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編集長だけが知っている!成功するTwitter公式アカウント乗っ取りの方法:スティーブ・ジョブる日記(ホワイトペーパー編)

Twitter has been my life's work in many senses. It started with a fascination with cities and how they work, and what's going on in them right now. Jack Dorsey
Twitterには、私の人生のあらゆるものが詰まっています。それは街で人々がどのように働き、魅了され、そして今まさに何が起こっているのかから始まるのです。 ジャック・ドーシー

■はじめに:僕が宣言したTwitter公式アカウント乗っ取りについて

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こんにちは和樂web編集長セバスチャン高木(@warakuweb)です。

このnoteは2020年4月11日に突如思いつきで和樂webのtwitter公式アカウントを乗っ取った僕が「なぜそんなことを思いついたのか?」「乗っ取り後やっちゃったこと」「今後どうするつもりなのか?」などを綴った内容になっています。

雑誌からwebメディアに放り込まれたおじさんがTwitterをはじめるとこうなるんだ!ということを中心にまとめています。

■自社メディアのTwitterがいまいち機能してない           ■あーあ、よくわからないまま上司がSNS始めちゃったよ        ■紙とwebの違いがいまいちわからない

というような悩みを感じている方に読んでいただけるとうれしいです。

「よし!またTwitterのこと考えてみるか!」というきっかけになってもらえるよう頑張ります。

なお、この記事はTwitterでnoteセールス担当の庭野真衣(@nwnmi)さんが

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ってつぶやいているのをみかけたので、noteでホワイトペーパー風に書くことにしました。

さらにジェイ(@junta_suzuki)さんのnoteがすごく勉強になるともつぶやかれていたので、それを参考にして書いています。

(ジェイさんほんと、勉強になりました。きっとこの内容でなければもっとちゃんと書けたと思います。ごめんなさい。あと、twitterフォローくださりありがとうございます。)

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なので、この記事がつまらないと感じたらその責任は僕ではなく、庭野さんの責任になるのでは?と思うのですが違いますよね、きっと。

また、実はホワイトペーパーってなんのことかわからなかったので、「ホワイトペーパー」ってググったらトップに表示された(すごいですね!)こちらの記事を参照しました。

出版社のおじさんにホワイトペーパーって言ってもわからない人がほとんどだと思うので注意してね。(ただし、一度覚えるとその言葉を連打する傾向があるのはKPIの事例で検証済みです)

こちらの記事を読んでいたらホワイトペーパーのタイトルはすごく重要なので

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ということを注意してつけてと書いてあったので

「編集長だけが知っている!成功するTwitter公式アカウント乗っ取りの方法」

としてみました。

どう?上記の3つの条件、みたしてますか?

(決して不正にパスワードを入手して物理的にアカウントを乗っ取る方法を解説するものではないのでご注意ください。)

■和樂webのTwitterを取り巻く環境

なぜ僕は公式アカウントの乗っ取りという暴挙に出たのか?それを説明するにはまず和樂webのTwitterの歴史を振り返らなければなりません。

①和樂webのTwitter前史

そもそも和樂webは2019年4月に誕生したwebメディアです。その前までは「intojapan」という名前で、コンテンツのほとんどは僕が編集長を務めていた雑誌和樂の記事をベースに、というか形を変えて再掲載したものでした。

和樂webがスタートしてからもTwitterのアカウントはそのまま。雑誌和樂と共同で運営していたため、つぶやきの内容もこんな感じでした。

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はい、もうしっちゃかめっちゃかです。この混乱期に和樂webに加入したウェブディレクターの鳩(@tyore)さんは、当時、状況をこう分析しました。

■登場人物が多すぎて初見の人がわかりづらい
6名(高木さん+とまこさん+きむらさん+こぱ子さん+さいころさん+雑誌編集長の84さん)が、それぞれ好きなタイミングで全く違ったフォーマットで投稿していたため、超カオス。

「誰やねんそれ!」と鳩さんは思った。

■情報が混在していてわかりづらい
投稿するネタも、雑誌の付録・西洋美術・webの過去記事・新しい記事・日本美術・編集・妖怪カード・浮世絵・マンホール・歌舞伎・プロレス・棺...といった具合に、テーマもレベル感もバラバラ。

「プロレスのこと公式でつぶやくなよ!」と鳩さんは思った。

■フォロワーの大半がアートクラスタ
Twitterフォロワーの多くは雑誌「和樂」の昔からのファンやそれに近しい属性の人たちのため、日本美術や西洋美術に興味のある人たちがほとんど。一方、和樂webの記事は神話や妖怪、戦国時代、城、火縄銃、縄文時代など...多様なテーマがあります。なのでフォロワーのニーズとwebからのアウトプットに大きな乖離がありました。
(現にwebサイトへの誘導数はFacebookに比べると非常に少ない)

「ちったぁ考えてからやれよ!」と鳩さんは思った。

あまりにもっともなことをズバズバと指摘されるのでメンタルが弱い僕はもうこの時点で鳩さんにすべてを委ねてしまおうと決意しました。

もっと詳しく当時の混乱と混沌が知りたい方は下記の記事をお読みください。

結果、以下方針で和樂webのTwitterを運営することにしました。2019年7月19日のことです。

■アカウントは雑誌とwebで分ける。
■それぞれ明確なコンセプトのもと一貫した情報発信をする。
■最初はフォロワー数を指標にする。

この運用変更に関しての最大の目玉はTwitterのアカウントをwebと雑誌でわけることです。

僕が副編集長の時に個人的にお遊び気分で立ち上げた(結果つぶやきの内容も何も戦略ないまま続けられていた)和樂のアカウントはフォロワー約1万とそこそこの規模に育っていました。そこから離れて一からアカウントを育てるのは相当勇気が必要なことでしたが、目的に応じてアカウントを分けるというロジックを優先しました。

②アカウント乗っ取り前の状況

雑誌から独立した和樂webのアカウントはTwitterを通じて記事への流入を図ることを主目的と設定しました。ですのでつぶやきの基本ルールは、

■記事のタイトルやアイキャッチ画像=Twitterの投稿文になる認識で編集・チェック。
■複数人運用だけど基本フォーマットは「記事のタイトル+ライター名」
■noteなど運用方法の話もTwitterで周知(クリエイティブや編集、ライター、商品企画に興味を持ってくれる人にもリーチするため)。
■KPIはwebサイトへの誘導数

としました。

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こんな感じにタイトルと筆者名を記すというシンプルな形です。つぶやきといいつつそこには投稿者の血が通った風情はどこにも感じられませんが、それぞれの投稿者による投稿内容のばらつきを排除し、つぶやきを記事に集中させるという狙いでこのスタイルにすることにしました!

その後、多少の変更を経て「記事本文の抜粋+ハッシュタグ」という仕様に落ち着きましたが、複数の運営者が投稿しているにも関わらず、運営者の個性は、

「投稿する記事の選択」「どの部分を抜粋するか」「ハッシュタグの選定」

ということのみで表現され、フォロワーには見えてこないということに変わりはありません。

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今読むと意外と抜粋部分で上手い下手があることがわかります

③公式アカウントが抱えている課題

2019年7月のアカウント独立から2020年4月までの9か月でフォロワー数は、雑誌の1万には遠く及ばないまでも2450を数えました。

その間和樂webのサイト規模は順調に拡大し、UUも100万を超えさらに数字を伸ばそうとしています

しかしながらアカウント独立時に主目的と設定したTwitterからwebへの流入は試行錯誤してみたもののあまり変わらず、全体の約1%以下で推移しています。

ここで僕の頭にひとつの疑問が湧いてきました。

それはフォロワー数約1万のアカウント(雑誌との共同運営時)と2500くらいのアカウント(web独立アカウント)で流入数が変わらないというのはどういうことなのだろう?ということです。

和樂webの場合どう見ても「フォロワーの数」と「webへの流入数」に相関関係が見えないんです。

和樂webにおけるTwitterアカウントのフォロワー数とwebへの流入の関係を抜粋するとこんな感じになります。

■2019年5月(雑誌との共同アカウント)        4812UU  ■2019年6月(雑誌との共同アカウント)        4130UU ■2019年7月(19日にweb独立アカウント取得)     3853UU ■2019年9月(独立アカウント:フォロワー1400)  5012UU ■2020年1月(フォロワー2000)           5495UU ■2020年3月(フォロワー2300)          3687UU

これから導き出された結論は、Twitterのユーザーは140字の世界で安住していて、そこから他の世界には引っ越しどころか、移動さえしないということでした。(この状況こそが創業者ジャック・ドーシーがTwitterで目指したものなのでしょう)

フォロワー数が10万とか100万とかいう桁違いの数であれば遷移率が低くてもTwitterからwebへの流入はそこそこ見込めます。しかしながら、和樂webの力を考えた時、現状のフォロワー数をそこまで伸ばすことは現実的ではありません

そこで、

記事への導入という役割を一旦捨てる

ことにしました。

また、投稿の内容に目を向けると、和樂web公式アカウントであることを意識するあまり、投稿者の個性が完全に消えたつぶやきとなっていました。

僕が尊敬する武田信玄は「人は石垣、人は城、人は堀」という言葉を残していますし、松下電器の創業者であり経営の神様と言われた松下幸之助は「事業は人なり」という言葉を好んで使ったと言います。

だとすれば投稿内容も

最大限に投稿者=城の個性を発揮する

ものにし,つぶやきがただのつぶやきではなく熱狂を産むものでなければなりません。

関連:バカバカしさだけが人々を熱狂させるコンテンツになる!『和樂』編集長 高木史郎 ×「北欧、暮らしの道具店」代表 青木耕平 対談前編

さらにもうひとつの問題がここにきて浮上しました。

それは、Twitterのアカウントをwebと雑誌でわけるということは完全にメディア側の問題であって、つぶやきの世界に生息するユーザーには何ら関係がない。

よって同じアカウントからつぶやかれていると思っている人が多いと推測されるということです。

つまり、

発信者をもっと強調する

必要性も見えてきました。

これらの課題をまとめると以下のようになります。

■Twitterからwebへの流入が少ない                 ■無記名の投稿による個性の消失                   ■雑誌のアカウントと混同されている

■結論!アカウントを乗っ取るしかない

もうこれしか選択がなかったことがおわかりになったことでしょう。

Twitterによるwebへの流入をあきらめて、個性を出して、雑誌のアカウントと間違えられないようにする、ね、↓みたいにすればとりあえす3つの課題は解決しますよね。

乗っ取り前夜の宣言

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■私的Twitter考察

ここまでは上流部分「なぜ公式アカウントを乗っ取ったのか?」というお話をしてきましたが、ここからは下流部分=「で、どうしたの?」というパートに移ろうと思います。

まず、何をするかにあたっては敵=Twitterのことを知る必要があります。これは世界のビジネスエリートに愛される中国最古の兵法書「孫子」の一節からも明らかなことでしょう。

■知彼知己 百戰不殆(敵と味方をよく知るなら、どんな戦いにもほとんど破れる心配はないだろう) 
■不知彼而知己 一勝一負(敵の実情を知らなくても勝てることはあるが、負けることもある)
■不知彼不知己 毎戰必殆(敵のことも味方のことも知らないなら、何度戦っても必ず危険に晒されるだろう)

もしかして僕はTwitterのことを何も知らないまま戦に臨んでいたのかもしれません。

そこであらためて攻略する相手であるTwitterのことを考察することにしました。

①つぶやきで構成される世界

Twitter has been my life's work in many senses. It started with a fascination with cities and how they work, and what's going on in them right now. Jack Dorsey
Twitterには、私の人生のあらゆるものが詰まっています。それは街で人々がどのように働き、魅了され、そして今まさに何が起こっているのかから始まるのです。 ジャック・ドーシー

Twitterの創業者、ジャック・ドーシーの名言からもわかるように、彼はTwitterを140字のつぶやきを配信するプラットフォームではなく、つぶやきから構成されるひとつの世界だと見ています。

今まで僕はTwitterを自分が伝えたい何かを配信する場としてしかとらえていませんでしたが、原子や分子といったリアルな物質の単位で構成された世界と同じように、マックス140字というつぶやきで構成された世界としてTwitterをとらえ直すことにしました。

僕たちはつまるところつぶやきの世界を冒険する旅人なのです。

かつて僕は大学卒業後、2年ほどバックパッカーとしてヨーロッパやアフリカを旅しました。そこで様々な人々や景色と出会い、その経験はその後のキャリア形成にとって大きな糧になりました。

Twitterをひとつの世界として見るなら、その世界に漕ぎだすことでリアルな旅で得られたものと同じものが得られるに違いない、そう仮定したのです。

②なんか民藝と似てるぞ

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民藝運動の中心的存在であった柳宗悦(やなぎむねよし)はかつて「民藝とは」を定義するにあたって上記の9つを提唱しました。

その上で柳は「無名の美」「美を見出す」という新しい価値基準を作り出したのです。

柳はそれまで下手物とされてきた、庶民が使ううつわや生活道具の中に、美的価値を見出しました。美術品ではない無名の工人が民衆のために作る日用雑器、そこに初めてスポットライトをあて、美を見いだしたのが柳宗悦であり民藝なのです。こうした新しい美の基準の発見はとても画期的なことでした。(民藝のある暮し手しごとHPより

これってTwitterとすごく共通することがあると思いませんか?

僕たちが旅するTwitterの世界には無数のつぶやきが存在します。ひとつひとつのつぶやきを柳が言うところの日用雑器に見立てると、僕たちは星の数ほどある雑器=つぶやきの中から、自身の目で価値のある器を探し当て、美を見出さなければなりません。

逆に言うと、Twitterの世界では柳が提唱した民藝のようなつぶやきを見出す喜びに満ちているのです。

■アカウントを乗っ取ってやっちゃったこと

さて、いよいよアカウント乗っ取りの実践に移りましょう。

僕がアカウントを乗っ取って実行したことはいくつかありますが、重要なのはトライアル&エラーです。(ずっとトライ&エラーだと思っていたことはこの際伏せておきましょう)

関連:「トライ・アンド・エラー」は間違い! 会議で使ってはいけない和製ビジネス英語

とにかく思いついたことはとりあえずやってみて失敗したらやめればいい。公式アカウントの乗っ取りはそれくらいのかるーい気持ちで実践してみましょう。

①仲間を募って旅に出た

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Twitterという未知なる世界に旅に出る。

それにあたって重要なのは旅のお供です。桃太郎でもドラクエでもお供がいなければ話になりません。ただせっかくなので、普通にやっていたら一緒に旅に出ることは決してない人と旅に出たい

そう考えた僕はTwitter上でともに旅をする人を募り、フォローすることにしました。

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②むやみやたらにつぶやく

世の中にはセルフブランディングがきちんとできていて、明確な意思をもってつぶやきを投稿する能力が高い人がたくさんいますが、僕に一番かけているのがその能力です。

ただ、勢いだけには自信があるので、「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」方式でむやみやたらにつぶやいてみることにしました。

できればiRobotのCEOであるコリン・アングルみたいな理論武装をしてみたいものです。

「システマティックなつぶやきでは、システムが見過ごしたものを決してつぶやくことはできない」(和樂web編集長 セバスチャン高木)

下記に記すのが、むやみやたらにつぶやいた投稿例です。

例1)個人的な悩み

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例2)時事ネタ系

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例3)内輪でのやり取り

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はい、このようなつぶやきを大量に投下した結果、フォロワーを順調に減らすことに成功しました

で、僕に疑いの目を向けるスタッフに平静を装うために下記のようにツイートを固定しています。(2020年4月19日現在)

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その後、さらにフォロワーが減り続けることに平静を装いつつまったく平静ではなかったので、編集長が紹介するという視点を活かした「私的なエピソードを絡めた記事の紹介」とかわいい動物の写真を投稿する「インスタグラマー風」つぶやきが現在の投稿の中心になっています。

和樂webの記事を私的エピソードとからめて紹介する

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インスタグラマー風

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③他のスタッフもアカウントを開設

前述したように戦国の英雄武田信玄は「人は石垣、人は城、人は堀」という名言を残しています。

この名言を和樂webに当てはめるとすれば、各スタッフはそれぞれが城にならなくてはならないということになります。(僕はもちろん本拠地にどーんと天守閣を構える本丸です。え?旅に出るんじゃなかったっけ?)

そこで、Twitterの世界で殿である僕が天下統一を果たすための支城、出城、礎、もしくは人身御供にするべく、今まで個性を消してTwitterの運用をしていたスタッフたちに和樂webスタッフとしての個人アカウントを開設してもらうことにしました。

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なんとも頼り甲斐がありそうな支城たちです。せっかくですから和樂webの支城たちを紹介しましょう。

ウェブディレクター鳩仮面(@tyore)
アダチアンドリームきむら(@AdachiKimuraweb
彷徨えるリコピン、北本とま子(@tomakowave
鉄の女、サッチー(@Ironwomansuchie
平安暴走戦士chiaki(@ChiakiWeb
血に飢えた甲冑女神、あきみず(@akimizu_waraku

あらためて見ると不安しかないのですが、「人は城」なので仕方ありません。ハリボテの城でもないよりはましと思いましょう。

4.おわりに

ここまで読んでいただいてありがとうございます。僕の中では長期間(2日間)で作成し、他の記事を貼ったり、画像に工夫したり、頑張って書きました。

冒頭でも書きましたが、僕が考えてきたことで、少しでも紙媒体の編集者がどうせwebなんてこんなもんだろうとかるーく考えて施策すると、ロクでもない結果になるどころか、適当に歳だけとっているので部門の責任者みたいになっていて、部下や取引先の方に迷惑をかけてしまうことに気がつくきっかけになればうれしいです。

以上、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

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