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好奇心はネタと同じくナマモノ

私は今寿司屋で修行中の身である。
理由についてはまた後日書くとして、今2年目の(仮)寿司職人です。

そして、2つの寿司屋を掛け持ちしている。
1つは港区にある超高級寿司屋。こちらはミシュランも獲得していて、予約表には名の知れた著名人の名もよく見かける。 
どれだけの高級店かというと、醤油さしが25万円。絶対に割れない。できれば触りたくない。
ここでは毎日仕込みをして、営業にも立たせてもらいちょこちょこ巻き物や握りもやらせてもらっているがあたりまえだが基本は大将が握る。

そしてもう1つの寿司屋は立ち食い寿司屋。立地的に駅から近くて結構忙しい。
醤油さしはプラスチック。落としても割れない。客もスタッフもよく落としている。
高級寿司屋の方ではバシバシ握れないのでこちらのお店では板場に立って握りをメインでやっている。1日250〜300貫程握っている。

高級寿司屋でインプットして立ち食い寿司屋でアウトプットって感じ。


立ち食い寿司屋で働き始めたのは去年の秋からだった。
高級寿司屋だと圧倒的に握る回数が少なすぎるため、もっと客単価が低い店でバンバン握ってさっさと上手くなりたいと思った。
寿司の修行は玉子焼き何年とか握らせてもらうようになるまで何年とか色々言われてた時代もあったけど、無理無理。
寿司に行き着くまでに興味の炎が消えちゃうもん。
好奇心は寿司ネタと同じくナマモノなのです。

とにかく場数に敵うものはない。と私の持論だが、場数をこなせる職場を探すことにした。
沢山握れればそれで良かったからシャリマシーンを使っていない回転寿司屋や持ち帰りの小僧●しチェーンとかで良かったが、
「ホール業務はやりません。」と頑なな新人を雇ってくれたのは都心の一等地にある立ち食い寿司屋だった。
面接の前から電話口でホール業務はやりませんと念押ししておいたのは他でもない握りの強化の為だけに働きたかったからだ。
ホール業務はもうすでに高級寿司屋でもやらされているし、全然面白くない。
単価の低い店でわざわざホール業務などしたくないのだ。

そんなこんなで、魚を何でも捌けます※₁&超高級寿司屋で現役で働いているという肩書を武器に、私は立ち食い寿司屋の板場に立つ権利を勝ち取った。

※₁魚を何でも捌けます。
2015年〜2017年のアメリカ留学から帰国後、何故か猛烈に魚を捌けるようになりたくて銀座にある和食屋で1年修行した結果。

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