければ,都合の良い解釈による決断をしてしまうということになることにアンテナをめぐらせてほしい。

こうした斎藤さんのような地道な活動については,ホームページでチェックできる。

YouTubeもやってる。

参考文献

https://thesis.ceri.go.jp/db/files/12857413055847ad5190b.pdf3a

https://chubudenki.net/archives/2247


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